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鋼鉄の美少女  作者: のえみん
プロローグ01-衝撃の未来(2046年)
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第4話 臨界の魔導増幅

 はるか数十キロ彼方、黄昏の地平線の向こう側から、天を穿つような眩い白銀の光柱が放たれた。

 ヴェノムが放った、極大の超高出力砲だ。それは大気を熱蒸気に変えながら、超音速で『ギガント・アイアン』の頭上へと迫る。


「演算回路! 限界安全装置の解除! ビームポッド全機展開!」


 ——『警告。脳内神経系への過度な負荷を検知。処理限界を超過します』——


 脳内回路が無機質な警告を発するが、のえるはそれを力任せに押さえつけた。


 ガコンッ! ガコンッ!


 NOEL-X-02の背部バインダーが光り輝く粒子を放つき、内部に収納されていた六基の遠隔誘導端末『ビームポッド』が起動した。

 シアンとピンクに塗装された小ぶりなポッドたちが、高濃度エネルギーを放つ。


 のえるの体内に満ちる莫大な魔力が、脳の回路を経由して、凄まじい濁流となってビームポッドへと流れ込んだ。


 ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!??


「あ……がぁぁぁぁっ……い、いたたたたたっ!?」


 頭蓋骨の裏側を、真っ赤に熱した鉄串で直接グリグリと捏ね繰り回されるような、凄絶な激痛がのえるの全神経を駆け巡る。

 視界が真っ赤に染まり、耳奥で金属が擦れ合う高音が鳴り響いた。脳内の演算処理が過負荷を起こし、文字通り「頭が叩き割れる」ような錯覚に襲われる。


 展開した背面のビームポッドの高エネルギーにより、ヴェノムが放った白銀の極大砲撃が軌道を変える!


 バシュゥゥゥゥゥンッ!!


 本来の軌道を大きく曲げ、敵の最大の弱点——頭部レールガンの基部隙間へと吸い込まれるように誘導された!


 ドカンッ!!!!!!


 空間を揺るがす、この日一番の大爆発。

 白銀の光の弾丸が『ギガント・アイアン』を紙のように突き破り、その巨躯の核心部を正確に貫通。

 数千トンの鉄の塊が、内側から激しく爆ぜ、一瞬にして超高熱の太陽のような火柱となって崩れ去った。


「……やった……か!?」


 のえるは操縦桿に突っ伏し、荒い息を吐いた。視界の端で、敵の超大型重戦車が爆煙の中に消えていくのが見えた。


(おっと、ここでフラグ発言は野暮だったな・・・)


 だが、敵の死に際、さらなる悪夢が解き放たれた。


 キィィィィン……!


 崩壊する重戦車の胴体から、まるで黒い蜂の群れのように、数百機の小型自爆ドローンが雲霞のごとく噴き出してきたのだ。


 それは死に際の自動反撃プログラム。黒い雲となったドローンの群れが、MANTIS-03と、のえるの機体へ向かって猛スピードで押し寄せてくる。


「くそっ……最後の最後まで……嫌がらせをしてくれる……!」


 のえるはグラグラと揺れる頭を猛烈に振り、無理やり上体を起こした。


「機体AI! ポッドの展開!マルチロックオン……!全部撃ち落とせ!」

『了解。マルチロックオン——ターゲット数、数百機。全自動迎撃シークエンスを開始します』


 機体AIの冷静な操作により、空中に残されていた六基のビームポッドが、回転しながら全方位へレーザー弾幕を撒き散らした。

 脳内回路の演算サポートを受け、押し寄せるドローン群の軌道を一機残らず捕捉。


 チュチュチュチュチュチュチュン——ッ!!


 空を埋め尽くす幾千の光の針。

 接近する自爆ドローンが、NOEL-X-02の数十メートル手前で、次々と花火のように爆ぜていく。

 空が一面の爆炎と連鎖爆発で覆われ、黒い雲は一機としてこちらに到達することなく、すべて赤土の空へ散っていった。


 戦場に、静寂が訪れる。

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