心と神とゼウス
森林の中を突っ切るように作られている街道を歩く三人、前をルクアとユキ後ろにルビーだ、時々冒険者らしき一行や馬車ともすれ違う。
「そう言えば、ルクアもゼウス使えるのね」
頭に?が浮かぶルクア。
「ゼウスって皆使えるんじゃねぇのか?」
さも当たり前かのように真顔で質問するルクア。
「何言ってるの使える人間の方が少ないわよ」
ルクアの質問を聞いたユキは呆れた表情だ。
「へぇーそうか、ユキは使えるんだな」
「私は白銀の心を持っているの、ルクアのあれは何の心よ?」
そう言うと指先に野球ボールぐらいの氷の球をだして見せながら、ルクアについて質問する。
「あれは白の心らしいぞ」
「白の心は初めて聞くわね、らしいって事はルクアも誰かから聞いたの?」
「ルビー達だな」
そう言いながらルビーを見るルクア。
「達?まぁ~いいわ、私はゼウスが神の力って聞いた事あるけど、ルビーはゼウスがなんなのか知ってるの?」
ルクアの返事に少し疑問に思いながらも、ルビーのいる後ろに振り向きゼウスについて訪ねてみる。
「そうだな、神が与えた力で、創造神の友達の名前らしいぞ、自分の名前つけるのは嫌だから友達の名前つけたってよ」
「そうだったのね」
この話しを聞いてユキは内心冷や汗をかいた。
(創造神から聞いたような口ぶり、やっぱりルビーはかなり高位の龍なんだ、けど何でそんな龍がルクアと一緒にいるんだろ?聞きたいけど怖いからやめとこう)
ルビーから話しを聞いたユキは、何やら考える素振りをしてたが、顔を横に振り前に向きなおった。
ちなみにルクアはゼウスを習いだした時にすでにきいてるいるので、特別驚いた様子もなく話しを聞いていた。
話しをしながら暫く歩いていると、湖が見えたのでお昼時という事もありそこで一休みする事にした。 一休みしようとした所で石碑が目に入った。
「何だ?この石碑は」
「とりあえず読んでみなさいよ」
ユキに言われたのでとりあえずルクアが読んでみる。
石碑にはこう書かれていた。
(かつて英雄ルクアがこの周辺で暴れていた火龍を倒した地)
と書かれていた。
「へぇーそんな英雄がいたんだな」
初めて知ったルクアは何処か興味深そうだ。
「えっ?ルクアそんな事も知らないの、英雄の石碑は大陸各地の伝説として残ってるわよ」
(色々と常識がかけていたり、龍と一緒に旅してたり、変な人ね)
「初耳だな、ルビー達が教えてくれなかったからな」
ルビーを見るルクアだが、ルビーは何処かバツが悪そうだ。
(自分達が関係している話しは自分で語るのは恥ずかしいし、何よりルクア本人に思い出してほしいんだよな)
その表情は何処か悲しげだ。
「私達はあまり人間達の事知らないからな」
苦笑いしながら誤魔化すルビー。
「けど俺の名前英雄と一緒なんだな」
「あ~それは、(ホントは手紙に書いていたからだけど、レタスもルクアと名付けただろうし)レタスがあの時流行ってた名前をつけたみたいだぞ、人間の名付けとかよく分からないし」
全力でレタスのせいにして誤魔化すルビー。
ユキもルビーの言葉を捕捉するかのように。
「そうね、英雄の名前は今でもつける人多いわよ、私も三人ほど知ってるわ」
誰かを思い出したのだろうユキが嫌そうな顔をしている。
(そっか、そんな風に母さんがつけてくれたのか)
何処か嬉しそうなルクアだ、実際には前世での自分の名前なんだが。
この話しを聞いて英雄に興味を持ったルクア。
「英雄はここで火龍とどんな戦いをしたんだろうな」
昔に思いを馳せ、楽しそうな表情をするルクア。
「そうよね詳しく書かれている書物がないからわからないのよね、その後どうなったのかも」
そう言いながらルビーを凝視するユキに対して目をそらすルビー。
目をそらしたルビーは青空に視線を向け昔を懐かしむ。




