レタスの子離れ
翌朝ギルドの扉前にカバンを一つ担いだルクアが立っていた。
今から新たな旅立ちをする所だ。
朝日が燦々とギルド内を照らして良い天気だ
「出発日和の朝だけど、誰も見送りにこないとか寂しいな、皆昨日騒ぎすぎて寝ているのかな」
出発前にすでに落ち込んで肩を落としているルクア。
そんなルクアが扉をあけて外にでたら、皆が旅支度をしてたっている。
「おせぇ~ぞルクア、皆見送りにこなくて寂しいと思ったんだろ」
ルビーが待ちくたびれた雰囲気をだしながら、ニヤっと笑ってルクアをからかっている。
「ちげぇよ、寂しくなんかねぇよ」
図星を疲れたルクアは顔を赤くしてソッポを向く。
「なんで皆いるんだよ、俺は一人で行くぞ」
ブーブー私達も連れて行けとブーイングが起きる。しかし今回はルクアも譲らない。
「ダメだ!第一ギルドはどうするんだよ」
そう言った瞬間、キミコが腕をあげて下にゆっくりとおろす。その瞬間ギルドが地中に沈んでいく。
「これで問題ないでしょ」
何故かレタスがフフンと自慢気に胸をはっている。
「イヤ問題大有りだよ、ギルドなくなったじゃんか、ていうかギルドがなくなっても連れて行かねぇからな」
こんな力技にでるとは思わず、驚きで目を見開き突っ込みをいれた。
「ここまでして皆ついて行きたいんだよそれでもダメなの?」
上目遣いで瞳をうるませ泣き落としにかかるレタス。
ルクアは前世からレタスのお願いには弱かった。 今世でもレタスのお願いに弱いのはわかっていた。
レタスのお願いに弱いと自覚あるルクアは顔をひきずらせながら、一歩たじろぐ。
「お願い連れて行って」
レタスが瞳を潤ましてお願いしてくる。
結局くレタスのお願いには勝てずルクアが折れる事になった。
「わかったよ、けど一人だけだからな、俺も大人になったから一人立ちしたいんだよ」
皆の中から声がきこえてくる。
私達の方が長生きなんだから養ってあげるのに、大人っと言っても私達からしたらまだまだ子供よね。
そんな声がきこえてくる。
ルクアも女性に言ってはいけない事ぐらいはわかってるから言葉には出さないが心の中で思った。
(皆もう何千年も生きてる…)
そこで思うのをやめた、皆から睨まれてるからだ。
「ルクア!今女性にたいして失礼な事思ったよね」
眉を尖らせグイっと詰め寄るレタス。
「そんな事ないよ、イヤー皆の優しさはありがたいなぁ、俺は一人立ちしたいけど一人だけなら一緒にきてもいいかな」
レタスの勘の良さに冷や汗をかいたルクア。
一人だけついて来ていいと言質をとったレタス達は満面の笑みでじゃんけを始めようとする。
じゃんけんに参加しようとするレタスを見て
「母さんもくるの?」
「当たり前じゃない」
ル「母親同伴の旅って恥ずかしいやんか」
照れくさそうに言うルクアだが
「大丈夫!後でもっと恥ずかしい思いするから」
レタスが何か悪巧みをしてるような顔をしている。
「それってなに?全然大丈夫じゃないよね」
狼狽えるルクアを無視してレタス達はじゃんけんをはじめた。
最初はグーパーで人数を減らしていって残り一桁になってから、普通のじゃんけんで決着をつけたようだ。
「ヤッター今日から三日間は私だ」
どうやらルビーに決まったようだ。
ルクアは心の中で思った
(三日交代とかきいてないんだけど)
と思ったが突っ込まない事にした、どうせ言いくるめられるからと。
ルクアはこれから先も気付く事はないだろう、全てはレタス達の作戦の内だと。
その証拠に皆には悲観した様子はなく、むしろニヤリと悪い顔をしている。
「結局ギルドはどうするんだ?」
「またノーホームギルドに戻るだけだよ」
レタスが何事もないかのように言ってのける。
「なんだそれ」
頭に?が浮かんでいるルクア。
「本拠地を持たないギルドって事、大陸中の困ってる場所に行って困ってる人達を助ける、それがノーホームギルド、格好いいでしょ」
満面の笑みで腰に手をあて胸をはるレタス。
「うん」
(もう勝手にしてくれ)
疲れたルクアはそれ以上余計な事は何も言わずに旅にでた。
レタス達も旅に出た、じゃんけんで勝った一人は付いていき、他は交代で見つからない距離から見守る、彼女達には勿論ルクアの姿は見えている、見守り以外はお仕事中、結局寂しい皆はついていく。
そんな事になってると薄々勘づいているルクア!
何を言っても無駄だとわかり、必要以上に接触してこないならほったらかしにしとこうと心に誓った。
「じゃあ~ルビー行くか」
「おう!」
この日ファミリアフレンズの皆は旅に出た。
その日の夜ギルドから南に五十キロ程に行った所にある国アルメリア王国から、ファミリアフレンズに依頼を出す為に使者が来ていた。
「確か場所はここで合っているはずなのにギルドがない」
唖然と立ちつくす使者。
その報せはすぐ王国に届きどういう事だと大騒ぎになる。
この噂はすぐに大陸中に広まり色んな国でも大騒ぎ、そんな事を知るよしもないルクア達一行は旅を楽しんでいる。




