ルビーとの出会い
過去にこの湖でルクアとルビーが出会った。
その頃のルビーは邪神を倒す事もできず、永久に続くこの暇な時間に嫌気がさしていた。オマケに最近同じく暇を持て余している他の龍に嫌がらせで、苦手な水を大量にかけられ機嫌が悪かった。
その腹いせと暇潰しを兼ねて、人間の畑を焼いてきた帰りにルビーが湖の畔で水を飲んでいると、三人組の男性その内の一人が話しかけてきた、それがルクアだった。
「お前がこの辺で暴れている火龍だな」
「矮小な人間如きが我に話しかけてくるとは、しかも火龍などと一緒にされるとはな、頭にくるがまぁいいだろ、お前を殺してスッキリするとしよう」
ルビーが話し終えた瞬間大量の水が絶え間なく滝のようにルビーに降り注いだ、あまりの水圧に動けず、大量の水のせいで身体に纏っている炎が消えて弱っていくルビー。ルクアのゼウスで湖の水を大量に頭上まで運んだみたいだ。
「フゥーこんだけやればだいぶ弱ったか?」
ルクアが息を吐きながら額をぬぐっている。
「そうだな、火龍ならこれで大人しくなるだろうよ」
昔のルクアの仲間もニヤリと笑いながらそう告げた。
「辺り一面水浸しではないか」
ニヤリと笑う二人とは対照的に、草履を履いているもう一人の仲間はご機嫌斜めだ。
湖の水をほとんど使いきる量だ、広範囲がぬかるんでおり、草履がグチョグチョになるからだ。
「よくもやってくれたな、焼き殺してくれる」
息も絶え絶えでどうにか立ち上がる龍姿のルビーが口の中に炎を溜める。
「あれはヤバいんじゃねぇか?」
男の一人がルビーの様子をみて焦っているが、ルクアが俺に任せとけ、と言いながらルビーに近付いていく。
するとルクアは火薬玉をルビーの口の中に投げ入れ、それとほぼ同時ぐらいにネックレスが鎖に変化し、ルビーの口に巻き付いた。
巻き付いた鎖が外れずもがくルビー。
その時口にたまってた炎が火薬玉に引火し喉の奥の方で爆発した。口が塞がれ逃げ場のない炎が内臓を焼き、倒れ込む龍姿のルビー。
その様子を見たルクアは満足気&自慢気だ。
「火薬増し増し火薬玉の威力はどうよ」
口から煙をだして倒れている龍姿のルビーがみるみる内に小さくなり人間の姿になった、しかも裸だ。
それを見たルクアが急いでかけより身体をお越し服を着せる。
「すまんな、女性だとは思わずやりすぎてしまった、まだ生きてるよな?」
さっきまでの自慢気な表情が一転慌てた表情になりルビーを見ている、ルビーはどうやら気絶しているみたいだ。
気絶しているルビーを濡れていない所まで運び寝かせてあげる。焚き火を用意し三人も焚き火を囲うように腰をおろす。ルクアがルビーの様子をみて感心したように声を漏らす。
「流石に頑丈だな、もう回復していってるみたいだぞ」
身体を中から焼かれたルビー、身体の至る所が赤黒くなっていたが、だんだん普通の肌色に戻っていってる、勿論女性の大事な所は隠している。
「けどよ、起きたら怒って襲われるんじゃないか」
「その時はその時よ」
仲間の一人は心配しているが、ルクアはどこかお気楽な様子だ。
しばらく時間がたちルビーがうっすら目をあける。
「気をつけろ目を覚ましたぞ」
ルビーが目覚めたのをみて仲間の一人が声をあげ、警戒する三人。
ルクアが恐る恐るルビーに近付いた。
「龍のお嬢さん調子はどうだ?」
「人間に負けるなんて最悪な気分よ、責任とってね」
もの凄く不機嫌そうだ。
「責任って言ったって、俺達を食べる気か」
冗談ぽくルクアがきいてみる。
「負けたんだからそんな事しないし、そもそも人間なんて食べた事ないわよ」
弱々しくも少し苛立たしく言い放つルビー。
「そうだったのか、暴れてるって聞いてたからつい、それならやり過ぎたなすまんな」
手を合わせて謝るルクア。
「いいわよ別に、私の方が弱かったそれだけよ」
自分で言って悔しかったのか、不機嫌そうにそっぽを向くルビー。
そんな様子を見て困り顔のルクアだ。
「責任ってどうしたらいいんだ?」
「貴方達と一緒に連れて行って」
顔を紅らめモジモジするルビー。
その言葉をきいて戸惑う三人だが、ルクアが笑顔をみせ
「そういう事なら一緒に行くか」
と優しく声をかけてあげた。
「うん」
それを聞いて嬉しそうに頷くルビー。
実は龍種の女性は自分より強い男性に従い、一生を共にする。龍種ではそれが常識だがルクアはそれを知る訳がない。
「そういえば名前は何て言うんだ?」
「ないから貴方がつけて」
そう言われたルクアが少し考える素振りをしていたが、名前が閃きルビーをみた。
「そうだな、鱗がルビーのように綺麗だからルビーだ、俺はルクアよろしく」
「なにそれ適当だな」
そう言いながらもルビーは微笑んだ。
「傷つけたお詫びにこれやるよ」
ルクアがネックレスの一部をゼウス白の心で変形させて炎の形の髪飾りを作って渡してくれた。
「ありがと」
初めてもらうプレゼントに嬉しそうな笑顔を見せ、早速髪につけた。
あれから随分の時が経ったが、ルビーは髪飾りを大切にしている。
あの時のルクアは酷かったとルビーは思い苦笑をし、けど負けたのがルクアで良かったと微笑むルビーであった。




