表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪異事務管理所  作者: channel
第一告
19/24

十九話 クチナシ

『外を見て』

 すっかり外は暗くなり。

 一通のメッセージが送られてきていた。

 誰から送られてきたのかわからない。完全な匿名。

 怪異の一種だと確信した。

 この時点で断定していいのかはわからないのだけれど、私がそうだと思ったから。

 私がそうだと思ったから、そうしたほうがいいと思ったから、カーテンを開け、外を見た。


 少女がいた。

 二階にいる私を見ている。

 白い喪服を纏っている。

 そして、口が縫われていた。

 これじゃあまるで『クチナシ』じゃないか……

 

 これまた私は自分勝手に、この怪異現象に対して害はないと判断した。

 告げに来たわけじゃないだろう。

 いや、告げに来たんだろうけど、始まりを告げではなさそうだ。

 どちらかというと……終わり?

 ……この終わりというのは七告の終わりというわけではなく、第一告の終わりということなのだろう。


 もし、七告がバグを処理するプログラムのようなものだとしたら……

 今回のは何のバグなんだろう?

 怪異現象が増えていたから、逆にバグを生産するプログラムな気もするけど、そんなの意味がない。

 分からない。

 

 「ああ」と声に出した。

 そうでもしないと、考えていたことに区切りがつかない気がした。

 

 外を見ると、いつの間にか、あの少女はいなくなっていた。

 いつから居なかったのか分からない。

 最初から居なかった可能性だってある。

 

 というか、なんで私なんだろう。

 最後に私の所へ来た理由……

 

 座りながら、椅子を回転させる。


 クル。

 クル。

 クル。


 ────止まった。

 ちょうど後ろを向いていた。

 来た。

 居た。

 少女は、そこに。

 

「こんばんは?」


 なぜか挨拶をした。


「■■■■■■■■」


 何を言っているんだ?

 言っていることは分からない。

 一体何語なんだ。

 いや、でも理解はできる。

 何を話したいか、理解はできた。


「■■■■■■■■■■■■」


 どうやら盲目らしい。

 私のことが見えていない。だけど、見てはいるらしい。

 どういうことか分からないけど、本人に聞く気も起きない。

 本当、さっきから分からないことだらけ。


「■■■■」

「さよなら」


 簡単な挨拶を交わし、少女は、無意識のうちに居なくなっていた。

 役目を、終えたのだろう。 



 

 ────朝。

 気持ちがいい朝……とは言い難い。

 いやまあ、休みの日だから、比較的気が楽ではあるのだけれども、だからといって疲労が完全に消えるわけでもなかった。

 

「そういえば連絡してないな……昨日のこと」


 ────今思えば。

 ちょうど七告についての会議が終わった後、私のところに終わりを告げに来るというのは、些か不思議に思う。タイミングが良いというか、悪いとも言えるのだけれども。だけど、どちらか一方に決めることは、やっぱりできない。

 『音』の体質は関わっているのだろう。いや、音というより、それの周辺。原因とか、そこらへんのせいなのではないかと思ってもいる。でもまあ、その原因というのも、どのようなものか分からないというのが本心である。 

 七告……今になって怖くなってきた。

 タイミングがどうかしているというのは、自分でも、そう思う。


 電話、かけるか。


 プルルルル────

 プルルルル────

 プルルルル────

 プルルルル────

 プルルルル────

 プルルルル────


『おかけになった電話は電源が入っていないか────』


 そこで、一瞬。


 ノイズが混じった。


『───場所にあるためかかりません』

『留守番電話サービスにお繋ぎします。 ピーという発信────』


 切った。


 もう、後で直接言おう。

 今日はもう、昨日の分のダラダラを持ち越しかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ