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侵略!アルバン独裁王国!その17

お疲れ様でございます


なんか本編を書いていると、閑話休題と後日譚が頭の中にチラつき始めます


ウン…


ちょっと待ってて?…


追い着かないのよ…


今も頭の中では、いろんな登場人物がいろんな事をしてて楽しそうです


さておき、本日のキララ、どうぞ

「予定通り、先に周辺国を制圧して回りましょう。まだ内情が安定していないカルナックは容易く陥落()とせるでしょう。それからナイジャンへと向かい、そちらも制圧。エスタミルには使者を送り、黙って見ているならそれで良し、断るようであればその後エスタミルに向かい、制圧。最後にアルバン要塞です」



軍師オルゲンの提案に、軍師バルダザールは難色を示した ―――


「私は、ゴリオスは既にこの戦いを深く読んでいると見ています。数では有利な我等ですが、現に早速不利な形になっています。本来であればファシリオンにアルバン周辺国の軍を集中させ、そこで叩く筈でした。安直な作戦には既に対策が用意されているでしょう。諸君はどう考えますか?」



将軍マンフレートは、黙って地図を見ながら悩み続けている ―――


経験豊富な最年長の将であり、彼もまたこのいくさが容易ならざるものになると予感している



「軍を分けましょう。数が多くなれば、動向の把握と動きの予測が困難になります。例えば2万ずつ5つの軍に分けて各々(おのおの)バラバラに行動し始めれば、同時に各軍に対応しなければならなくなります。ゴリオスが用意しておいた策は全部無駄になるでしょう」


将軍ロルフは新進気鋭の若手、どちらかというと軍師寄りのタイプである



「フム…ですが、分ければ連携を取るのが難しくなります。そこはどうなさるおつもりで?」


「こうです」



ロルフは地図の上に次々と小さな石を置いていった ―――



「情報の中継ポイントです。こうしてネットワークを作り、斥候や伝令はここで情報を中継します。離れていても、これで情報を共有したり、同時に行動したり出来るという訳です」


「「ほう…」」


「…だが試した事が無い。本当に上手く行くのでしょうか?」


将軍ザブロックは慎重であり、守らせると強い


「では試してみましょう。今は相手が引き篭もっているのです。邪魔が入る事は無いでしょう」


将軍カシアスはちょっとチャラいが、戦場での嗅覚と直感に優れており、どんな無茶をしても生き残っている



「…よし、少し軍を引く。マンフレート、ザブロック、カシアス、ロルフ、各々2万をひきいよ。オルゲンとバルダザールは私に着け。それからエスタミルへと使者を出せ。この戦には手を出すな、とな。返事を待つ間はその訓練にてる」



「「ハッ!!」」



大将エドガルドの号令を受け、アストリア軍は行動を始めた ―――



「ゴリオス様ぁあああああああーーー!!死ぬかと思ったァアアアアアアアアア!!」


こちらはアルバン城塞 ―――


現在、ファシリオン国王ジオニールがゴリオスに泣きついて感謝を述べているところである



「ええい、分かったから離せ。これから軍議だ。お前も出ろ」


「軍議?何を話すのですか?」


「どうやってアストリアに勝つかだよ!他に何があるんだ!」


軽く溜め息をついて歩き出したゴリオスの背中からは、コイツもうメンドクセー感が溢れていた ―――



会議場には、エスタミルのザビーネ女王、カルナックの臨時代表ガストン、同じくナイジャンの臨時代表ポルシウス、顔を薄布で覆った謎の黒幕、人間に化けた佐藤さん、ポチ、アシュフォード、アキラが列席していた


「諸君、待たせてすまない。では始めよう。まず…」


席に着くなり、ゴリオスは現状の報告を始めた


カルナックを陥落としたゴリオスはハーピーの群れを従えており、エルリス達が刻一刻とアストリア軍の動向を観察しては報告している


ゲートが使える事もあって、アルバンの情報伝達速度は速い ―――



「…私の首をアストリアに送りますか?」


自分が見捨てられた事を知ったアシュフォードだが、そうなるだろうとは思っていた


「いや、次のアストリア王はお前だ。我々がこの戦に勝てばな。死なせる訳にはいかん」


家族からの裏切りとゴリオスのその言葉で、アシュフォードは現アストリアを崩壊させる事を決意した ―――



「…さて、どうしたもんじゃろうのう…真っ直ぐ来ないという事は、差し当たっての目標はアルバンではなかろう。先に他を攻めるように思えるが…」


黒幕さんの声で、考え始める議会 ―――


「恐らく、手近なカルナックへと向かうのではないでしょうか。アルバン要塞を攻めるのであれば、カルナックやエスタミルから援軍が出てくる事を嫌う筈です。後顧の憂いを絶ってから城攻めに入る気でしょう」


カルナックのガストンの考えで、大体当たっている


「なら、エスタミルはアストリアに着くとウソをつきましょう。アストリアの援軍として同行し、後ろから襲います」


ザビーネ女王の笑顔は柔らかいが、言ってる事とやる事がわりとエグい ―――


「我々からはカルナックへと援軍を送ります。どうせカルナックがやられたら次は我々です。全軍を送ります」


ナイジャンのポルシウスは、そこに国の命運の全てを賭けた



「よし、じゃあ皆、そのつもりでいてくれ。明朝アルバン・ファシリオン連合軍は打って出る。アストリアはいずれ、バカな真似をしたと思い知る事になるだろう」



この場では言わなかったが、アルバン連合軍にはカザロフ第一兵団、第二兵団が援軍に着いている ―――



彼等の初陣が、今始まる ―――

後日譚・早風とゾル ―――


絶対逃げ切ってやる…


絶対逃がさんぞ…


二人の執念は、まるで巻き上がる炎のようです


追いかけ、追いかけられているうちに、少しずつ相手の事を知っていった二人 ―――


ギリギリのせめぎ合いを続けている二人でしたが、その実は親友になってしまっていたのです


アイツ、今日は来ないのかな…


ゾルに追われて逃げおおせるのが生き甲斐になっている早風 ―――


アイツ、今日はどこにもいなかったな…


早風が見つからなくて、寂しそうなゾル ―――


二人の追いかけっこは、どこまでも続きます

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