第4話 「ノ、ノヴァリア!?」
生物はは認識することのできない世界。天界。
天使アンジーは今日もそこで仕事に明け暮れていた。
「はぁ、、、」
生物の世界にいる天使から情報をうけとり、それを確認。問題があれば上に提出。なければそれでよし。
「つかれたぁ、、これ一人でできる仕事量じゃないよ〜、、こんな仕事も、天界もなければいいのに、、、」
「それが我々の目的だアンジー。神を必要としない自立した世界を作る、そうだろう?」
いつのまにか後ろにいた上司に驚くアンジー。
「わっ!、、びっくりしたぁー、、驚かさないでくださいよぉ〜、、ー」
「悪いな。そのつもりはなかったんだが。ところでアンジーあの精霊の件はどうなんだ?」
アンジーは仕事の顔になる。
「精霊はわかりませんが、彼の居場所ならだいたいわかりました。ノヴァリアという国の皇帝が彼である可能性が高いと、いまはヘルメスが奪還に向け計画を立てております。」
「そうか、ならよかった。時間はある。ヘルメスと君には苦労をかけるが、最大限頼むよ」
アンジーはうなづいた。
「荷物を運ぶだけで20万ねぇ、、」
俺、シェーン、ヘルメスは広間の噴水の縁に腰掛けていた。
「あぁ。荷物を運ぶだけで20万だ。」
危険な匂いしかしねぇよ。
「なぜ20万も貰えるんですか?」
シェーンが真剣な顔つきになった。
「まあ説明はしようと思ってたんだがな。お前らが運ぶ荷物はとんでもなく貴重なものなんだ。中身は俺も知らない。」
貴重なものか。つまり本当の仕事は運送じゃなくて護衛?
「狙われるリスクがあるのか?」
「ある。ほぼ確実に襲われるだろう。ただ、お前ら二人の強さなら問題ない。さっき確信した。」
そんな期待されると緊張しちゃうぞ、、、
「で、詳しい話内容は?」
シェーンが立ち上がってこちらを見た。
「とある箱をノヴァリア帝国の民営ギルドまで運んで欲しい。」
「ノ、ノヴァリア!?」
ヘルメスが飛び上がる。
「ゼノさん!この依頼受けましょう!」
「受けない」
驚いた顔をするヘルメス。俺の肩を掴んでくる。
「な、なんでですか!20万ですよ!?」
「違うだろ。」
俺の体を揺らしていたヘルメスの手を抑える。
「え?」
「だから、報酬がいいから行きたいんじゃないだろ。俺もバカじゃねぇ。」
ヘルメスはうつむいた。
こいつらにはなにかある。こいつらと言うとヘルメスと新米天使だ。
そもそもここへくる前、天界で俺が転生する理由を聞いたときも、新米天使にはぐらかされた。
ヘルメスはいいやつだとはおもうが、言うてもまだ二、三日の仲。信用をしているわけではない。
「なにがあるんだ?ノヴァリアには。」
ヘルメスはキョロキョロと目を泳がせ、行先が見つからない両手を腰に当てたり腕を組んだらしていた。
「ここでは話せません、、、」
ヘルメスはチラッとシェーンを見た。
「時間はまだある。まあ、一週間以内にやるかどうか決めたらいい。それまでよく話し合え。じゃあな、」
とりあえず宿に帰った。
「で?」
俺はソファに腰掛ける。
「話せば長くなります。よく聞いてくださいね?」
ヘルメスは机を挟んで俺の前にあるソファに座る。
「今天界では二つの思想が衝突しています。それはもう、バチバチに、そして数百年前、片方の思想側で破壊兵器、人工精霊が作られます。その精霊を持っていた思想側が姉や僕を含める精霊側です。その精霊のおかげで我々はかなり力伸ばしました。」
「持っていた?」
ご存知の通り「もっていた」は過去形だ。
「はい。いまは精霊はありません。盗まれたんです。裏切りによってね。そしてその盗まれた精霊がいまどこにあるか、我々はついにそれを突き止めました。それが、、、」
「ノヴァリアって国か?」
ヘルメスはうなづいた。
「正直、言いたくありませんでした。僕らの思想はこの世界の人たちにとってあまりよくない思想ですから」
「どういう思想なんだ?」
いつまにかお茶を入れていたヘルメスはそれについても親切に教えてくれた。
「我々の理想は魂や神、転生が存在しない自立した世界を理想とします。つまりあなたの前世の世界で信じられていた世界にしようということです。もちろん、魂と転生がなくなるということはあなたたちは転生ができなくなります。嫌でしょう?」
確かに嫌だ。死んだ後はなにも考えられないから苦痛とかを感じるわけではないと思うが、本能で恐れてしまう。
ただ、、
「いくか、ノヴァリア。」
「ふっ、、」
ヘルメスは安心したように微笑んだ。
「記憶を持ったままやり直しをさせてもらえてんだ。恩はかえすよ。」
「、、、、、ん、、、」
開かれたカーテンから差し込んだ太陽の光で目が覚める。
ベッドから降りてリビングにむかうとヘルメスがコーヒーを飲んでいた。
「おはようございます」
「おはよう、」
まだ重い目を擦り顔を洗いに行く。
「ヘルメス。水」
この世界の一般人は魔法で水を出せる。ただ俺は生まれたばかりだ。水なんかだせっこない。
「はいはい、」
ヘルメスは俺が差し出した桶に水を溜めた。
顔を洗ったとは前日ピカピカに磨き上げた仮面をつける。
「その仮面磨きました?」
やっぱり気がつくかヘルメス。
「あぁ、ピカピカに磨き上げた。」
「やっぱ束縛の仮面でしたか。」
え、?束縛の仮面ってなに?
「なに?この仮面ヤンデレなんか?」
「ヤンデレっていうより、、寄生虫?いいタイプの」
進化してるし、、
「その仮面は自分を見た人に寄生するんです。なんか仮面つけときたいなーっておもうでしょ?それは寄生のせいです。寄生虫は魔力を吸います。生きてるわけではないんですよ?」
少し不安そうな顔をしていたであろう俺を見たヘルメスは付け加えるように口を開いた。
「あぁ、でも幸運の仮面と言われるくらいに運気が上昇するんですよ。ここ、大事ですよ?」
そうか、確かにそれは大事だ。
「大事ですよ?」
朝食を済ませた後、俺ら二人はシェーンの待つ広間の噴水前に向かう。
「シェーンさん。」
「きたか。」
噴水の縁に腰掛けて腕を組んでいたシェーンは俺たちに気がつくと立ちあがり伸びをした。
「荷物は?それだけか?」
ヘルメスと俺が背負っている大きなリュックサックを指差す。
「えぇ、これだけです。」
「そうか。馬車はそこにある。」
シェーンは通りのとある店の前にある馬車を指差した。
2頭の馬に繋がれた馬車の中にはいくつかの箱が積まれていた。
「早速出ますか。」
俺は後ろの荷台に乗り込む。
「馬は久しぶりだからなぁ、、、」
手綱を握ったヘルメスは不安そうな顔をしていた。
旅は順調に始まった。ノヴァリアまでは二週間。ちょくちょく街に寄りながら行く予定だ。
「イグニス」
イグナスだが、俺が呼ぶと現れてくれるようになった。召喚的なものだ。普段は家とか街とか森とかでふらふらしてるらしいが、俺が呼ぶとどこにいてもワープしてくる。
イグニスは頭を撫でてやると気持ちよさそうにあぐらをかいているおれの足の間に寝転んだ。
正直、こいつが上位精霊なんて信じない。割とすぐ懐いたし、見た目も怖くはないし、
まあそんなことはどうでもいい。
これから二週間どんな旅になるだうか。
「ちょっとスカしてますよね。」
御者ヘルメスが外から話しかけてきた。
「ノリが、、高校生、、」




