閑話休題!アルバン国立学校!その15
お疲れ様でございます
ワールドカップ、盛況ですね
多分イタリアでは賭けが行われていて、審判がどこかに金で買われていると判断されたらまた空港でパンパン撃たれるんだと思います
命はお金で買えないので意図的な誤審は止めておきましょう
さておき、本日のキララ、どうぞ
「ハーイ、じゃあ今日はここまで。また明日ね」
「「ハーイ!」」
手を振って出て行く、政治・経済のペネロペ女史
一見いつもの教室だが、現在お子様達の人間関係は微妙になっている ―――
ソフィとホロンはあらん限りの力を振り絞って死闘を続け、最後に同時に頭を打ち抜いて両者ノックダウン、それから口をきいていないが、本当は話したり一緒に遊んだり出来ないと寂しい
ソフィを気遣って話しかけたジェダは話しかけないでと言われ、我が非は何か、と悩み続けている
カンナはマティスに話しかけなくなってしまった
どう接すれば良いか分からないのである
カルーシアはご自慢のツインテールをマティスに見せつけようとしているが、マティスは全然見ていない
少し額に手を当て、我が非は何か、と悩み続けている
「…みんな、どうしたのかな?」
コソッとピリムに話しかける、空気が読める少女エネッタ ―――
「さあ…何かあったみたいだけど、知らないわ。何故?」
「うーん…私はみんな仲良しの方が良いなって思うんだけど。何でこんなにぎこちなくなっちゃったんだろう?」
「聞いてみれば分かるんじゃない?まずはカンナから行きましょう」
とりあえずトイレへとカンナを連行するエネッタとピリム ―――
別にトイレに行きたかった訳ではないカンナだったが、この二人はお姉ちゃんポジションである
言われるがまま着いて行き、事情聴取は始まった ―――
「…マティスに、すきって言われた…」
ええッ!!…
「…ずっと一緒にいたい、って…」
解説のピリムさん、これってつまり、告白って事なんじゃあないでしょうか?…
はい、どうやら後文から察するに結婚したり子作りしたりしたい模様です。これはもうプロポーズと言っても過言ではないのでしょうか?…
二人して後ろを向いてヒソヒソしていたエネッタとピリムは、この件の解決方法について考え始めた ―――
「ねえカンナ、カンナはマティスのこと好き?」
投手エネッタ、内角高めのストレートをブッ込んで来た
これに詰まったカンナ、俯いて顔を赤く染め始めた ―――
ウン…
この反応は好きって事ね…
多分、突っ走ったマティスに対してカンナの気持ちが追い着いていないってとこだわ…
解説のピリムさんは、ほぼほぼ正確な分析をした
それからまた後ろを向いて、ヒソヒソ話し始める二人 ―――
今度の参考人は、マティスである
誰もいない校庭に連行すると、事情聴取が始まった ―――
「はい、言いました。カンナが好きで、ずっと一緒にいたい、と。きっとこの気持ちを失ってしまったら、ぼくはもう生きていけません」
ウーン…
大分突っ走ってるなー…
カンナが亀だとしたら、マティスは新幹線だ…
また後ろを向いてヒソヒソ始めたエネッタとピリムは、この問題についての最適ルートを探し始めた ―――
「マティス、カンナの事お嫁さんにしたい?」
エネッタがブッ込んで来たド真ん中の直球に対し、マティスは迷わずバットを振り抜いた ―――
「はい。ぼくが好きなのはカンナだけです。他には何も要りません」
その時のマティスの真っ直ぐな瞳に、エネッタとピリムは熱く心討たれた ―――
「…分かった。じゃあ私達も手伝ってあげる」
「ちゃんと幸せにすると、約束して貰いますよ?」
「約束は出来ませんが、ぼくに出来る事なら何でもします。ぼくの心臓が要るのなら、カンナにあげます」
そこまで言うか…
どうやら、マティスの気持ちは本物らしい ―――
マティスへの協力を約束したエネッタとピリムは、とりあえず校庭から教室へ戻りながら相談を始めた
「うーん…協力するとは言ったけど、何をしたら良いんだろう?」
困り顔のエネッタ ―――
自身にも恋愛の経験など無く、この問題を解決出来るだけの知識が無い
同じく恋愛の経験など無く、ティンと来るアイディアが思い浮かばなかったピリム ―――
「…そうね…分からないなら分からないで、人に聞けば良いのよ。アキラさんを呼びましょう」
後日、相談を受けたアキラは益光と氷雨さんを召喚して来た ―――
アキラも一応既婚者ではあるが、キララを嫁にした時の事など覚えていない
まともな恋愛経験はゼロである
益光は生まれた時から里の首領となる事が定められており、氷雨は生まれた時から益光の嫁となる事が定められていた
里の責務として祝言を上げた二人だったが、実際結婚してみるとお互い大スキーになっていた
「…左様か…拙者の思うに、少々時間をおくのが良かろう…ウチの氷雨もな、最初は拙者が近寄ると身を固くしておった…」
当時の思い出が蘇り、ちょっと頬を染めてしまった氷雨さん
「…ええ…実を申しますと、あの頃は益光様の事が怖かったのです…それが無くなったのは、益光様が私に優しくしてくれると気付いてからでした…」
フッ、と笑い、氷雨の方を向く益光 ―――
「…存じておるか、氷雨よ…お主を妻に迎えた時、拙者はこの世で一番の果報者であると思っていた…その気持ちは、今でも変わらぬ…」
氷雨が鬼嫁だった頃はなるべく近寄りたくなかった益光であるが、そこんとこは無かった事にしている
それを聞いてちょっと嬉しくなっちゃった氷雨 ―――
「…止めてください、人前で…」
なんかこのままネチョり出しそうな雰囲気を漂わせ始めた二人 ―――
ウン…
なるほど、時間を置く、か…
カンナの気持ちの整理が落ち着いたら、お互い好きなんだからくっつくはず…
ここでエネッタとピリムの方針、固まる ―――
少しの間、カンナとマティスには距離を取らせる事にした
事情の説明を受け、納得したマティス ―――
離れた席から切なげな目を向けられるカンナは、気がつけば胸の鼓動が早まるのを抑え切れなかった ―――
後日譚・ローザとベルタ ―――
ローザはゴリオス城でのお仕事がある為、今日も忙しくしています
ベルタは学校での勉強にはまだ着いて行けなかった為、アキラん家でアンパンマンとか機関車トーマスとかを観ています
大体幼稚園児です
「ベルター!?お買い物行くよー?」
「あーい!」
ザムダに連れられ、今日もお散歩がてらお買い物に行くベルタ
今日は違うのにしてみよう…
ベルタが選んだお菓子は、ポップコーンでした
食べている間に、ガスッと殻が歯の間に刺さったベルタ ―――
それを抜こうとしていたら、前歯が抜けてしまいました
ちょっと面白い…
仕事が終わってアキラん家に来たローザは、歯が抜けた笑顔のベルタと一緒に記念撮影をしました




