82.
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
特製豚汁の香ばしい匂いが漂う中、拠点の食堂は活気にあふれていた。
濃厚な味噌の風味と豚肉の脂が溶け合った熱々のスープが、冷えた胃袋にじんわりと染み渡っていく。
「リオン様。わたしたちがこのまま領土を広げて活動していれば、他の区画を支配する『廃棄族』が必ずちょっかいを出してきますよ」
食後の温かいお茶をすすっていると、エリーが真剣な顔で警告してきた。
彼女は元・旧廃棄王だけあって、廃棄都市のパワーバランスには詳しいのだ。
「大丈夫だよ、エリー。うちにはみんながいるからね。それより、まずは足元の環境改善からだ」
わたしはエリーの頭を撫でて安心させると、拠点の外へと視線を向けた。
自分たちが綺麗にした居住エリアのすぐ外は、相変わらず見渡す限りのゴミと瓦礫の山が広がっている。
さらに頭が痛い問題があった。
新しく増えた領民たちはスラムや荒野で生きてきたため、生活で出たゴミを平気でその辺にポイ捨てしてしまうのだ。
ポイッと窓からゴミが投げ捨てられるのを見て、わたしはガックリと膝から崩れ落ちた。
これはいけない。いくら立派な拠点を作っても、これでは元の木阿弥である。
「まずは『ゴミを所定の場所に捨てる』という意識改革から始めないとだめだね」
ゴミを集めるためには、何よりもまず「ゴミ袋」が必要不可欠だ。
わたしは立ち上がると、廃棄都市の一角にある特定のゴミ山へと足を運んだ。
そこは過去に召喚された『イキリ太郎』と呼ばれる自重しない転生勇者が持ち込み、不法投棄していった廃石油や謎の透明な容器の山だった。
ツンとした鼻を突く化学物質の匂いが漂っている。
「よし、【リサイクルショップ】の機能、【資源分別】を発動!」
ゴミ山が淡い光に包まれ、廃石油やペットボトルなどの不法投棄物から、純粋な『合成樹脂』が抽出されていく。
さらに、そこから連続でスキルを重ね掛けした。
「続けて、【仕様変更】!」
抽出した素材を引き伸ばし、安価で丈夫な半透明の袋を大量生産していく。
あっという間に、わたしの目の前には見慣れたゴミ袋の山が積み上がった。
わたしは広場に領民たちを集めると、完成したばかりの真新しい袋を高く掲げた。
ツルツルとしたビニールの心地よい感触が指先に伝わってくる。
「みんな、聞いてほしい! これは『リオン・カンパニー指定ゴミ袋』だ。ただの袋じゃないんだよ」
わたしは足元に落ちていたゴミを袋に入れ、口をキュッと固く縛ってみせた。
ポンッ、という軽快な破裂音と共に、ゴミ袋がその場から一瞬にして消失する。
「おおーっ!」
領民たちから驚きの声が上がり、エリーも目を輝かせて幻の尻尾をパタパタと振っていた。
袋の口を縛ることで、中身ごとわたしの『貯蔵庫』へ自動転送され、そのままRPに変換される魔法の仕組みを付与したのだ。
「これを使えば、ゴミを捨てるだけで街が綺麗になる! さあ、みんなでこの廃棄都市を綺麗にしよう!」
「「「はいっ!」」」
これならゴミを回収する手間も省け、街は清潔になり、わたしのポイントも勝手に貯まっていくという完璧なシステムである。
家臣や領民たちが楽しそうにゴミ拾いを始める姿を見ながら、わたしは満足げに深く頷いたのだった。
【おしらせ】
※3/8(日)
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