表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/78

※風上に座らないと、火の粉で紙はボロボロになります。

<半日後・・・>


「─── と、いうわけで試しに書かせてみました。 レポート。」


「・・・すみません、今の話の流れで どうしてレポートが出てくるのですか?」


こんなこともあろうかと のノリで私が引っ張り出してきた紙束を見て、【イカレ修道女ルナティック・シスター】は眉を歪めた。

・・・友よ、こんなときにだけマトモになるな。


休憩時間にグレイブと調査対象の遺跡について議論した その日の夜。

私はシスターと同じ焚火に当たりながら、グレイブと何を話したかについてシスターに語って聞かせていた。


かなり端折(はしょ)って話したと思うのだが、心無しかシスターの目が死んでいるのは気のせいだろうか。

(もた)れ代わりにしているグリムヴェイルに至ってはイビキを立てて爆睡を かましている。 [1]

五月蠅(うるさ)いので軽く肘打ちをして起こした。


「いや・・・学者ギルドには出しませんけど文書にして残すのは大切かな、と・・・。」


何故(なぜ)そんな『当たり前のことを言っている』ような顔を出来るのか分かりませんが、記録を残すのが大切という話には同意しましょう。」


シスターは私からグレイブが書いたレポートを受け取ると、焚火の光を頼りに文字に目を走らせ始めた。


「・・・ほう、図表も入っているのですか。

それに考古学のレポートでありながら、地理・地質学の見地からのデータも入っている・・・。

多才なグレイブらしい文書ですね。」


読み飛ばすようにしてページをペラペラと(めく)りながらシスターがコメントする。

適当に読んでいるようで その実 細部まで しっかりと目を通しているのだから、シスターの速読スキルには驚かされる。


「そうですよね。

それで この文書の内容について、神学者としての意見を聞きたいのですが。」


「・・・それが本題ですか。

最初から そう言って頂けます?」


「前置きが大事なんですよ、こういうのは。」


私が そう言うと、シスターは深く溜息をついた。


「はぁ・・・まぁいいです。

それで神学的見地から見た ()の古代遺跡についてですが ───」




「─── あぁ、すみません。

ちょっと待って下さい。」




「はい? ・・・あぁ。」


私がシスターの言葉を止め、それを受けてシスターが何かに気付いた様子を見せた直後、暗闇から何かが飛んできた。

私は それを掴んで受け止める。




─── それは作りの粗い、原始的な矢だった。




[1] グリムヴェイル:

 アスカの愛馬。

 知能が極めて高い分、性格が悪い上に気性も荒い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ