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記憶  作者: ミカクニン
第一章 −喪失−
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第13話 −鏡の神父−

特にないですね。

「───なにか、御用ですか?先程の方々。」


「あんたに、聞きたいことがあって来た..神父サン。」


パーカーを着た"悪魔"は、荒々しくドアを開けると、一拍おいてそう聞いてくる。


「聞きたいこと、ですか。」


「最近この街で起きている失踪事件についてだ。」


「あぁ、それですか。物騒ですよねぇ、本当に。」


何も知らないとでも言うかのように振る舞う。


「...アンタ、何か知ってんだろ。」


「どこでそんな情報を手に入れたかは解りませんが、私は何も知りませんよ。本当です。」


「余達だってあんたのことはあまり疑いたくはない。けど、人が居なくないっているのは事実だ。」


「じゃあなぜわざわざ兵士まで連れてきているんでしょうね?護衛ですか?」


そう問いかけると、驚いたような顔をする。


「なんでそれを...」


「気配でわかりますよ。私からは見えない位置に4人。ですよね?ダネスさん。」


椅子から立ち上がり、教卓の前へと歩く。


「あんたやっぱり人間じゃ───」


そう言いかけた瞬間、神父は銃を構え、ダネスに銃口を向け、引き金を引く。


「っ!?」


ダネスはギリギリで弾を避ける。


「やっぱりか...」


銃声を聞き、兵士たちが槍を構え、出てくる。(つくも)も武器を構える。


「実を言うと、私もあなた方に会いに行く予定だったんですよね。それが、わざわざそちらから会いに来てくださるとは...」


「神父の姿に化けて我々を騙していたとは...ゆるさん!この街の平和を守るために、貴様を捕らえる!!」


「騙される方が悪いのだと思うのですが。まぁ、しょうがないですよね。はっきり言って貴方達馬鹿ですしね。」


神父は嘲笑する。


「なっ...貴様ぁ!」


兵士たちは怒りをあらわにし、神父へと向かって走りだす。


「待って!」


そう兵士たちに向かって叫ぶが、誰も止まらない。


「本当に、あなた達はいつ見ても滑稽だ。」


神父はそう言うと、再び銃の引き金を引く。暴発音と共に、先頭にいた兵士が後方に倒れる。


「な...ど、どういうことだ!!?この鎧は弾丸をも防ぐと言われているのに...!」


「それは普通の銃の場合ですね。私の銃は威力が少し高めなので。あとは、弾に魔力を少々...」


「くそ!よくも仲間を──」


不意に銃声が聞こえる。


「あなた方、邪魔です。どいてください。」


前方にいた兵士が倒れる。


「ひぃっ...!に、逃げろぉ!」


そう言って残りの兵士たちは走り去っていってしまった。


「情けないですねぇ。あれでも本当に兵士なんでしょうか。」


神父は銃を下ろし、笑いながらそう言う。


「リオ、どこかに隠れてて。」


「わかった。」


「優しいですね。まぁ、居ても居なくても変わりませんが。」


「失踪事件の犯人はあんただったのか。」


「まだその話を続けるつもりですか?まぁ、犯人であることに間違いはないですが。」


「誘拐した人たちはどこだ。」


「さぁ、どこでしょうね。少なくとも、生きてはないんじゃないでしょうか。」


神父は悪戯(いたずら)に笑う。


「...お前の目的は何だ。」


ダネスは神父を睨めつける。


「そうですねぇ...その辺の下級悪魔(ザコども)と同じとでも言っておきますか。」


「狙いは白か...」


「惜しいですね。あなたもですよ、ダネスさん。」


「あぁ、それは前からだから知ってるけど。」


「何したんだよ...」


「奴隷を助けたら捕まって、そこから逃げ出しただけだけど。」


ダネスは、それがどうしたのかというような顔でそう言う。


「いや、そんな真面目な顔で言われても...」


「しかも、奴隷に味方して、挙げ句には他の四天王と対立して争いを始めるしで、大変だったらしいですよ。」


「まぁ、いい奴らなんだけど、その辺に関してはウマが合わなかった...ってなんでそれ知ってんの?」


「さぁ?なぜでしょうねぇ。」


「まぁいいや。とりあえず、ここでお前を倒す。」


「できると良いですね...」


神父がそう言った瞬間、空気が変わる。


「少し本気で行かせてもらいますよ。」


神父は左手を顔の高さまで上げると、パチンと指を鳴らす。すると、頭上に一枚の大きな鏡が現れる。鏡をよく見ると、教会とは別の空間が映っている。


「ダネスさんにとっては思い出のある場所ですね。」


「思い出?そんな場所あったかな...」


「魔界です。」


「え?」


「直通です。」


「直通?」


「はい。実はこの鏡、映った場所に移動することができるんですよ。」


「へぇ、すごい。」


「いや、関心してる場合か。」


白は素早くツッコミを入れる。


「なるほど、つまりあんたの能力はその鏡か。」


「そう、私の能力は『鏡を出現させ、その鏡に映った場所に移動することができる』もの。」


「戦いには向いてなくない?その能力。」


「えぇ、向いてませんね。」


神父は、さも当然のことかのように言う。


「ですが、意外と便利なんですよ?この能力。」


神父はさらに鏡を出現させる。


「"捕まらないように"、がんばってくださいね。」


神父はそう言うと、再び銃を構え、引き金を引く。ダネスはそれをひらりと躱し、フードから一本の剣を取り出す。


「行くぞ、白。」


「あぁ。」

神父さんの使ってる銃はリボルバーです。

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