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異形の領主〜追放された俺はユニークスキルで戦国を駆ける〜  作者: 葵 直虎
第五章 蜂起とは新たなる革命
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第三十八話「義勇軍、始動!」

初投稿です。

久保ノ町へ到着したのは、夜明け前だった。

霧の立ちこめる山あいの町は、かつて雷堂が拠点としていた場所でもある。今もその名を覚えている者たちがひっそりと暮らしていた。


「誰かここの町の長を呼んでいただけないか? 我々は雷堂殿の使いだ」


陣内が村の門兵に声をかけ、数分待つと急ぎ足で村長らしき者が来た。


「私がこの久保ノ町の長を務めます、吉兵衛です。何用でしょうか?」


「我々は蒼牙団、雷堂殿の使いとしてこの町にお願いしたいことがあり、馳せ参じた」


「雷堂様ですか...!? もしやすると、あの文の件でしょうか?」


「そうだ。一度詳しく話しをさせてもらえないか?」


「わかりました。私の家に来てください。ご案内します」


「承知した。こちらの急な要件、受け入れてくださり感謝する」


陣内はお辞儀をし、吉兵衛は恐縮そうに振る舞い、蒼牙団を案内し始めた。


———


吉兵衛の家に入り、陣内はこれまでの経緯とこれから行うことに向けてのお願いを話した。


「ついに…雷堂様に恩返しをする時が来たのですね……!実はつい昨日、領主様から雷堂様が来たらすぐ教えるとの指令を受けていたのですが、我々としては雷堂様につかせていただきます!」


吉兵衛は涙ながらに、陣内からの提案を受け入れた。


「良いのか...? 俺がいうのもおかしいが、そこまですぐに決められることでもないと思うのだが...」


「いえ、良いのです。私自身、雷堂様に命を助けられております。以前、我々を救っていただいた時に雷堂様はこのようなことをおっしゃっていました」


——


「吉兵衛。すまなかったな。……守ると誓った町を、お前たちの仲間全員は守れなかった...」


「よいのです、雷堂様。我らはあなた様に命を救っていただきました...!」


「いや、俺が...」


——


「雷堂様はお一人で抱え込んでしまい、人に何かを助けを求めることなどされないお方です。だからこそ、今回私たちを頼っていただけたということは、これ以上ない喜びなのであり、我々としてまたとない恩返しさせていただく数少ない機会なのです」


吉兵衛は老いながらも、鋭いその眼差しで陣内を見た。


「貴殿の覚悟などわからず、聞いてしまい申し訳ない。それならば、こちらからもぜひ頼みたい」


「もちろんですとも、共にこの白金領を変えましょうぞ」


陣内と吉兵衛は強くお互いの手を握り、握手した。


「それでは、我々は砦に戻り、雷堂殿に報告をしてくる。数日したら、この町にまた戻ってくるつもりだ」


「わかりました。ご武運を」


「ああ!」


陣内が吉兵衛の言葉に返事をし、蒼牙団は各々馬に乗り、砦に帰還した。


———


数日後、雷堂は久保ノ町に出向き、町の中央にて人々を集め、宣言した。


「俺たちは――もはや忠範の旗の下には戻らぬ。白金に真の義をもたらすため、ここに”義勇軍”を組織する」


その言葉に、町の者たちから小さなどよめきが上がる。

恐れや不安、しかし同時に、久しく忘れられていた希望の光がそこにはあった。


「名ばかりの兵では意味がない。だが、お前たちが選ぶ未来に俺は剣を捧げる。……この手で、この地を守る」


朔也が続けて言葉を紡いだ。


「雷堂さんと共に、戦う覚悟のある者は、俺たちと歩んでくれ。俺たちには、未来を変える力がある」


茜と舞がそれぞれに人々の間を歩き、温かな言葉をかけて回る。

やがて、一人、また一人と立ち上がり、名乗りを上げた。


「俺は、雷堂様に命を救われたことがある。今度はその命、返させてくれ!」


「俺もだ!なによりこの白金領の領主にはもううんざりだ... 俺たちで変えてやろう!」


町の空気が変わっていく。小さな火が、大きな炎になろうとしていた。


さらに、久保ノ町以外でも動きがあちこちで起きていた。


蒼牙団は傭兵時代に縁のあった者たちに声をかけていた。


また、晴仁は、かつて故郷の村から逃げ出したことを思い出していた。


「……村に帰るの?」

舞が問う。


「ああ。……向き合うときが来た。逃げたままじゃ、義勇軍なんて名乗れねぇ」


晴仁は意を決し、かつての村へと足を向ける。


かつて裏切った仲間たち。恐れて見捨てた民。だが、今の晴仁には、守りたい”居場所”があった。

それを見せるためにも、自分自身と向き合う覚悟が必要だった。


———


そして数日後、久保ノ町の広場に、雷堂が一枚の布を掲げた。


白金の地を象徴する「しろがね」を背景に、雷の紋が刻まれた軍旗。


「……この旗こそ、俺たちの誇り。

 名も無き者たちの軍、だが――義を抱く者の軍だ」


朔也が、旗の下に立つ。


「これが……俺たちの”旗”だ!白金領を変えて、より豊かな暮らしができる地にするんだ!」


町の者たちが、一斉に拳を掲げ、声を上げた。


「おおおおおおおおおお!!」


こうして、赤い狼煙をあげた雷堂と朔也を中心に、

白金義勇軍が誕生した。


それはただの軍ではない。

支配に苦しむ者たちの、最後の希望の形だった。

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