トラブルは向こうからやってくる。
レタスの村の跡地を後にしたルクア達は森の中で一泊、草原で一泊しお昼時に子爵領に到着した。
ここまで辿り着く間にゴブリンの五頭ほどの群れに襲われたが、三人は難なく撃退した。最近のルクアはゼロック警部に負け、伯爵領の騎士団長にもやられたが決して弱い訳ではない。ケインにしてもそうだ、殺す気で銃を使えばゴブリンぐらいなら瞬殺だ。ユキも氷の礫でゴブリンを倒した。
ゴブリンに襲撃された事意外は大した問題もなく平和な道中だった。
「二人とも何してるんだ」
入口の列に並ばず隠れるように忍びこむ場所を探しているルクアとユキを見て不思議に思ったケインが二人に聞いた。
「忍びこむ場所を探してんだよ」
「何で忍びこむんだよ、普通に入口から入ればいいだろ」
「俺達身分証持ってないんだよ」
その話しを聞いたケインが大きなタメ息をつく。
「お前らな、身分証ないならちゃんと入口から入って冒険者ギルドで身分証作るぞ」
「えっ?普通に入口から入れるの」
身分証がなかったら忍びこむものだと思っていた、ルクアはユキをみた。見られたユキは顔を背け
「お金払いたくなかったんだもん」
と言っている。
「そういう事か」
また呆れて頭をかくケイン。
「お金払って中に入るぞ」
ケインに言われ並ぶ事にしたが、ユキは渋々の様子だ。
入場料を五百セーヌ払い町に入った。ちなみに百セーヌでパン一つだ。
「最近町に入る度にトラブルに巻き込まれるけどこの町は大丈夫だよな」
「子爵領は平和なはずよ」
ルクアが今までの出来事を思いだし苦い顔になるが、ユキの言葉で少しホッとする。
まずは身分証を作るかとケインに言われたので、三人は冒険者ギルドにやって来た。ギルド内はピークの時間が終わって閑散としていた。
三人は受付カウンターに向かい冒険者登録をお願いした。冒険者登録には千セーヌ必要でそれを払い登録を済ませ、細かい決まり事を受付けのお姉さんが教えてくれた。
冒険者登録が終わりギルドをでて、次は宿を探す事にした。宿を探しているとトラブルが向こうからやって来た。
「そこのお嬢ちゃん俺と今から飲み行こうぜ」
ユキがナンパされたのだ、ユキは性格こそあれな所があるが美人だ。
「そういうのは間に合っているから結構よ」
ユキが男を軽くあしらったが、男がユキの腕を掴んだ。
ルクアは最近も同じ様な事があったなと思いつつ、レタスの教えの一つ、女性は守る者だというのを思いだしていた。
ルクアが男の腕を捻りあげ、男を蹴りとばした。
「お前らこの町でオニヅカに逆らって生きて町を出れると思うなよ」
その言葉を聞いたルクアはどうしてこうもトラブルに巻き込まれるんだと思い顔を引きつらせた。




