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侵略!アルバン独裁王国!その11

お疲れ様でございます


さっきまで入院してましたが、状態が回復しました


おかげ様で今は元気です


さておき、本日のキララ、どうぞ

まずベルタをさらう ―――


次にローザを脅迫し、毒の小瓶を持たせる ―――


残りはたった2ステップだったのだが、エルリスの忍耐はそこからが長かった



何しろ城塞の中にいると手が出せないのだ


二人だけで城塞の外に出たところで拉致と脅迫を同時に行う、というのが最も理想的だが、そもそもどっちも城の外に出て来ない



クッ…一体いつになったら出てくるんだ…


お前達、穴ん中で一生暮らすネズミにでも育てられたのか?…



そうしてエルリスが辛抱強く待つこと十数日間、ついにそのチャンスは訪れた ―――


その日はお休みのローザが、ベルタを連れて城下町へお買い物に出たのである



やった!…いただきまアアーーーッス!! ―――


急降下してガバッとベルタを捕まえ、数mほど上昇する



「あっ!!ベルタ!!」


ローザは咄嗟とっさに抜いたナイフを投げつけたが、エルリスの投げた羽根に弾き返された


「フッフッフッ…女、よく聞くがいい…コイツを無事に返して欲しくばイテッ!おいやめろ、石を投げるな!」


「ベルタを返せーーー!!」


「今度投げたら落とす…」


「ウグッ!…アンタみたいなのはやる事がいつも同じね…妹を返して欲しければ、って…何をしろって言うの!?」


「国王のゴリオスと宰相のダリを殺せ…この毒を茶に入れてな…」



くちばしで首から下げていた紐を器用に嚙み千切り、ローザの方へ投げるエルリス ―――


「当然分かっているだろうが、誰にも言うんじゃないぞ?」


黙ったままエルリスを睨み上げ、コクコクと2回頷くローザ ―――


それから連絡事項を済ませたエルリスは、バサッとどこかへ飛んで行った



城内に戻ったローザはゴリオスとダリを地下の密室に集め、速攻で全部バラした ―――



「よく話してくれたな、ローザよ。妹の命を危ぶめるような真似をさせてすまん」


「いえ、こうした方がベルタも私も助かるはずです。どうかお力添えを願えませんでしょうか、ゴリオス様、ダリ様…」


「勿論だ。ローザよ。良し、久々の犯罪捜査としゃれ込もうじゃないか。ダリはローザを連れてアキラの所に行ってくれ。2チームに分かれてスピード逮捕勝負といこう。エッケルトを呼べ!ABF出動だ!」


「はい!アキラさんいたかな…?」


アキラは水車の力で水をみ上げて稼働する、水洗トイレを実装中だった ―――



「なんだって?ベルタが?」


「はい!ゴリオス様とダリ様を殺さないと、ベルタを殺すって…」


「そんなんどっちもダメだろ。どれ、ベルタは…あっちか」



そんなこんなを話していると、憲兵隊が隊列を作ってガッシャガッシャと走って来た ―――



「どうもアキラさん、お疲れ様です。今ダタール城の方を指差しておられたようですが?」


「あっちにベルタがいるんだ」


「最近報告にあった、ハーピーが何度か飛び去った方向とも一致します」


「ゴリオス王とダリ様を毒殺するよう言っていたらしいですね…何か衆目の前で、その言質が取れる方法でもあれば…」



その言葉に閃いた刹那せつな、ゴリオスのダタール君さようなら計画、動く ―――



「なあダリ、南のナイジャンでは音を録音できる海晶石が獲れるんだよな?…それは手に入るか?」


「はい、勿論。エスタミルや他の国行きに在庫がある筈ですからすぐです」


「良し。ローザ、そのハーピーに仕事の成功を連絡する方法はあるか?」


「はい、アルバン城下町にある二羽の水鳥亭、という酒場で、20時の鐘と同時にこのハーピーの羽根をテーブルに置けば、連絡役が姿を現す手筈です」


「アキラ、ダリの代わりのシャドウストーカー隊を一人呼んでくれ。飛べるヤツもな。ダリは俺とここで明日後には国葬だ」



「「ええ…!!」」



「オイオイ、本当に死ぬ訳じゃないぞ?棺の中で死んだふりをするだけだ。ああそうだアキラ、何か先が尖った針になっていて、毒を注入するのに使えそうなものを1000個ばかり仕入れて来てくれ」


「注射器だな?OK了解」



「良し、では総員、行動開始!!」 ―――



こちらは二羽の水鳥亭 ―――


20時の鐘と同時に、エージェントローザがスッとハーピーの羽根をテーブルに差し出す


辺りを見回すと一人の男が立ち上がってこっちに来たが、こちらや周囲の気配を読み続けている男があと二人いる


「…仕事は終わったのか?…」


「あのハーピーを使って城の中を見てみなさい?今はお通夜よ…」


「…妹を返すのは二人の葬儀が終わってからだ。その後また来い…」



第一矢、ローザ、任務完了ミッションコンプリート ―――



こちらは夜のダタール城内 ―――


今や遅し、と報告を待っていたダタール、ブランドル、モルバの下へとエルリスが羽ばたいて到着する


「首尾はどうだ!?」


眼をいて集まって来る三人に、まずはサムズアップして見せるエルリス


「ご安心を。国王ゴリオス、宰相ダリを毒殺するに至りました。明日後には国葬が開かれるそうです」



やったぜ…! ―――



ほっこりと微笑みながら、各々の肩を叩き合う三人 ―――


「いやあ、流石のダタール様でした。まさかこのような手でアルバンを沈めてみせるとは…」


「いやいやブランドル、お主の献策けんさくがあってこそ成ったのじゃ…」


「さて、後はあの川に毒を流して要塞を落とせばアルバンは我々のものですな…」



第二矢、影の中から海晶石でこの会話を録音していたザムダ、任務完了ミッションコンプリート ―――



そして後日、アルバンで行われた国王ゴリオスと宰相ダリの国葬 ―――



これには数多くの賓客が集まり、中でも王妃エリカや王子マティス、エスタミルのユステール伯爵家の悲しみようは、見ていて痛いほどであった


カルナック王、ダタールの順番となり、白い花をポイッと投げ捨てるダタール ―――


するとその花は何故か、ポイッと投げ返された ―――



「その花ばっかりは気に入らんな。そいつはお前にくれてやるとしよう…」



なっ…!!



「やあ、お集まりの諸君。実を言うと私はこの通り生きている。こっちのダリもな。本日わざわざ諸君をお呼び立てしたのは、コイツが私に何をするつもりだったのかを皆に聞いてみて欲しくてな」


ざわ…ざわ…


喧騒が立ち始める前に、一羽のハーピーがグルグル巻きにされてゴリオスとダタールの間に投げ捨てられる


「こ、この男は私に国王ゴリオスと宰相ダリを毒殺することを命じました!私は群れを人質に取られ、止むを得ずそれに従いました!」


な…


「なにをバカな!!ウソ八百も大概にせい、この鳥頭めが!どうせゴリオス殿に従った方が良い暮らしが出来ると思って私を裏切ったのだろう!!今まで面倒を見てきてやったのに!恩知らずめが!!」


「えー、こちらの海晶石は、ダタール城内での会話を録音したものです」



それから始まる、赤裸々なダタール達の告白劇 ―――



毒殺…?…


川に毒を流す…?…



「…あの…違うんです…これはお祭りの余興でこんな劇をやってみたらウケるんじゃないかと、そのリハを」


「アキラ、みんな、こいつらを縛り付けてくれ」


「「OK了解」」



十字架よろしく木の柱に縛り付けられて立てられたダタール達三人の周りの机には、ダタール達が川に流す筈だった毒が詰められた注射器が隙間なく並べられた ―――



「よし皆、用意はいいか?」


「「ハ~イ!!」」



完膚かんぷ無きまでに、三人にブスブスと突き立てられていく注射器 ―――



テーテーレテレッテッテー テッテッテッテッ テレッテッテー テーテーレテレッテッテー テッテッテッテッ テレッテー(ドン!


この曲はアルバン楽隊曲No.4、サバトでGo!という行進曲である



なんか楽しくなっちゃった参加者達のダンスと注射針の中で、ダタール達三人の意識は遠のいていった ―――

後日譚・ワイス ―――


「そうだ…これが欲しかったんだ…」


宝石を研磨する為の機械、髪の毛より細い直線や曲線を、自由自在に描ける機械 ―――


魔石が魔石として機能する為には、魔石の中で反射した光同士が組み合わさり、意味のある立体魔法陣を描いていなければ魔法は発動しません


魔晶石でも同じ事です


ゲートリングがクッソ高いのは素材とその加工の難易度が極めて高いからであり、今ワイスは冥界最高峰の魔道具職人の座を得ました


「アキラぁああああああああああ!!」


痛恨つうこんのワイスダイブをスルリとかわすアキラ


「なあにもう?」


アキラには、事の重大さが分かっていない模様である

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