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爆笑殺人未遂

「あっ、これ手土産の茶菓子です。

どうぞ お納めしやがれ下さい。」


「おぉ、これはどうも。

そういうことであれば今すぐ茶を───」


そこまで言って【歩く災害(ルイン・ウォーカー)】は茶を淹れる道具が先の粉々になっていることに気が付いたらしい。


「・・・と思ったが茶を淹れるものが無かったね。

シスター、この宿の厨房に行って茶を淹れてきて貰えないかい?」


「はい?

死にたいと仰いました??」


そして何を思ったのか、自身の部屋がルイン・ウォーカーの部屋と繋がってしまって(すこぶ)る機嫌の悪い【イカレ修道女ルナティック・シスター】に声を掛けた。

そして茶を淹れてこいとかいうパシリ紛いのことを頼む。


プライドが無駄に高いシスターにこんな所業が出来るのはコイツくらいだろう。

う~ん、これは処刑(ころ)されるのも止む無し。


「頼むよ、シスター。

私は この通り怪我人だし、アスカは茶の良し悪しなんて分からないからドブ水みたいな茶を持ってくるしで君にしか頼めないのだよ。」


「え?

死にたい?」


ぶち殺すぞ、テメェ。

誰が茶の味も分からないバカ舌だって?


まぁ確かに一回腐りかけの茶葉で淹れた茶を気付かずに飲んでたことあるけど・・・。


「・・・くっ、仕方がありませんね。」


「おい、シスター。」


なに反論できませんみたいな顔してるんだよ。

少なくとも目の前にいるルイン・ウォーカーはピンピンしてるだろうが。

コイツに茶を淹れさせれば良いだけだろ。


しかし私の静止も虚しく、シスターは何故かやけに積極的に厨房へと向かっていった。

恐らく、私がバカ舌という一点だけを強調する嫌がらせの為だけにパシリ引き受けたのだと思われるが・・・。


「さて・・・礼儀を持って私の下を尋ねてきてくれた友人の為だ。

私も ほんの僅かばかりであれば身を粉にしないでもない。

話があるのだろう?

聞こうじゃないか。」


ルイン・ウォーカーは そう言って、焼け焦げた壊れかけのテーブルに頬杖をついた。


────────────────────


<数分後>


「アッハハハハハハハ!!

ヒーッ・・・ヒーィッ・・・!!!」


「メッチャ笑いますね・・・。

そんなに面白いですか、この依頼。」


ルイン・ウォーカーは椅子から転げ落ちそうな勢いで爆笑していた。

それこそ、今世紀最大のギャグでも聞いたかのような勢いだ。

・・・このまま放っておいたら勝手に笑い死にするんじゃないか、コイツ。


「きょっ、教会関係者と思われる『枢機卿』から・・・聖剣を盗み出す依らっ、アハハハハハハ!!」


「そうなんですよ。

しかも肝心な聖剣の保管場所が、どうも聖書の記述にブレがあって明確じゃなくて。」


「!?」


それを聞いた途端、ルイン・ウォーカーは嘔吐でもするかのような勢いで咳き込み始めた。

そして今度こそ椅子から転げ落ちて、文字通り腹を抱えて爆笑をし始める。


「アハッ!! アハハハハハハッ!!!

聖・・・聖書に記述のブレ・・・ッ、アハハハハハハハハハ!!!

アスカ!

君は私を笑い殺すつもりなのかい!?

アハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!」


「いっそこのまま笑い死にさせるのが この世界の為な気もしますが、私個人の利益を考えると生かしておいた方が良い気もしますね。

あ~・・・心が二つあるぅ~・・。」


「ゲホッ! ゴホッ!!

何だいその言い草はっ、アッハハハハハハ!!!」


もう何でも面白いなコイツ。

いよいよ本当に笑い死にそうだ。


そのとき、文字通り形だけの扉からノックが響いた。


「─── お楽しみのところ失礼します。

アスカには到底淹れられないような上等な茶を持って参りました。」


「ブチ殺すぞ、テメェ。」


「アハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!

し、死ぬ・・・息が出来ないっ・・・ヒィーッ!!!」




そうしてルイン・ウォーカーが落ち着いたのは、いよいよ笑い過ぎて酸欠で死ぬ一歩手前まで行ってからだった。

・茶:

 茶葉を用いたようなものはガチガチの高級品で、他にもハーブティーや穀物茶、果実や花を用いた茶、生姜やシナモンを持ちいた茶など様々な種類が存在する。

 【イカレ修道女ルナティック・シスター】が淹れたのは花を用いたローズティ。

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