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勇者の血を継ぐ者  作者: エコマスク
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【453話】 リリアは入れ込んでいる

リリア達がリーヤ村からプロセルの街に戻って来て五日程経った。

リリア達は次の出発の準備をしながらトールさん達の支援をする。

リリアがリアルゴールド等と交渉したこともあって、被害への補助申請は通った。

しかし、さすがに申請が通っていきなり、補助や助成金がその場で出てくるという事ではない。

街からの補助は申請が通ってから最低二週間、所属する商人ギルドからの見舞金や補助は数日はかかるようだ。

トールさん達はポケットマネーを残して全てを失ってしまっている。

「補助金はすぐには出ないけど、所属している商人ギルド関連の宿なら一週間までギルドが保証人になって後払いで泊めてもらえるから、何とかなりそうだ」

トールさんとロンドさんは、そこ宿屋に泊まっている。

「遅かれ早かれ補助金が出るなら話は早いよ。リリアが立て替えておいてあげる。一週間だけ後払い可能なんでしょ?プロセルの街に戻って来てから1…2、3… もう後二日しかないよ。申請したのが戻った次の日だから、最短でも三日間は足がでちゃうよ。体て返して… いや、まぁせっかくなら同年齢くらいの男子の方がいいか… うっふっふ」リリアは笑っている。

「すまないな、ぼやぼやしていたくないのだが、お金がないと本当に何もできない」トールとロンドがすまながる。

「今の良い事思いついちゃったよ。体で払ってもらうの、うっふっふ。リリアが馬車代と最初の仕入れ代を貸してあげる。それで、リーヤ村に商売に行って欲しいの。それでどう?」リリアが言う。

「ありがたい話しだが… 国とギルドからの助成と保険ギルドからの保険金が出るからある程度は返済できるだろうが、あのオンボロ馬車の市場価格ではどんなボロ馬車を買ったとしてもとても保険金からは返済できそうにない」トールが言う。

「大丈夫だよ!ってか大丈夫ではないけど…」

リリアは何だかちょっと良い事思いついちゃいました風にニコニコしている。

「じゃあ、馬車はリリアが買って貸す。で、リーヤ村を往復して稼いで返済したらトールさんに譲る。それまでは馬車の所有者はあたしで、トールは雇われる形でやれば良いじゃない」リリアはちょいちょいといった感じで話している。

「いや、さすがにそこまでさせては…どんな中古馬車でもお嬢さんには負担が大きすぎる。それに引馬等色々考えるとかなりの金額になるはずだ。気持ちはもらっておくから、後はこっちで何とかするよ」トールが遠慮する。

当然だ、ちょっと頭の中で計算しただけでも馬車業者ビジネスを復活させるのに一般職人の半年分くらいの給料程度は飛んでいく。

「大丈夫だよ、こう見えても公認勇者のリリアちゃんは、それくらいの貯金はあるんだよ。それにリアルゴールドに頼めば何とか安くしてくれるよ。無問題!無問題!」

トールとロンドは驚き、時々顔を見合わせながらリリアの話しを聞いていた。

そんな話をバー・ルーダの風でしてトールさん達は帰っていった。


それを聞いていたコトロがリリアに言う。

「リリア、トールさん達にとってもリーヤ村の現状にとっても良い話しだとは思いますが、ちょっとリリアのリスクが大きすぎます。中古の馬車だって遠出して商売するサイズで、長距離用のつくりになっている物は、最低でも三カ月から半年分の給料程度はしますよ。リリアも価格を知らないわけではないでしょう。トールさん達は逃げたり人たちではないでしょうが、リスクが大きいです」

「ってか、別にリリアがそこまでする必要ないのよ。時間がかかるけど保険でなんとかなるし、そのための保険や組合費でしょ?確かに完全には元に戻らないけど良い大人なんだから自分でやりなおせるでしょ」ペコも言う。

「ん?うん…まぁ、別にあたしが誘って襲われたから責任感じてってことでも無いんだよね。リーヤ村に寄りつく商人が激減しているじゃない。トールさん達に往復してもらえば村も助かるし、トールさん達も助かるでしょ?なのでリリアちゃんがスポンサーして、ローン返済までは馬車主になって命令させてもらうの」リリアはニコニコしている。

「確かに現状では理想的な案ではありますが…金額が…」

「国からの仕事とリアルゴールドからのスポンサーやら、まぁ逞しく稼いで慎ましく生活してある程度貯金があるとは聞いているけど、あんまり深入りしない方が良いよ、気をつけなよ」

コトロとペコは顔を見合わせる。

「そこまでする必要はないと思うけど…リリアがそういうなら…」オフェリア。

「確かに上手くいけば、リーヤ村にもトールさんにも利益はあるみたい。リリアがやるっていうなら応援するから、あんまり独断専行しないで相談してね」

アリスが言うとルナも頷いている。


そんなわけで、リリアはリーヤ村に戻って、賊討伐の計画、教会を正式化して聖職者を一人常駐させること等をディルに交渉しながら、トールさん達が早めに商売に復帰できるようにリアルゴールドの店長に相談しては、中古車探しを等をする。

「とりあえず、今回は早めにリーヤ村に戻った方が良さそうだから、ちょっと急いで準備するわよ」リリア。

「討伐を計画するのと教会の件は私とアリス、バジルにも手伝ってもらうので、ペコはリリアと一緒に物資と馬車の確保に回ってください」

リーヤ村の事やトールさんの事もあるが、リリア達は基本的にプロセルの街から治安維持の仕事を受けている。

一日一回は街周辺や貿易路等を巡回して魔物を退治を含めた勇者と仲間達活動をしなければならない。

皆で手分けして準備を進める。



二日程経った。

深夜を過ぎて繁華街の通りも人が少なくなり、酔っ払いがふらついて歩いていると周りから浮いて見えるくらいの雰囲気になっている。


バー・ルーダの風は先ほど最後のお客が退店し、バイトの娘を帰らすと店の中はコトロとオフェリアになった。

オフェリアが”Closed”のサインをドアに下げてテーブルやカウンターを掃除し、コトロが食器を洗っている。

ルーダリアの冬は雪とは無縁だが、プロセルの街は比較的寒くなるが、ランプがともり人の温もりが残るバー内には寒さが押し寄せてきているわけではない。

コトロはバード特有の民族衣装だが、オフェリアはチュニックにエプロン姿で働いている。

階段からブーツの靴底の音を響かせてペコが二階から降りて来た。

「こんなタイミングで…珍しいですね。夜食を作るところでしたがペコも食べますか?」コトロがペコを認めて言う。

「そうね…いただこうかな」

ペコは階段傍のダカット専用置き場に置いてあるダカットを手に取るとカウンターに座った。

「リリアとアリスは寝ていますか?」

コトロがグラスをカウンターに置いたが、ペコはすぐに手で覆うとカップを指さした。

コトロはカップに水を注いでペコの前に置く。

「二人共の夢の中よ」ペコが言う。

「なんか…言いたいことがありそうですね」

コトロはお皿洗いのスピードを上げたようだ。

「今日リリアとトールさん達と中古車屋に行ってきた時の話しよ」ペコはカップを手に口を開いた。

ダカットをバーチェアに立てかける。

「聞きました。リアルゴールドの店長さんの口利きで結構良い値段で買えそうって言っていました」コトロ。

「いや、実際良い物件を安くはしてくれてるみたいよ。だけど…なんか調子に乗せられてというか、なんかそんな馬車必用?ってのを買おうとしてるのよ。最初は最低限の馬車とか言っていたけど、だんだん、ああでもないこうでもないと話が膨らんで、武装付きの馬車まで興味をしるしていて… 止めはしているんだけど、あいつ何か勘違いしてないかと思って」ペコがため息をつく。

「そうのようですね、長距離用で急襲対策がされているような馬車を選びかけていたとか…」コトロが返す。

「ダカット、私がずっとリリアと行動できるわけではないけど、あなたは一緒にあっちこっちいってるでしょ、どうなの?」ペコはダカットに話しかけた。

「俺も注意してるよ。色々探し物してるうちに何だか自分がやる事の様な事を言い出して、引き止めてるよ」ダカットが返す。

「リリアは馬車に関して以前から自分で馬車を所有してあっちこっち運搬業をしながら稼いでみたいと言っていたので、たぶんそれがあるんでしょう。つい思い入れが出てしまうんでしょうね」コトロ。

「それはトールさんも困りながらリリアに言っていたよ。リリアが高い馬車を買うと結局トールさんの借金が増えるってことだから、今は最低限で良いって断っていたよ」ダカット。

「それね、リリアはメッチャ目を輝かしながら中古屋さんと話しをしていたけど、高い馬車を買う=トールさんが大変だって告げたら、拍子抜けしたような表情で、そっかぁ…とか呟いていたわよ」ペコが苦笑いする。

「ちょっと幌がついた最低限の荷馬車なら二択ぐらいしかなかったよ」ダカット。

「そうね、もう変な迷いが出る前に買うなら明日にでも行ってその二択から選んで良いと思うわよ。明日、午後少しコトロも付き合ってディーラーに行こうよ」ペコ。

「わかりました。トールさんも助かるし、リーヤ村の現状改善にもなるし、コンセプトは悪くないのでリリアの軌道修正をしっかりしないとですね。明日皆で中古車屋に行きましょうか」

コトロを言うとオフェリアに声をかけた。

「片付けはもう良いですよ。夜食のポテトクリームパスタが出来たのでフォエリアも仕事を終えて食べましょう」

コトロがパスタにソースをかけながら言う。

オフェリアはコーヒーを人数分淹れて席に着く。

「ダカットは見学です」

コトロは笑いながらカウンターにパスタを盛った皿を並べる。

「美味しそう、ダカット残念ね」コトロ。

ダカットはじっと椅子にもたれている。

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