81.
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
さて、と。領民が日に日に増え続け、一つの深刻な問題が浮上していた。
食糧問題は、農場を作ったことで解決はしている。問題はそこじゃあない。
日々の炊き出し、つまりご飯の用意が全く追いつかなくなってきているのだ。
「申し訳ないです、リオン様。朝ご飯はまだできておりませんでして、もう少しお待ちください……」
現在は専属メイドのアナを筆頭に、領民たちが当番制で食事を作ってくれている。
しかし、アナはわたしの専属メイドである。今朝もわたしを抱きしめて「よしよし」と頭を撫で回す業務を最優先したため、朝の炊き出しの準備が完全にストップしてしまっていた。
(できれば、料理長みたいな専属のプロが喉から手が出るほど欲しいところだ。)
「大丈夫だよ、アナ。わたしが手伝うから」
朝食の準備を急ぐべく、わたしは元廃棄族の頼れる仲間に声をかけた。
旧廃棄族『キエリュウ』だった彼女は、名前を変えたことで性別まで変わり、今では見目麗しい長い髪の美女となっている。
「エリー、西側農園まで運んでくれる?」
「はい、リオン様っ!」
エリーは目をキラキラと輝かせ、わたしの体にギュッと抱きついてきた。
エリーの固有能力は、瞬間移動。行ったことある場所へ、一瞬で移動できるのだ。
そのまま一瞬で視界が歪み、土の匂いが漂う農場へと瞬間移動する。よし。
って、あれ? 後ろには、エリー。そして抱っこした状態で、動いていない。
ぎゅうううう。すぅうううう。
「はぁ……♡ くる……しきゅうに……♡」
しきゅう? 至急?
「あの、エリー。そろそろ離してほしいんだけど」
「ぎゅうううううううっ」
エリーは無言のまま、幻の尻尾をパタパタと振ってさらに強く抱きしめてくる。
まあいいや。時間が惜しいし、このまま作業を進めよう。
「ここで何をするんですか?」
不思議そうに首を傾げるエリーの前で、わたしはスキルを発動させた。
「【リサイクルショップ】の機能、『買取』を発動!」
対象をポイントに変換するだけでなく、そのまま『貯蔵』することも可能な超便利スキルだ。
ズサァァァッという軽快な音と共に、畑に実っていた野菜が一瞬にして収穫され、亜空間のインベントリへと吸い込まれていく。
「さ、戻ろっか」
「はいっ!」
再びエリーの瞬間移動で、拠点の巨大なキッチンの前へと帰還する。
厨房にストックしてあった豚肉や味噌などの食材も、まとめて『貯蔵』へと放り込んだ。
「リオン様、一体何をするんですか?」
エプロン姿のアナが目を丸くして尋ねてくる。
わたしは巨大な鍋の前に立ち、ニヤリと笑ってみせた。
「朝の炊き出し料理を一瞬で作るんだよ。『仕様変更』!」
ある物とある物を組み合わせる、リサイクルショップの技の一つだ。
RPを消費し、スキルが発動。
貯蔵した野菜、肉、味噌、そして水を組み合わせ、鍋の中へ一気に具現化させる。ボフンッという小気味良い音と白い煙が弾けた。
「じゃーん! 特製豚汁の完成〜!」
ふわりと、味噌と豚肉の濃厚な香りが湯気と共にキッチンいっぱいに広がる。
グツグツと煮込まれた具沢山の豚汁が、巨大な鍋になみなみと完成していた。
「おおーっ!」
「すごい! 一発でできるなんて!」
アナとエリーが、尊敬の眼差しでパチパチと拍手喝采を送ってくる。
家臣たちも集まってきて、豚汁の良い匂いに鼻をヒクヒクとさせていた。
「まあ、スキルで作るとどうしても画一された味にはなっちゃうんだけどね」
それでも、時短で料理ができることは、この仕様変更の強みではある。
とはいえ、やっぱりバリエーションを出したり、味に深みを出したりしたいので、早いうちに料理人はスカウトしておきたいところだ。
毎日同じ、画一された味じゃ、飽きちゃうだろうからね。
わたしはお玉で豚汁をかき混ぜる。
それでも、朝の時短料理としては文句なしに優秀だ。
「さ、みんなに振る舞おうか!」
「「「はいっ!」」」
家臣一同の元気な返事が、活気あふれる朝の拠点に響き渡った。
【お知らせ】
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