殴り込み 後編
「で、お姉ちゃん!結婚したってほんと?」
「うん。結婚したよ?ほら」
と言って彩は左手の薬指を見せる。
「わ、ほんと…なんで言ってくれなかったの?」
「だって詩奈にいうと絶対ダメっ!て言うじゃない。」
「ダメに決まってるじゃん!お姉ちゃんに相応しいのは私なんだから。ていうか、なんで式挙げてないの?お姉ちゃんが結婚したって今日お母さんに聞いて知ったんだからね?」
「いやーそれはちょっとね、問題が。」
「それはいいわ、相手よ相手は誰なの?」
「居るじゃない。」
「どこ。相手の男!」
「ほらそこに、」
と言って彩は美優を指さす。
「どこ?」
「美優」
「へ?」
「え?」
「うそ!美優ちゃん男だったの…美優君だったってこと…!」
「そうだよ…僕、男だったんだよ。詩奈ちゃん。」
「うそ!美優ちゃん、高校の時女子の制服着てたじゃない!」
「あれ?バレた?」
「美優…詩奈をからかわないの…」
「嘘なの?だったら、お姉ちゃんの結婚相手って誰?」
「ん?だからそれは」
「僕だよ?」
「だからそれは」
「いやいや、嘘じゃないよ?」
と言ってあるものを取りに行く
「ほら」
と言って手渡したものは…
「Certificate of Marriage…婚姻関係証明書?」
「ほら名前の部分。」
「ほんとだ…2人の名前入ってる…すごい。」
「え?」
「すごくない?スゴい!同性同士で結婚できるんだ!スゴい!お姉ちゃん達が大学生の頃なんかいい雰囲気だなあって思ってたけどやっぱ付き合ってたんだ!いいなあ。美優ちゃん!」
「は、はい…」
「ちゃんとお姉ちゃんを幸せにしてね?じゃないとお姉ちゃんは返してもらうから。」
「大丈夫。返さないから。」
「言うじゃん。」
「彩への愛は詩奈ちゃんにも負けないからね。」
と言って腕を組み合ってぐっ!とする。
「もういいでしょ!詩奈、学校行きなさい。」
「お姉ちゃん照れてる?」
「照れてない。ほら」
「照れてるじゃん!」
「ほら行きなさい!」
「んふふ。なるほどこれから夫婦の営みですか?」
「ふ、夫婦の営みってなによ!さっさと行く!」
「いやあ、それは邪魔できませんな…ではまた来ますねー!」
とニヤニヤしながら学校へ向かった。
「詩奈ちゃん変わってないね。」
「変わってないから困るのよ…」
「そう?可愛いじゃん。」
「ムー!」
「え?妹に嫉妬したの?」
「してない!」
「可愛いー!!」
指の爪を噛みながら詩奈は言った。
「あーあ、お姉ちゃん取られちゃったなあ。まあいっか、お姉ちゃんはすぐに家に帰ってくるから。」
続く




