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閑話休題!アルバン国立学校!その5

お疲れ様でございます


なんか台風6号とか来てるらしいですね


土砂降りになっても仕事に行かないといけない方もいるかと存じます


でも水没したアンダーパスを無理矢理通ろうとするのは控えて下さい


普通に車が動かなくなり、溺死する可能性が生じます


何度か切り返してUターンし、他の道を行きましょう


さておき、本日のキララ、どうぞ

先頭ジェダ、二番手ピリム、並んでカルーシア、そして猛追するエネッタ ―――



レースは佳境に入った


次のやたら傾斜がついた急カーブを曲がり、その後の直線を抜ければゴールである



ここだ!! ―――



傾斜バンクの最外周まで駆け上がり、そこから一気に加速してジェダを抜き去るという勝利へのコースが見えたピリム


駆け上がってゴールの方を見据え、ここから加速、という体勢に入った



「…甘かったわね…黙って見ているとでも思ったの?…」



ピリムの進路を塞ぎ、ブレーキをかけるカルーシア ―――



ウッ!!…



加速を封じられたピリムは転倒を避ける為、止む無く自身もブレーキをかけて進路を変更した


その間にグングン加速するカルーシア


坂を下りつつ加速する事が出来なかったピリムは、この時点で優勝を逃がした



この距離ならいける…


ペダルを漕ぐたびに車体を左右に傾け、先頭のジェダを猛追するカルーシア ―――



そしてこのまま差し切るか、と思われたその時、一陣の風が吹いた ―――



エネッタである


傾斜バンクの最外周から一気に加速し、新幹線くらいの勢いで追って来ていた


「なっ!?…」


驚愕きょうがくのカルーシアに体当たりをかまし、隣のジェダも引っかける


二人がゴロゴロと転倒するのを尻目に、エネッタはトップでゴールした ―――



「ハイ、優勝、エネッタ!!」



アキラからの勝ち名乗りを受けて手を掲げられ、ほっこりと微笑むエネッタ ―――



納得いかないのでもう1レースしたかった子もいたが、残念ながら次の予定が入っている


「お~い、はっちゃーん!釣りに行くぞー?」



ム…?


おや、もうそんな時間か…



まだ内装のデザインのラフ画を描いている途中だった益光だが、立ち上がって氷雨さんの所へ行った


「…氷雨よ、ちょっとアキラとアジを釣りに行って参る…今晩は唐揚げとなめろうだ…ああ、そうだ…」


「?」


外に出てアキラや子供達の前に来た益光 ―――


「…アキラよ、釣りに行く間、遥をどこかに預けられまいか?…ここのところ氷雨が全く外に出ておらぬのだ…たまには気散きさんじさせたいと思うのだが…」


「アー、だったらキララの実家だな。ウチのカオルもいる。一人も二人も大して違わないだろう」



そんなこんなで、とりあえず連絡を入れた後ゲートを潜って中条寺家に着いたアキラ一行 ―――



「やあアキラ君…そちらの方は?」


インターホンを押して出て来た定宗は、相変わらずいかつい爺さんだった ―――


「…六角 益光と申します…作品には白雲 幽月斎という銘を入れております…」


「オオ!!君があの!?ささ、上がって下され!」



カッコーン…



庭で鹿威ししおどしが鳴る居間に通され、まずはお茶などすするアキラ達 ―――



「…なるほど、承りました。でははるかちゃんは当家にてお預かり致しましょう」


「…かたじけのうござる、定宗殿…では、遥をお頼み申す…」



なんかコイツおかしいよです、と感じた定宗がこっそりアキラを捕まえて聞いたところ、甲賀の里の忍者で元首領、との事であった



まじか…


忍者って、まだいたのか…



アキラ達が帰ったのちカオルの隣にはるかを寝かせる定宗 ―――



薫と遥が手を合わせたその瞬間、後に四界の全てを揺るがす特異点シンギュラリティが発生した ―――



運命の二人が、出会ってしまったのである ―――



そんな事とはつゆ知らず、アキラ達はアジを釣りに行った


「よし、こんなもんだろう。仕掛けを投げたら、ゆっくり落としてクイッって何度か引き上げるんだ」


言われたようにアミを詰めたサビキを投げて、何度か竿をシャクッてみる子供達 ―――



1stヒット、ソフィ ―――



ビチビチという手応えにリールを巻き上げながら竿を上げ、岸壁に魚を下ろす


「釣れたーーー!!」


「よーし、上手いぞソフィ。コイツは唐揚げサイズだな」


アジを針から外してクーラーボックスに入れるアキラ


カゴにアミを詰め直すと、再びソフィは仕掛けを投げた



「わっ!」


「おっ?来たか?」


それから次々とみんな釣れ始め、忙しくなったアキラと益光


釣れた小さいアジの一匹の背と鼻に針を掛けた益光は、氷雨にその竿を持たせた


「…氷雨よ、小魚が一斉に入って来る時は大きい魚が着いて来ている場合がある…これでそいつを狙ってくれまいか?…」


「…はい…」



気配から察するに、大体この辺だろう ―――


氷雨さんはわりと正確なポイントに仕掛けを投げ入れた


果たして十数秒後 ―――



グググググ…



「!?」


「ウオッ!?来たか!氷雨、一気に引くな!竿を上げたら、下ろしながらリールを巻くのだ!でかいぞ!」


「…」


大物と格闘すること数分、果たして釣り上げられたのは、見事に脂の乗った60㎝のスズキであった ―――



釣魚ちょうぎょを抱え、ほっこりと微笑む氷雨、Vサインの益光、釣ったアジを持ったソフィを構図に入れ、一枚パシャるアキラ


釣れたスズキはデカ過ぎてクーラーボックスに入り切れなかった為、アキラがゲートで一旦持って帰って血とワタを抜き、ゾディアックのアイスドラゴン村の近くで氷蔵してきた


その間にも続々と子供達のヒットが続いており、益光は忙しく動き回っていた


氷雨さんは2匹目の大物と格闘中である



夕まずめが終わり、引き上げることにした一行 ―――



本日の釣果、スズキ2匹、タチウオ1匹、アジ多数、小サバ数匹、イワシ数匹 ―――



「じゃあ今日はスズキの洗いにしようか。洗いは新鮮なうちじゃないと味が落ちるんだ」


台所に立ち、魚を捌き始めるアキラ ―――


手慣れたものであり、出刃で捌いた後、愛刀の柳葉包丁で見事な薄造りにして氷水で締め、梅干しの叩きと白出汁、リンゴ酢、細かく刻んだ大葉を和えたものを添えて一品完成


次はアジの唐揚げ ―――


エラとワタを抜き、中骨の上に包丁で一本線を入れる


こうしてやると、中骨に油が当たって火が通るのである



「「いただきまーす!!」」



本日の夕飯は、スズキの洗い梅酢仕立て、アジの唐揚げ、なめろう、ご飯と魚のアラ汁である


まずはスズキの洗いを口に運ぶ氷雨さん


「…!」


「…どうだ氷雨よ…お主が釣ったのだ…見事であったぞ…」


モグモグと咀嚼そしゃくした後、お箸で洗いをつまんで益光の口元へと向ける氷雨 ―――


「ウッ!…人前である…止さぬか氷雨…」


黙ったまま、僅かに首を左右に振る氷雨に観念した益光 ―――


「…アーン…」


氷雨にアーンさせられたスズキの洗いは、正直旨かった ―――



お腹いっぱい食べ、それからお風呂に入った子供達は湯上りしばらく後に次々とお布団に突っ伏していった ―――

後日譚・早風とゾル ―――


「…もぬけの殻か…」


つい先日まで早風がいた住処に辿り着き、毛布を手に取って捨てるゾル


どうやら早風は、まだ遠くへは行っていない模様です


「…」


数十分後、よくよく気配を確認した後に先日までのねぐらへと戻った早風


どうやら誰かがここに来た、という事を察し、再び船に乗りました


今度の行先は、チリです

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