侵略!アルバン独裁王国!その16
お疲れ様でございます
皆さん、カップ麺ってお好きでしょうか?
私が好きなのはどん兵衛のうどんなんですが、ただお湯を注いで待っているだけだと、くっついたままの麺があったりします
お湯を入れてちょっと待ったら、1回ほぐしてまた待ちます
ウン…
生麵の食感とはまた別ですが、これはこれで好きなんです
さておき、本日のキララ、どうぞ
「…なに?アシュフォードが捕まっただと?…」
こちらはアストリア王国、玉座の間 ―――
現在第三王子が捕まっちゃいました報告がされているところである
「はい。アルバン国王ゴリオスが、確認の為に使者をよこせと言って参りました。如何致しましょう?」
むう…
捕まってしまうとは何事だ、アシュフォードよ…
自信満々だったクセに、とんだ役立たずではないか…
「…テルビオ、おぬしが行って参れ…アシュフォードの身柄と、向こうが出す条件を確認して来るがよい…」
「ハッ!」
こうしてアストリアからは、使者のテルビオがアルバンへと向かった ―――
こちらはアルバン王国 ―――
現在、城塞の外には他国の使節を迎える為の小洒落た邸宅がポツンと一軒建っている
アキラやヤヌス、ジョバンナ達が一晩でやってくれた
「どうもお初にお目にかかります、アルバン国王ゴリオス殿。アストリアが外交部主任、テルビオと申します」
「ゴリオスだ。まずはアシュフォード殿とお引き合わせしよう」
ゴリオスが兵士に指をチョイチョイして合図を出すと、兵士二人に挟まれてアシュフォードが連行されて来た
これは紛う事なきアシュフォード様…
やはり捕まっていたのか…
「…こういった次第だ、テルビオ…」
「アシュフォード様、おいたわしや…それで、王子の解放の条件とは如何に?」
ちょっと目つきが鋭くなって、殺気も帯び始めたテルビオ ―――
王子を返さんとブッ殺すぞ、と、態度で言っている
その目を余裕で受け止め、手を払って王子を退がらせるゴリオス ―――
「解放はしない。もちろん丁重に扱うがな。アストリアがファシリオンやカルナックを攻めた場合、王子の首をアストリアに送りつけてやる。そういう事だ…」
クッ!!…
「…承知致しました…では、そのようにお伝えして参ります…本日はお時間をどうも…」
本国に帰ったテルビオは、まず国王ウルブリヒトにその報告をした ―――
「…話は分かった…おぬしは下がってよい…」
「ハッ!」
アシュフォード救出作戦の提案だとか、ゴリオス暗殺の提案だとか、言いたい事があったテルビオだが下がれと言われたら下がるしかない
国王に物申して良いのは、基本的には王子達のみである
彼が踵を返して退出すると、玉座の後ろのカーテンから二人の王子が出て来た ―――
「…聞いておったな、二人とも…アシュフォードはどうする?…」
「はい。見捨てましょう。アシュフォードの命に捉われれば、国家の舵取りを間違えます。もういないものとして今後を考えるべきかと」
フェルナンドの答えは、非情だった ―――
そもそも王族とは、家族間の繋がりも薄ければ下手をすると殺し合う間柄である
彼の判断は、王族的には妥当とも言える
「…エドガルドは?…」
「はい。すぐに攻めましょう。人質を取って安心しきっている筈です。ここは逆に、攻めるチャンスです」
「…フム…」
いろいろ考えた結果、国王ウルブリヒトは開戦をチョイスした ―――
アシュフォードの奪還、卑劣なアルバン許すまじ
これが大義名分であり、兵達の士気は大いに上がった
「目指すはアルバン!まずはファシリオンからだ!行くぞ!!」
「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」」
大将エドガルドの鬨の声に、怒号を上げて応える兵士達 ―――
アストリア軍10万余は、5人の将軍、2人の軍師に率いられて進軍を始めた ―――
アルバンがゴリオス城塞に引き篭もるのであれば先に周辺国を制圧し、物資の流通も止めていずれ降伏まで持ち込む、といった算段である
「…なん…だと…?」
こちらはファシリオン、ジオニール城 ―――
アストリアから大軍がこちらに向かっている、という報告を耳にしたジオニールは顔面蒼白となった
勝てる訳がない…
今から入れる保険って、あるんでしょうか?…
緊張と絶望で思考停止したジオニールの所に、ゲートを潜ってお客さんが現れた ―――
「まったくお父様?なんて顔をなさっているの?」
「ハッ…カルーシア!何故ここに?」
「ゴリオス様達をお連れしました。お話があるそうです」
続いて入って来るゴリオス、ダリ、アキラ、ポチ ―――
「急に邪魔してすまんな。急な話だったもんでな。お前らすぐにアルバンへと逃げろ。俺の城塞で保護する。連中とは城塞でケリを着ける」
「ハッ…はい、直ちに!直ちに手配します!」
それから急いで荷物をまとめて家族を連れ、ファシリオン国民達はアルバンへと避難を始めた ―――
幸い、薪を確保する為に林を作るのに外壁を一周余計に建てていたので、ファシリオンの民はそこに収まった
今はそこでテントを設営したり、炊き出しの列に並んだりしている
ちなみにアムストラウス病院も、ここに出張して忙しくしている
おかしい…
もぬけの殻じゃないか…
ファシリオンへと進軍するアストリア軍の大将、エドガルド ―――
全然敵兵に出会わないので伏兵とか警戒していたところ、斥候からの報告が入った
「全部アルバンに逃げただと…?」
「はい。どうやらその模様です。敵は我々を、ゴリオス城塞で迎え撃つつもりのようです」
そう来たか…
ファシリオンは一兵も失わず、我等の兵站線は伸びている…
これをエスタミルやカルナックに叩かれれば厄介な事になるだろう…
ゴリオスめ、ここまでは計算済みか…
相手は高々3万だが、城塞があるうえに左右からの援軍が来る可能性が高い
大将エドガルドは、将軍や軍師達と共に、夜の天幕で勝ち筋を探り始めた ―――
後日譚・早風とゾル ―――
「…お前が早風だな?…」
写真をよくよく見て顔を覚えているゾルの声には、確信めいたものがあります
「…いや、拙者、高倉と申す者…人違いでござる…」
とりあえず早風はウソをついた ―――
追跡の果てに、とうとう早風を追い詰めたゾル ―――
全く早風の言葉を信用していないゾルがじわりとにじり寄ると、早風はバッとトラックに飛び移りました
「アッ!!」
それから24時間くらい追いかけっこが続きましたが、早風は逃げ切りました
誰だあのヤロー…
相当しつこいな…
廃墟ビルの換気ダクトの中に入って眠った早風が見た夢の中で、自分を追う目とゾルの顔が一致しました
二人はいつも、互いの事を想っています
悪い意味で




