侵略!アルバン独裁王国!その24
お疲れ様でございます
鼻の穴の中がムズムズする現象 ―――
経験上知ってます
これはクルッと巻いた鼻毛の仕業です
どこのどいつだ…
鏡を見ながら探しますが、中々見つかりません
コイツとの勝負はしばらく続きそうです
さておき、本日のキララ、どうぞ
お風呂に浸かりながらの国王会議は2時間を超えた ―――
結論としては、連合国の最外部に位置し、隣の強国バステオンから侵攻を受ける可能性があるアストリアに軍備を集中させる事、連合国間では行商税を0%にする事、差し当たって何かと資金が足りないカルナックとナイジャンをみんなで支援する事などが決まった
アルバンの手下扱いされて納税させられるんだろう、と思っていたウルブリヒトやフェルナンドだったが、全然そんな事は無かった
「さて、話も済んだことだし、上がって飯にしよう。今日は特別な客って事でな。少し豪勢なヤツを頼んでおいた」
「あら、どんなお料理?」
「そいつは見てのお楽しみです。男だけ先に上がるぞ。ザビーネ様はその後にどうぞ」
濡れたタオルが体に密着して恥ずか死ぬ事への配慮か…
この男、中々気配りも出来ておるではないか…
ゴリオスの事をギャングのお頭か何かだとしか思っていなかったウルブリヒトだが、この辺りで段々考えが変わり始めた
ウン…
意外と良い大将かも知れない…
息子達まとめて後で裏切ろうかとも思ったけど、それは止めておこう…
考えてみたら周囲にほぼ敵がいない今の形で全然悪くないではないか…
みんなしてお風呂から上がると、テーブルには豪勢な懐石料理が並んでいた ―――
刺身の舟盛り ―――
マグロ、ブリ、サワラ、イカ、赤貝などが並んでおり、でっかい舟がドカッと目の前に置かれている
見た目にも美しく、職人の丁寧な仕事ぶりが窺える
伊勢海老のエビミソソース仕立て ―――
まず巨大な伊勢海老の頭をもいで中からミソを取り、頭を茹でて出汁を取ったスープにそれを合わせ、ホワイトソースと合わせて濃厚なエビミソペーストを仕上げる
次に縦半分に尻尾を割り、いったん身を出して筋が立たないように筋切りを入れる
これを殻に戻してエビミソペーストを盛り、オーブンで焼いて完成である
アワビの酒蒸し ―――
市場で手に入る一番デカいやつを買い付け、じっくりと蒸し上げた一品である
まず横にカットされた後に縦に包丁が入っており、味が入っていると同時にどこまでも柔らかい
国王達が席に着くと、まずは茶碗蒸しが運ばれて来た
次に蛤と鱧のすまし汁
「では、連合国の繁栄を祈って。乾杯!」
「「乾杯!」」
みんなでお猪口を上げて乾杯すると、国王達は料理に手を着け始めた ―――
「ゴリオス様、これは何ていうお料理ですの?」
「ああ、それは茶碗蒸しです。溶いた卵に出汁と具材を入れて蒸した料理でして、地上で作られているものです」
「へぇ…初めて口にしたわ…美味しい。ゴリオス様、ありがとう」
「いえいえ、お礼など…お口に合いましたようで何よりです」
なんかコイツ、ザビーネ女王に対してだけ態度が違うな…
そんな気がしなくもなかった国王達であるが、自分達はザビーネに対してどうかというと、やっぱり同じ態度である
席を囲んで団欒しながら、国王達はゴリオスとはどういう男なのか、自分達のポジションはどう在るべきかを理解していった
それから順次、ゲートを潜って各々の城へと帰って行った国王達 ―――
これからは連合国内で協力しつつ、開発のターンである
まずはあんまり豊かとは言えないカルナックとナイジャンの経済をまともにしなければならない
王達はその後も会合を続け、どうやったらこの国豊かになるんでしょうね、とか、ウチの国なにしたら良いんでしょうかね、とか話し合っていた
そして、どうやらこの辺が問題らしい、という点が各々発覚した
カルナックの問題点 ―――
利権の握り合いがド強く、商業が発展しない ―――
新しく商売を始めようとした者は、似た業種のギルドから悪質な潰しをかけられて商売出来ないようになってしまうのである
ウチのギルドを通さない奴なんかに商売はさせない、
それが彼等の主張であり、ハッキリ言ってクズである
ナイジャンの問題点 ―――
そもそもの人口が少ない ―――
まともに食っていけるのは漁師と公務に就けた者くらいであり、基本的にこの国からは人口が流出していく
まずはこの構図をなんとかしなければ、ナイジャンが豊かになることはない
要するに仕事と暮らしていく為の物資が無い
「「さて、どうしたものか…」」
各々、国に帰って同時に頭を抱え出したウルブリヒトとフェルナンド
こういう時、カザロフやアルバンであればノータイムで代打アキラを起用するのだが、彼等にはまだその発想はない
差し当たってウルブリヒトは人材募集を続け、フェルナンドは新しい産業になりそうなものを探し始めた
「さて、今日はもうダリも休め。お前このところずっと働きっぱなしだったろう」
「いえ、新憲法をABFと国民に説明する為の資料を作らないと」
「だから休め。少しは息抜きして来い。お前に過労死されるなんて俺はゴメンだぞ」
「はぁ…」
息抜きか…何したらいいんだろうな…
そういえばテレジアの事ほったらかしだった…
顔くらいは見に行くか…
そんなこんなで、ダリはとりあえず寝て起きたら地上に行ってみる事にした ―――
後日譚・ワオンとコリーヌ ―――
移籍して来たカーギリアン・ボーダーウルフ達もここでの暮らしに慣れ、魔犬関係もちょっと微妙になってきました
元は群れのボスだったガリンですが、ここではワオンの方が立場は上です
コリーヌは元々ガリンの手下なので敬語で話しますが、ガリンはボスの嫁という事でコレちょっとまずいんじゃないかなー、と思いながら微妙な態度で接しています
ンー…
群れのボスの嫁か…
ていうかコイツ、何考えてるんだろう?…
またワオンを鼻先でこそっと触ってみましたが、フン!と鼻を鳴らして外で寝てしまいました
いかん…嫌われている…
そこからコリーヌのワオン君いただきます計画が始まりました




