誕生!アルバン独裁王国!
お疲れ様でございます
ちょっと寒いんじゃないかね?
私が抱っこしてあげようか
ネコスを抱きにいった腕をスルリと躱すネコス ―――
ウン…いや、良いんだ…
私は別に君じゃなくても、他の子を探すんだからね…
そんなこんなで、猫動画を眺めている男
さておき、本日のキララ、どうぞ
「ンー…中々悪くない椅子だな…いや、悪くない」
今、ゴリオスは新品の玉座の座り心地を確かめているところである ―――
アルバン義賊団が何もかもを持ち去って売ってしまった為、城の中にはあんまり物が無かった
流石にコレじゃ困るでしょ、って事で、現在アキラ達が要る物を地上で色々仕入れ、搬入作業を行っている最中である
ちなみに玉座は社長イスと呼ばれる代物であり、ちょっと背もたれを倒して座ると超偉そうに見える
「あ、いた。ゴリオスさーん、会議始めますよー?国の人事を決めてしまわないとです」
「オオ、そうだったな。まずは報復人事だ。あの宰相は肥溜めからクソを運んで畑に撒く仕事に就けてやる。憲兵隊や門兵は全員クビだ。上から下まで腐り切ってやがるからな」
ダリに呼ばれて会議場へと向かったゴリオスは、史上稀に見る凄惨な報復人事を行った ―――
「ああああああああアアーーーッス…スッキリしたあああ…こんなに気分が良いのなんて、いつ以来だろう…」
「そんなにですか?」
その日の晩、ダリと一緒にカザロフの湯に浸かって一息つくゴリオス ―――
「ああ…俺は最初、憲兵に憧れてたんだ…これが正義のヒーローなんだ、ってな…だが入ってみたら俺が思っていたのと全然違っていた…誰から幾ら取れるかって事しか考えていない、この世のクズの吹き溜まりだった…本当は辞めてしまいたかったんだが、家族を養う為だ、と思ってずっと我慢していたら、いつの間にか俺もそうなっちまってたんだ…」
なんか重い話を聞いてしまったダリは店員さんを呼び、酒を持って来て貰った
「飲みましょう、ゴリオスさん。そんなのもう今日でお終いです。これからのアルバンは、貴方が創るんですよ」
「…そうだな…ありがとう、ダリ。じゃあ乾杯だ」
「乾杯!」
それからゴリオスとダリは二人で飲みながら、色んな話をした ―――
憲兵隊という仕事柄、人を疑う事に長けており、普段からナチュラルに人を疑っているゴリオスだが、ゴリオスチェックによるダリの判定結果はシロである
コイツ普通にイイ奴だな…
そういえばウ〇コ担ぎにしてやった宰相の代わりがいないんだった…
よし、コイツにしよう…
「…という訳で、ダリをアルバンの宰相にしたいんだが」
「えっ?…いや、そんな事俺に言われても…」
「頼むアキラ、アイツが要るんだ。何とか話を通してくれ。あと憲兵隊も全員クビにした。アルバン義賊団のみんなを代わりに据えたい。みんなを集めて貰えないか」
いや、だから俺に言われても…
アナタ、人の話を聞くとか空気読むとかあんまりしないタイプでしょ…
ちょっと困ってしまったアキラだったが、仕方がないのでアスモデウスの所に行ってその話をし、OK了解だったのでダリと義賊団のみんなを集めて来た
「やあ諸君、困ったことに団長から国王にクラスアップしてしまってな。宰相とか憲兵隊とかクビにしてしまって人手が足りないんだ。手伝って貰えないか?」
「手伝うって何を?」
「ダリ、お前は宰相をやれ。国の政治の一切を取り仕切って貰う。ゲオルグ、お前には人をまとめて動かす才能が有る。アルバン軍団長を任せる。エッケルト、お前は任務に忠実だ。アルバン憲兵隊長を任せる。他の皆は新アルバン憲兵隊だ。犯罪者や腐ったヤツを見つけたら容赦なく檻にブチ込め」
ざわ…
唐突な人事発表 ―――
義賊団メンバーは自分達が憲兵隊になるという事に異議なしだったが、一人ダリは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた
「…いや…俺、政治なんてやった事ないんですけど…第一、アルバンの法律なんて何も知らないんですけど…」
「そんな物は燃やせ。お前が気に入るように新しく一から作れ。頼んだぞ」
え…
この無茶振りにちょっと待ったハンドが上がりかけたダリだったが、アスモデウスがこの件にOKを出した事は知っている
ウン…仕事なんだから仕方ない…
まさか俺が宰相になるなんて考えた事もなかった…
「さて、やる事なんていくらでも有るんだ。モタモタしてられん。次々いくぞ。では総員配置に着け!」
「「ハッ!!」」
それからバタバタと全員駆け出し、ゲオルグは差し当たって軍の閲兵、エッケルト達憲兵隊は治安維持の為の巡回、ダリはアルバンの現行法の確認を始めた ―――
後日、ゾロゾロと城に集まって来たカザロフ勢達 ―――
エリゴールはダリに執政官としての教育を施す為に、ポチ、シグナス、ワイス、アラン達は軍を見ている
城の名前はゴリオス城と改名され、現在ヤヌス達工兵部隊が城や周辺の要塞化を始めている
こうじゃないとおかしいだろう ―――
ヤヌスのこだわりは完璧を求めていた為、今の簡単に落ちそうな城は一から作り直される事となった
「とんでもない城塞だな…カザロフの全兵でかかっても落とせるかどうか…」
ポチの呟きにニヤリと笑みを浮かべるヤヌス ―――
「ええ、どう考えても落とせない城塞都市に仕上げるつもりです。疾風殿が俺のイメージを全部設計図で形にしてくれます。後は水を引ければ数ヶ月は持ち堪える城になるでしょう」
「良し、早速手配しよう。アキラさんどこだっけ」
呼ばれたアキラはまたー?とかボヤきながら、200㎞離れた川の流れを無理矢理こっちに持って来た ―――
「こんなもんでどうだ?」
「あざっす。毎度お世話様です。後はそうですね、もう一周外に外壁を建てて、その中に林を作りたいんです。薪が無いんじゃ困りますから」
純平…お前最近、俺の使い方に容赦がなくなって来たな…
どんだけ俺に仕事させる気なんだ…
頼まれたとあっては仕方ないので、大量の石材を闘魂剣で切り出してゲートで運び、数kmに渡る立派な外壁を建てたアキラ ―――
「こんなもんでどうだ?…」
「そうですね…後はそう、壁の外に通じる地下通路が欲しいところです。逃亡用に城内から一つ、壁の外に打って出る為のヤツが南北に二つ。騎兵でも通れるようにお願いします」
「…お前そろそろいい加減にしろよ?…」
「違うんです、アキラさん。ここまでやらないと終わらないんです。いやホントすんません。でも頼めるのってアキラさんしかいないんです」
イラッと来ていたアキラだったが、両手を合わせて頼み込まれて仕方なく残りの仕事も引き受けた ―――
夜が明けて次の日、アルバンにはゴリオス城塞という、前代未聞の巨大要塞が出来上がっていた ―――
後日譚・カンナとマティス、ソフィ ―――
現在ゴリオス城は改修中の為、妻のエリカとマティスは益光ん家に泊まっています
地上が安全なのと、彼に任せておけば間違いないとゴリオスが信用した為です
ついでに警護の為にガルルとペロリ、おまけにカンナも来ています
初めて見るマティス君を、首の傾げ角度80度で凝視するソフィ ―――




