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ファミリアフレンズ  作者: ネコ雲


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18/22

キミコのえい!で、凄いものが建ちました。


 ルビーが去った後、町人達が火を消そうとするが、いくら水をかけても消えない。

「いくら水をかけても無駄よ、ルビーの火は普通の水では消えないわ」

 そういうとオウミは燃え盛る伯爵亭上空に大きな水の塊をだし、大量の雨を降らし炎を消した。 

 オウミもルビーと同じくゼウス水の心を進化させた水瀑の心の顕現者であった。その為ルビーの炎に対抗する事が出来た。


 火を消し辺りを見回すと伯爵と騎士はまだ痺れて動けないみたいだ。

「今動かれたら邪魔なのでまだ痺れさせてます」

とピカリンが歩いてきたオウミに伝える。


 傷ついたルクアはピカリンに支えられながら立ち上がっていた。その姿を見たオウミも許せない気持ちはあるが、流石にこの惨状をみたら溜飲も下がると言うものだ。


 伯爵に言う事があり伯爵に目を向けると女の子が伯爵に泣きつき、伯爵も涙を流し喜んでいるのが目に入る。

「良かった、良かったデレシエル生きていたのね」

「お母様も無事で良かったです」

 どうやらルビーが連れだした女の子は伯爵の娘だったみたいだ。


 伯爵がどうして部屋にいなかったのか尋ねると、トイレに行ってたそうで、トイレから出ると騒ぎが聞こえ怖くなり近くの部屋に身を隠していたとの事だった。


 オウミが二人の話しが終わったタイミングを見て話しかける

「今回は仲間がやり過ぎたので代わりに謝るわ」

 そういうと伯爵に頭を下げた。

 伯爵にはまだルビーの恐怖が残っており、震えながらハイと頭を下げた。

「それで死んだ人へのお詫びにだけど」

 そこまでオウミがいいかけた所で、伯爵が顔を横に振り

「今回は奇跡的に死人はでていません」

とオウミに告げたのだ。


 オウミもこれだけの規模なので流石に死人が出たと思っていたらしく、安堵のタメ息を吐いた。

 今回の死者が出なかったのは、メイドや執事は寝る時は別邸におり、伯爵亭には見回りの騎士数人とツントロン伯爵と娘しか居なかったので、避難がスムーズに出来た事とルビーが加減して騎士達を殺さなかったのが要因だろう。娘は避難出来ていなかったが、助かったので結果オーライだ。


 「死人がでて居ないなら良かった」

 内心この言葉にはルビーがそこまで堕ちていなくて良かったという意味も含まれていた。

 その言葉を聞いたルクアとピカリンも笑みを浮かべた。


 ルビーとそこまで関係が深くないユキとケインは後ろで見守っていた。


 そんな状況の中地面からいきなりキミコが姿を現した。

「あらまぁ~今回はルビーが派手にやらかしたわね」

 突然のキミコの登場にルクアとオウミとピカリン以外は状況が理解できず怪訝な表情を浮かべる。


 身体は動かない伯爵と騎士達だが、オウミの行動からこれ以上危害を加えられる事はないと思い、先程よりは恐怖は薄れているように見える。


 「ルビーの尻拭いは私がしてあげる」

とキミコが告げると、エイと言う可愛らしい掛け声と共に伯爵亭の残骸は土に還り、何本もの木が生えてきて一瞬の内に立派な家が完成した。


 それを見たキミコの力を知らない連中は驚きのあまり目が点になっている。


「今回は特別に世界樹製の燃えない壊れない丈夫な家を建ててあげたわ」

 それだけ言い残すとバイバイと手をふり地面に消えていった。

 キミコの発言を聞いたキミコの力を知らない連中は更に口をあんぐり開け呆けている。


 伯爵には価値がわかったのだろう、口を開けて魂が抜けたみたいになっている。

 世界樹とはエルフの森の奥深くにある天を貫くほどの大きさの木だ、世界樹周辺は何処の国も立ち入れない不可侵領域に定められている。

 そんな世界樹で建てられた家だ価値が計り知れない。普通なら嘘と思うが出来た家が光り輝いており、ルビー達の力を目の当たりにしているので信じるしかないのだ。

 頭を振り意識を取り戻した伯爵はある答えに行きついた。

「私アンタッチャブルギルド、ファミリアフレンズに手をだしたのだと」

 その答えに行きついた伯爵はまた気絶し、娘に心配そうに身体を揺さぶられたのだった。


 

 あの場から立ち去ったルビーは一人森の中でうずくまり泣いていた。ルクアとケインを傷つけた伯爵に対して、ルクアを裏切った自分に対して、怒り、悲しみ、悔しさ、後悔、様々な負の感情がルビーの心に渦巻いている。そしてまたルビーの赤く光り輝いていた心を黒く塗りつぶして行くのだった。


 ある小屋の中に一人の男が座っていた。

「ようやく隙をみせてくれた、そのおかげで少しだが心を黒く染め暴れさせる事が出来た、そして負の感情を抱かせる事に成功した」

 もっともっと心を黒く染めてやると男は笑みを浮かべた。



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