表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異形の領主〜追放された俺はユニークスキルで戦国を駆ける〜  作者: 葵 直虎
第五章 蜂起とは新たなる革命
37/49

三十七話「広がりゆく狼煙」

初投稿です。

雷堂邸を拠点とした朔也たちの動きは、徐々に広がりを見せていた。茜と舞が各地の村を巡り、宗二が綿密に計画を練っていた。


さらに、蒼牙団は茜や舞の話を聞いて砦に来た若者たちの相手をしていた。


「おい!お前たち構えが甘いぞ。槍は安定感が大切だから、まずは構えがしっかりできるようになるんだ」


陣内は大きな声を出し、若者たちに槍の扱い方を指南していた。


「あなたは、もう少し握る力を緩めるのよ。振る時に力を込めて!」

「おっ!お前、良い振りだな。その調子だ」


他の蒼牙団の面々も、陣内と共に教えていた。


「よしっ!一旦休憩だ」


「ようやく休憩か... いやぁ、きついっす... 元々、畑で使っていた鍬とは全然ちがうなぁ」


指南を受けていた一人が息を切らしながら、言葉を漏らす。


「はは、そりゃそうだ。野菜と違って、相手は人だぞ。待ってくれないからこそ、正確に、速く武器を振れるようにならないとな!だからこその訓練だ」 


陣内は若者の言葉を笑い飛ばしながらも、若者の肩を叩いて激励した。


———


だが、動きがあるのは彼らだけではなかった。

雷堂邸の門番が息を切らして走り込んでくる。


「報告! 北の峠道から、忠範軍の斥候と見られる部隊が接近中!」


「数は?」宗二がすぐに問う。


「二十名ほどの小規模部隊です。ただし、完全武装。こちらの動きを探っている様子!」


雷堂はすぐに立ち上がった。


「こちらの兵を割くわけにはいかん。だが、放置すれば屋敷の場所も、民の動きも晒される……」


「――俺が行く」

名乗りを上げたのは、晴仁だった。


その横には、黙って佇むシンの姿もある。


「この間、助けられただけじゃ、格好がつかねぇ。今度は、俺が守る番だ」


意気込む晴仁の隣に、同じくやる気に満ち溢れ、目を細めるシン。


宗二は二人の判断を承認。加えて蒼牙団と特に優秀な若者数名も加勢し、小規模な迎撃隊を組んだ。



日が傾き始めた頃、山道に小さな戦火が上がる。


草をかき分け、動きを潜めながら近づく敵。

それを逆に利用し、晴仁たちは先制を仕掛けた。


「悪いな、こっちは先に気づいてたんだ!崩掌っ!」

晴仁の拳が風を裂き、敵の前衛を薙ぎ払う。


「ガオッ!」

シンの爪が一閃、忠範兵の盾ごと敵を叩き潰す。


「す、すげぇ... 俺たちもあの人たちと一緒に戦えるのか!」


若者の一人が、晴仁とシンの強さに感銘を受けるかのように、称えた。


「おい!お前たち、よそ見するな!くるぞ!」


蒼牙団の援護も冴え、二十人ほどの斥候部隊は短時間で壊滅した。


だが、その中の一人が発した言葉が、気になるものだった。


「……雷堂の屋敷、砦跡、もうすぐ本隊が向かう……」


本隊。つまり、忠範は動き始めている。


———


帰還した晴仁たちの報告を受け、雷堂たちはすぐに戦評を交わした。


「おそらく、忠範はまだこちらの兵力を見誤っている」


宗二が地図の上を指差す。


「だからこそ、今は動かず”溜め”の時だ。雷堂が上げてくれた狼煙を全ての街に行き届かせるんだ。


「狼煙を..? そんな時間ある?」


朔也がつぶやく。


「あぁ、忠範はまだ余裕があると思い、偵察程度に済ませているからな。そして、溜め切ったら動き始める必要があるな。そこではこちらの赤色の狼煙を使おうと思う」


宗二は用意していた狼煙を見せながら続けた。


「こちらの旗を立てる時がこの赤色の狼煙だ。狼煙を上がる場所はできる限りこの地の真ん中が良いな」


「それでは、久保ノ町はどうだ?まだ忠範の支配が甘く、民もこちら側につきやすいだろう。久保ノ町と手を組めないか、話に行くのが良いな」


雷堂は静かにうなずく。


町の名は――久保ノくぼのまち


山のふもとに位置する小さな町。忠範の目が届きにくく、雷堂の名を今なお信じている者が多い場所だった。


「かつて、俺が守った町だ。……あそこなら、希望の火種になりうる」


「では、狼煙はそこで上げよう」朔也が言った。


雷堂は、かつての剣を手に取り、重々しく頷く。


「久保ノ町にて、我らが”真の旗”を掲げる。その時こそ、白金に新たな風が吹かせようぞ」


———


次の日、久保ノ町へ向かう出発に向けて、蒼牙団のメンバーが馬を連れて、砦の入り口に並んだ。


「お前たち、頼むぞ!久保ノ町は俺の名を出せば、きっと話を聞いてくれるはずだ」


雷堂が陣内に向けて言った。


「おう!俺たちはずっと待ってた。こういう瞬間を」


町の名も、声も、風も――すべてが、変革の兆し。


誰もが、その時が近づいていることを感じていた。


――次なる狼煙が、白金の空を染め上げる日は近い。

面白かった!続きを読んでみたい人はぜひコメント、高評価よろしくお願いします!

定期的に更新しますので、ぜひブックマークよろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ