侵略!アルバン独裁王国!その3
お疲れ様でございます
暑いです…
もう既に、ほぼほぼ夏と言っても良いんじゃないでしょうか
液状化したネコスが階段から流れ落ちる動画や、金魚鉢に入って溶けている動画とか見てると、そんな気がします
さておき、本日のキララ、どうぞ
アキラん家でスヤスヤと寝息を立て、お休み中のベルタ ―――
姉のローザは椅子に座ってその様子を眺めており、苦しげな声を上げる事もないベルタの姿に安心しきった表情を浮かべている
「オーイ、そろそろ晩御飯だよー?一緒に食べよう?」
「あ…」
ザムダの呼び声に返事をしようとしたローザだったが、ベルタを起こしてしまってはいけない、と黙って部屋から出て来た
「妹はどうした?」
「ええ、よく寝ているので…前は見ているのが辛くなるくらい、苦しそうだったんですが…」
「そうか。起きたら何か食わせてやろう。とりあえずメシにしよう」
本日のアキラ飯は、寿司 ―――
炊き立てご飯に赤酢を加えて冷ましたシャリ ―――
七輪の炭火で炙って風味を増した海苔は、軍艦用である
マグロ ―――
ドテッと寝て何にも反応しない女の事ではなく、お魚である
アキラは刺身を捌く為のみに使う刃渡り27㎝の柳刃包丁を持っており、コイツで捌いてやると舌触りや味の立ち方が一段違って来る
ちなみにステンレスではなく、鉄製である
ステンではどう研いでも、切れ味が一段落ちる
「ヘイ、お待ち」
アキラ寿司は、正直旨かった ―――
回らないタイプの高いお寿司屋さんで出てくるもの位あり、海原有山とかいう美食家のオッサンが口にしたら大将を出せとか喚き始めているところである
「美味しい…ベルタにも食べさせてあげたい…」
「ン。だったらまた握ってやるとしよう。美味いのは出来立てだ」
お寿司を食べながら、ローザは考えていた ―――
ウン…考えてみたら、もうナイジャンとあの国王に従う理由なんて無いじゃん…
ベルタの為に色々我慢して来たけど、ホントは嫌で仕方なかった…
「あの、アキラさん、そういえばお仕事を紹介して頂けるというお話でしたが…」
「ン?ああ、そうだった。ちょっと後で行って来ようか」
ゲートを潜った先にいた男は、アルバン国王ゴリオスその人であった ―――
「何の用だアキラ。俺は今忙しい。ン?誰だそいつは?」
「ローザ。ナイジャンから来た密偵だそうだ。まあちょっとだけ時間をくれ」
3人で座ってよくよく話を聞いてみると、ゴリオスには段々と悪だくみをしている表情が浮かび始めた ―――
「…って事は、お前がナイジャンに流した情報がそのまま信用される、って訳だな?」
「はい、そういう事になるかと思います…他に密偵がいた場合はその限りではありませんが…」
コイツの妹の身柄はアキラが押さえている…
裏切る事は無いだろう…
この女を使ってナイジャンにウソ情報を吹き込んでやれば勝ちは決まったも同然だ…
「ところで仕事が欲しいって話だったが、何が出来るんだ?」
「ええと…密偵としてどこかに潜り込んで、情報を調べて来る仕事をしていました。そういう仕事が無い時は、秘書として書類の整理や文書の作成などをしていました」
「ほう、秘書か。それならダリの手伝いに一人欲しい。ウチの宰相だ。今はアルバン王国新憲法の制定を急いでいる。早速頼めるか?」
「はい!」
そうして3人してダリの執務室まで歩いて行くと、ダリは大量の書物に囲まれ、読んではメモを取り、他の書物を探していた ―――
「邪魔するぞ、ダリ。進捗の方はどうだ?」
「あ、ゴリオスさん。そうですね、刑法の方は終わったんですが民法の方がまだかかりそうです。他国との兼ね合いもありますから色々調べて問題が起きないようにしないといけません」
「ウム、ご苦労。今日は秘書を連れて来た。お前の仕事に役立てろ」
言われたダリが振り返ってみると、美人さんと目が合った ―――
ハッ…
かわいい…
息を飲むダリ ―――
そんなダリの表情を察してか、ローザは顔を赤らめ始めた
「さて、そっちの方は任せた。俺は少しアキラと話がある」
そう告げて部屋を出て行ったゴリオスは、ローザにウソ報告をさせてナイジャンのマダロック城を落とす方法について、アキラと話を始めた ―――
「あの、私は何をお手伝いしたら良いのでしょう?」
ちょっとかがんで髪をかき上げながら、ダリの手元を覗き込むローザ ―――
「ウン、とりあえずこっちの付箋が付いてるものに関連した書類を集めて来て、こっちに並べて貰えないだろうか。あ、場所とか分からないよね。一緒に行こうか」
二人して書庫に行き、場所を教えてローザが登った脚立を支えるダリ ―――
見上げたローザはJK装備のミニスカだった為、普通に白のおパンが見えている ―――
いかん、なんという戦闘力だ…
22万…3万…いや、もっとか?…
「こちらでしょうか?」
「はい…これです。じゃあ戻りましょうか」
極めて冷静を装い、何も見ていませんでしたが感を演出しているダリ ―――
だがしかし、その内心ではこの娘襲っちゃったらどうなるんだろうとか考え始めている
「さて、この民法3条から書き直さないとな…今のままだと他国から入って来た行商人への略奪も許されるんだ。そんな事してたらアルバンの物流は滞る。行商人達の権利が保証されるようにしてやらないと。ローザ、その本の付箋の順番に集めて来た本を並べてくれないか?」
「はい」
付箋を眺めては次の本を見つけ、机に積み上げていくローザ ―――
現在ダリは仕事に集中し切っており、過去の判例を調べては新しく書く法について悩んでいる
「あの、ダリさん。お腹空いてませんか?」
「ン?…ああ…そういえば何も食べてなかった」
「アキラさんからのお土産があるんです。ハンバーガーって言って…」
そう告げたローザが紙袋から出した包みを開くと、どこから攻めたものか悩ましいバーガーが出て来た ―――
でかい…
「…ありがとう、ローザ。流石にちょっと一人じゃ全部食べ切れないな。半分こにしよう。ナイフを持って来るよ」
「あ、ありますよ?」
笑顔でナイフを抜いて一瞬で真っ二つにした手際は、暗殺者のそれであった ―――
自分も似たような真似をしているので、よく分かる
「…ありがとう、ローザ。斬るの上手だね?」
「いえ…あ、あとアキラさんがコーヒーを淹れてくれたんです。ハンバーガーと一緒に、って」
コップに注がれるコーヒーを眺めながら、ダリは毒とか入れられた素振りがないか注意している ―――
「ハイ、どうぞ」
「…ありがとう、ローザ。なんかお礼言ってばっかりだね…フフ…」
「フフ…お気になさらず。さあ、食べましょう?」
ハンバーガーは冷めても美味い代物だったが、身の危険を感じながらそれにかぶりついているダリは正直味を覚えていなかった ―――
後日譚・益光ん家 ―――
お子様とか魔犬とか増えたので、大分賑やかになりました
魔犬もクッションを咥えてボスボスと殴り合っています
「みんな、ご飯よー!?」
「「ハーイ!」」
決着はお預けとなり、みんなでお昼を食べた後はお昼寝タイムです
「…やれやれまったく、元気なものだ…」
「…あなた?…またお風呂に入ってないでしょう?…」
ウッ!!…
「…これから入ろうと思っていたのだ…沸かして来る…」




