オウミの思いと、ルビーの異変
ルビーのパンチを受け止めたオウミが冷たい目でルビーを睨んでおり、受け止めたオウミの腕も咄嗟の事で水でのガードが出来ず火傷をおってしまった。ルビーもオウミが見えた一瞬で威力を落としたが完全には押さえられなかったみたいだ。
ルビーとオウミの衝突により、周りが静まり帰った途端、ヴッと言う小さなうめき声と共に団長を含めた騎士達と伯爵が倒れていく。オウミの後ろに目をやるとピカリンも来ており、ピカリンのゼウスで周りが倒れた様子だ。倒れたと言っても意識はあるが身体が痺れて動けないみたいだ。
ルビーを冷たい目で睨んでいたオウミが口を開いた。
「貴女今殺す気だった?」
皆が震え上がる声でルビーに問う。
「ああそうだ」
ルビーもオウミを睨み付け返事を返す。
その瞬間オウミから強烈な蹴りをくらい吹き飛ぶルビー。吹き飛ばされたルビーは燃え盛る伯爵亭に激突し崩れてきた、瓦礫に身体が半分ぐらい埋まってしまった。そこにオウミが歩いて近付いていき、腰を落とし、ルビーに目線を合わせる。
燃え盛る伯爵亭は凄い高熱になっており、オウミの美しい青い髪と白い肌を焼いている。
「貴女五百年前ルクアと旅した日々を忘れたの、こんな事して」
オウミが辺りを見まわし、悲しい表情をする。
ルビーが下を向き黙りこむ。後ろではその様子を心配そうにルクアとピカリンが見守っている。
五百年前の旅では命を奪う事も勿論あったが、それは平気で人の命を奪う凶悪な魔物や盗賊に限った話しだ。決してむやみやたらと暴力を奮っていた訳ではない。ルクアも良く口にしていた事がある。
「力があるからといってその力を好き勝手に奮っていたらそれはただのクズだ、俺達は違うだろ」
そう言うと決まってニカっと笑顔を浮かべていたのを思いだす。
「貴女はルクアの信念を裏切ったのよ、貴女程の力があればもっとやり方があったはずよ」
その言葉を聞いたルビーは黙りこみ何も言い返せなかった。オウミ達も遠くから見ていたので、大体の事情は把握していたが、ルビーがここまでの事をするとは思ってはいなかったので駆け付けるのが遅くなった。
ルビーが瓦礫をどけ立ち上がり
「すまなかった」
とだけ言い残し、何処かに去って行った。
この時ルビーの赤く光り輝く心が黒く塗りつぶされつつある事に誰も気付かず、無理矢理にでもルビーを引き止めておけば良かったと後々後悔する事になるとは誰も思ってはいなかった。




