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侵略!アルバン独裁王国!その4

お疲れ様でございます


出やがった…


カメムシやコオロギまでなら許せるのですが、コイツばっかりは絶対許さんです


蚊 ―――


伝染病の媒介により、多くの人類を殺した虫でもあります


血を貰ったお礼が痒みや病気って、何なんでしょう?


私の中での嫌がらせレベルでは5に当たります


さておき、本日のキララ、どうぞ

「…といった次第で、明後日にはアルバンから1万2千の兵が国境を越えて来るようです。ほとんどは歩兵ですが、騎兵も1000騎ほどいる模様です」


「やっぱりか…皆の者、いくさの用意だ」



こちらはナイジャン、マダロック城 ―――



現在、ローザが国王マダロックにウソ報告をしているところである


「それで、他に何か情報は?」


「はい。どうやら作戦としては、ナイジャン北側3方向の道を塞いで、物流を止めて持久戦に持ち込む模様です。城攻めはしない、との事でした」


「聞こえたか皆の者。兵をまとめて北に打って出るぞ。そっちを全部塞がれては長くはたん」


「「ハッ!」」



ナイジャンの基幹産業は、南側の海で獲れる海産物や海晶石かいしょうせきなどである


これらを中央の南部都市カタロニアなどに運んでは売り、現地で買い付けた食料や日用品などを持って帰って来る事で国民の暮らしは成り立っている


その道が使えなくなったとすると、まず数ヵ月も経たないうちにナイジャンの民は困窮こんきゅうし始める



「あの、国王様。妹に一目だけ会いたいのですが…私はすぐに戻らなければ怪しまれるかも知れません。その前に、少しだけ」


「ならん。状態が悪いらしくてな。今医者に診せているところだ」



ウソである ―――


現在すっかり回復しており、アキラん家で今ザムダがメッチャ可愛がっている ―――


妹のベルタがいなくなった事を知られては困る為、国王マダロックはローザをたばかる事をチョイスした



「はい…では、妹の事をよろしくお願い致します…」



この、ウソツキめ…


そうやって人を騙して利用しているんでしょう…?



その言葉に怒りの炎が目に灯ったローザだったが、そこは伏せておいて何事も無く城を出た



夜の酒場に、フードとマントといった出で立ちで歩み入るローザ ―――


店内を見回すと、タバコをふかしながらダーツ代わりにしたフォークをコップにスポッ、と入れているザムが目に入った


「お待たせしました…」


「ああ、来たか。用は済んだのか?」


「はい、帰りましょう」



ザムがアキラに借りたゲートリングでアルバンへと帰り、まずは報告を始めるローザ ―――



「ご苦労。ナイジャンの北側に兵が集まるんだな?」


「はい。ほとんどの兵はそちらを固めます。2万ほどの兵が三手に分かれて、ナイジャン北側の道で備えている事でしょう」


「よし、アキラとゲオルグを呼んでくれ。軍に招集をかける。明朝にマダロック城を落とすぞ」



それから集まったアルバン兵1万2千は、アキラの手引きにより夜中にマダロック城を囲んだ ―――



城内への潜入チームはシャドウストーカー隊、城内を知るローザ、マスター益光である


「ダリさん、こちらの方は?」


「ウン、疾風さんって言ってね。お世話になってるんだ。凄い人なんだよ?」


「あの、ローザと申します。よろしくお願いします」


「…敵地で名乗るでない…話なら帰ってからだ…」



ハイ…もう話しかけません…


声を聞いた途端、ローザは近寄ってはいけないタイプのヤバい人だという事を理解した ―――



それから疾風が壁の門を吊り上げる鎖を斬り、城門の蝶番を斬っている間にダリ達が国王マダロックの所在を確認して来た


後は城を落として国王を捕まえれば一丁上がりである



「ゴリオス様ー!仕事終わりましたー!」


「おお、ダリご苦労。仕事早いな。まだ夜明けまで3時間ほどあるが」


「国王のマダロックは二階の寝室です。階段を上がってすぐの部屋です」


「よし分かった。もう攻めちまおう。開戦だ」



それからすぐに、アルバン vs ナイジャンの夜間攻城戦が始まった ―――



ナイジャン北側の道には兵を総動員しており、アルバン兵が国境を越えたという報告は無い


だがその実はアキラがゲートで1万2千の兵をマダロック城へ歩いて5分の所に通過させており、この時点で勝敗は決した



「かかれ!!」


「「ワァアアアアアアアアアアアアア!!」」



エージェント益光の仕業により壁門と城門は容易たやすく破壊され、城内になだれ込むアルバン兵達 ―――



「な、何だ!?この声は何だ!!?」


「城を攻められております!マダロック様、お逃げを!」


「兵を、兵を呼び戻せ!城を守らせろ!」



兵は20km以上先にいるうえに今寝てるのに、間に合う訳ないじゃん…


この人もうダメだと判断した大臣は、自分だけでも助かる方法について考え始めた



バァーーーン!!



「観念しろマダロック!既に城は落ちたぞ!」


扉を蹴り開け、兵士の一人が剣を向ける ―――


それからわらわらと入って来るアルバン兵達 ―――



終わったか…



何でこんな事になっているのかさっぱり分からないマダロックだったが、敵兵に囲まれた事で観念し、両手を挙げた ―――



グルグル巻きに縛られて、ゴリオスの前に引っ立てられたマダロック ―――


その人相を見立て、どんなヤツかを探り始めるゴリオス ―――



いやらしいツラをしてやがる…


コイツは十中八九、遠からず裏切るヤツだ…


味方に置いておく訳にはいかない…



「夜が明けたら頭だけ出して埋めろ。投石会を開催する。生き残ったら追放だけで済ませてやろう」


「「ハッ!!」」


「あの、私は?」


一緒に連行されて来た大臣である ―――


「どうして貰いたい?」


「助けて貰いたい!」


「…良いだろう。俺の役に立つんならな」


「ええもちろん。そっちのボケ老人が玉座に座っていられたのも、私が良い仕事をしていたからです。お役に立って見せますとも」



ああ…この裏切者…


みるみるマダロックが目を見張る中、大臣はその顔にペッと唾を吐きかけてニヤッと笑った


「ざまあみろ…さて、では私の方は投石会について布令を出して参ります。ああ、あと北に行った兵達にこの事を報せなければ。早速手配致します」


そう告げると大臣は足早に行動に移った ―――



その後開催された投石会は盛況であり、またもや投げられた大量の石でマダロックの頭は埋まった ―――



その中には、えいっ!と尖った石を全力投石しているローザの姿もあった ―――

後日譚・ザムダとベルタ ―――


「キャーーーッ!!かわいいッ!!」


例によってザムダに抱き締められてグリグリされたベルタは、例によってつまむらに連行されました


お洋服を揃え、帰ってゴハンにするアキラ、ザムダ、ザム、ローザ、ベルタ ―――


その日のお昼は、ナイフで切るとペタッと開くトロトロのオムライスでした


「…美味しい」


笑顔のベルタを見守るみんなの目は、優しいです

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