閑話休題!アルバン国立学校!その2
お疲れ様でございます
もう5月も終わりですか
確か先月が11月だったような気がするのですが
私、浦島太郎とかいうヤツがどういった男だったのか分かる気がします
ほぼ確で物書きです
さておき、本日のキララ、どうぞ
「ええ、噂程度には…まさか、地上に行ける伝手がございますの?」
「うん。さっきのアキラさん。私達も何回か行った事あるんだよ?今日学校が終わったら地上のお洋服買いに行こ。冥界の恰好だと目立つから。明日の学校が終わったら2日お休みだから地上で遊ぼう?」
なるほど、地上 ―――
アルバンで人質となった身とはいえ、お目付け役のお稽古の先生が毎日のように入れ替わり立ち替わりで部屋に来る
お稽古の時間になるとカルーシアは死んだ魚の目になり、はやく時間が経てばいいのに、とだけ念じながら過ごす
自由になったかと思いきや、そんな事は無かったカルーシアは一も二も無くエネッタの提案に乗った
「すみませーん!アキラさんいませんかー!?」
「おうエネッタちゃん!アキラさんならあっちで壁に断熱材を張ってるよ」
「ありがとうございまーす!」
エネッタ達が行ってみると、そこには見事な業前で1ミリの隙間も無く壁の断熱処理を進めているアキラの姿があった ―――
「ン?どうしたエネッタ」
かくかくしかじかで、地上に行く為にこちらのカルーシアのお洋服を買いに行きたいと説明するエネッタ
「ああ、そういう事?ンー…車と帰りのゲートも要るよな。今日はもう上がるか。おいみんなー!今日はちょっと用があるから先に上がるぞー!」
「「ウィーッス」」
そうしてゲートを潜り、アキラん家に着いた一行 ―――
「キャーーーーーッ!!かわいいッ!!」
例によって例の如く、ザムダからソファーに押し倒されるカルーシア ―――
何事!?と一瞬動揺したカルーシアだったが、ザムダが向けて来る好意には父のようなネチョらしさが無く、むしろこっちも甘えたいという気持ちになってしまったので不問に処した
「ン。OK了解。アキラ、車出して」
そうして着いた先は、例のつまむら ―――
現在ザムダはカルーシアの夏服を見立てており、エネッタはカンナの服を、ピリムは自分の服を見立てている
ジェダは益光ん家に帰れば普通に地上の服があるので、今回は同道していない
「よし、もうコレしかない。どうだアキラ、このエレガーント可愛い感は?」
今回のザムダチョイスは、白のワンピース ―――
スカート部分はスケスケのタイトなロングと、スケてない白のミニスカの二部構成 ―――
肩の部分は膨らんでおり、腕の先に行くに従って編み込まれたレースになっていく、といった仕様である
「ウン。どう見ても王女様だな。それも買うとして、汚れても良い恰好でもう一丁頼む」
「あいよー!」
ザムダのセカンドチョイスは、普通にジャージ ―――
ちょっとダブダブの半袖と短パンであり、部屋着として使ってもイイ感じである
「どれ、アタシはちょっと他の子も見て来るよ」
「じゃあ俺はカルーシアの靴でも見立てて来るか」
そうして数十分後、買い物を終えたアキラ一行は例によってピザを買って帰り、皆で食べてから冥界へと帰った ―――
エネッタ、ピリム、カンナの三名は別にどうという事も無かったが、カルーシアだけは少々話が違っていた
カルーシアの所に来ていたお稽古の先生が、部屋の中をツカツカと歩き回りながら待っていたのである
アキラがガチャッとドアを開けてカルーシアを中に入れると、途端に声を上げ始める先生 ―――
「ンマーーーーー!!お嬢様!!こんな時間まで一体どこで何を!!?今日はダンスのレッスンだと申し上げていた筈です!!この遅れは一体どうやって取り戻すおつもりですか!!?」
かしましい先生の甲高い声を聞きながら、だんだん目が死んだ魚に変わって行くカルーシア ―――
その様を目にしたアキラは衛兵を見つけてチョイチョイと手招きし、ゴリオスを呼ばせた
「なんだアキラ?」
顔を斜めらせながら、ガミガミとお説教をしている先生の方を指差すアキラ
OK了解、という意味で頷くと、部屋に入ったゴリオス
「おい」
「お黙りなさい!口出し無用!」
「…おい。俺が国王ゴリオスだ。今、なんて言った?」
ハッ!!…
そこで初めて、自分が誰にどういう無礼を働いたかに気付いた先生 ―――
「…いえ、違うんです。これも全ては、カルーシア様がこのアルバン王国でご無礼のないよう、立派なレディに」
「黙れ」
「はい」
「アキラ、どう思う?」
「俺はこの子が可哀想だと思った。もう少し自由に過ごさせてやりたい。子供の頃の経験ってのは、大人になってからじゃ取り戻せないんだ。俺は死んだ魚みたいな目をした子供なんて、見たくない」
「アキラよ、お前ってヤツはつくづくアルバン義賊団だな…よし分かった。おいお前、帰ったらジオニールに伝えろ。カルーシアは伸び伸びと育てさせる。本人がやりたい事をやらせる。気に入らないなら娘は返すが、代わりにファシリオンとは戦争だ、とな。一言一句違えるな。分かったら行け」
「はい。お伝えして参ります」
それから脱兎の如く逃げ帰った先生はその事をジオニールに伝え、二度とアルバンには行くな、とのお達しを受けた ―――
今夜の出来事は、夢だったんだろうか?…
どうしても自分では打ち壊す事が出来ず、いつしか越える事を諦めてしまっていた壁 ―――
あの二人は、いとも容易くそれを打ち壊してしまった
夢じゃありませんように…
そう願いながら、お布団の中でいつしかカルーシアは眠りに落ちていった ―――
後日譚・益光ん家 ―――
ジェダ ―――
益光やゾル、ダリ達の推薦を受け、アルバン学校へと入学
カンナ、マティス ―――
現在アルバン在住
ガルル、ペロリ ―――
カザロフにて軍用犬としての訓練中
一時は賑やかだった益光ん家ですが、今では益光、氷雨、ソフィ、遥、ゾルの5人です
ゾルは日本語をほぼほぼマスターし、甲賀の里の新首領、吹雪とも番号交換をしました
ゾルが請けた最初の任務は、里抜けをした早風の追跡です




