プロローグ2
隠し部屋の中に入れないよう結界を張るとユウヤは台所に出た。
屋敷を見て回ると金目のものをあらかた集め終わったのか中に誰もいない。
外に出ると貴族はがこっちに来いと手招きをしてきた。
「見ろこれを!ベットの上にあった赤い髪だ。上物に違いないぞ。お前もサボってないで探索を続行しろ。」
「はい。」
っと目を輝かせ興奮しながら髪の毛を触っている。
アンの髪を触らせているのは業腹だが今暴れて盗賊に逃げられても面倒だ。
さてどうして全員集めて苦しみに落とそうかと思っているとゴトンと足元に苦しめる予定の首が落ちた。
・・・やってしまった。考え事をしているとオートモードで仕事をするスキル。
子供のころ畑仕事の手伝いが面倒で編み出したスキルだったが勇者とされてから考え事をしなくなったので制御するのを忘れていたのだ。
貴族をやってしまったことは仕方がないと思いなおしているとエルフがこっちを口をパクパクさせながら見ている。
叫ばれる前に殺るしかないな。
雑草を刈り取るようにあたり一面の人間をスキルで感知するとそのまま切り捨てた。
10秒ほど雑草を根こそぎ刈り取るとエルフはまだ声を出せずにパクパクしていた。
なるほど首輪が原因か・・・
首輪を切ってやると今度は呪いが発動してさらに顔色が悪くなった。
首輪で意識を奪い苦しめ外された場合はさらに苦しむ呪いがかかってるのとは趣味が悪いが呪いを解呪するなんて聖剣ですることだ。
絡まった糸を解こうとしてさらに絡まってしまった気分だがどうしようもないのでせめて介錯をしよう。
「なんて惨状なの。これユウヤがやったの?」
鈴の音の声に呼ばれた気がして駆け足で主のもとに跪き顔を見る。
綺麗な服装のままの俺と落ちた首。ここまでやるのかっていう顔をしていた。決して心を読んだわけではない。
そしてうめき声をあげるエルフにアンは目がいきエルフは静かになった。
「アン様、今何をされたのですか?」
ユウヤの問いを無視してアンはエルフに駆け寄り腰元から見たことのない色のポーションを体にかけた。
ハッっと目を開けたエルフは周りをきょろきょろ見た後あろう事かアンを押倒した。
アンはこのままではやばいと思いとっさにユウヤに命令を出す。
「この子に危害を加えないで!」と。
跪いていたはずのユウヤは案の定エルフの首元に剣を構えて切りかかっていた。
エルフはぎょっとした顔で剣を見たがすぐに俺に掴みかかってきた。
「あんたのせいで、あんたが殺したせいでわたしの妹が・・・」
「ユウヤあなたこの子の妹まで手にかけたの?」
エルフは俺が今始末した中にはいないはずだ。
「ここにはこの女以外エルフはおりませんでしたが。」
呪いのようにあんたのせいでというエルフを見て思い当った。
「もしかして妹も首輪をつけられていたのか?」
コクリとうなずくとエルフは崩れ落ちた。なんていうことだ。アン様からの心象が最底辺まで落ちてしまったではないか。
「アン様!少々お待ちください。挽回のチャンスを。」
そう言い残し貴族の屋敷にスキルでもどった。
一度来た場所に戻れる便利なスキルがあってよかったとおもいながら気配感知を行い首輪を付けたものたちを集めてアンの元に戻った。
「えっ」とアンとエルフは驚きの顔を隠さない。
泡を拭いて倒れている多種族が9名。
「アン様、首輪を切りますのでこの者達を疑視していてください。」
「わかったわ!」
理解はできないが言われたことをするのが良いのだろうと必死に見る。
すっと黒い霧のようなものが倒れた者達から抜け出すと苦悶の表情は穏やかに戻った。
「リーラ、リーラ。」と妹だろうエルフを抱きかかえないていた椅子にされていた姉エルフは穏やかな顔になった妹を見てこちらに目を向けた。
アンは「ありがとうございます。」とまた呪文のようにこちらに繰り返しお礼を言ってくるエルフの妹や倒れた者たちにポーションをかけて回っていた。
俺は周りに転がった襲撃者の亡骸を消滅させアンの従者だった者達はアンに見守られながら火葬した。
しばらくして皆が意識を取り戻すと姉エルフがアンに助けられたのだと教えて周ると感謝の言葉を述べこれからどうしようかと相談していた。
「ユウヤ、私決めたわ。帰る場所のない人は私のところに来なさい!」
皆がぽかーんとした顔をしてる中俺はアン様の優しさに心を震わしていた。
10名の者達は奴隷として取引されていたものばかりで帰る場所などなくアンとの暮らしを選んだ。




