戦え!アルバン義賊団!その4
お疲れ様でございます
知りませんでした…
ムツゴロウさんって、2023年の4月にお亡くなりになっていたんですね
記憶にある最初のTV番組がムツゴロウさんの動物王国でした
私がネコスを好きになったのも、その辺関係あるかも知れません
さておき、本日のキララ、どうぞ
「みんな、紹介する。こちらがアルバン義賊団の新団長、ゴリオス殿だ。ABFへようこそ」
ABFとはAlban Bandit Force 、アルバン義賊団の略称である
こちらはヴァンにある、義賊団の訓練場 ―――
ダリの紹介で総勢の団員から拍手で迎えられたゴリオスは、色んな方を向いてはちょっと頭を下げてそれに応えている
アイツ、憲兵隊の隊長じゃないか…何でここに?…
ダリさん達は何を考えてるんだ?…こんな奴が団長だなんて…
平静を装って拍手をしてはいるが、団員達の内心はあまり穏やかではない
ゴリオスを紹介したダリは一歩下がり、手を差し出してゴリオスを前へと促した
なんか喋れ、って意味である
「あー…憲兵隊隊長、ゴリオスだ。お前らのおかげで元だがな…国王からもう少しで火炙りにされるとこだった。こっちに鞍替えした理由がそれだ。あと一歩遅ければ息子も殺されるとこだった。お前らなんかキライだが、俺と家族の命を救われた。そこは感謝している。そして今の王政は地獄行きのクソッタレだと思っている。倒すというなら手を貸そう」
え…普通みんなの前の挨拶でキライとか言っちゃう?…
そこんとこで軽く動揺した団員達だが、どうやらこの男は味方になるらしい
ゴリオスの挨拶に続き、一歩前に出て話を始めるダリ ―――
「副団長、ダリだ。これから我々は民衆革命を起こし、王政を打ち倒す。アルバンを誰も泣かなくていい国に、俺達の手で変えるんだ。ゴリオス団長は憲兵隊長として指揮を執った経験が豊富であり、加えてアルバンの内情にも詳しい。きっと我々の革命を成功に導いてくれるだろう」
なるほど…
確かに国の中のどこにどんな不満が溜まっているか、憲兵隊長以上に詳しい者なんていないだろう…
これは革命を起こす為に必要な人事なのかも知れない…
敵対する組織のトップが自分達のトップになるという異常事態に動揺を隠せない団員達であったが、冷静になっていく程にそれがどれだけ義賊団にとって有利に働くかを理解していった
その後、団員達の訓練風景を眺めながらポチから様々な説明を受けるゴリオス ―――
ゴリオスは話を聞くにつけ、こいつらの目的はどうやらアルバン一国どころじゃない、という事を察していった
「なあ、教えてくれ。お前達の黒幕は一体誰なんだ?話しているだけでも分かるぞ。ここに居るお前達の中に組織のトップはいない。それは誰かに従う者の言動だ。お前達が俺にそうするように、俺も包み隠さず思っている事は全部話した。お互い内緒はナシにしよう」
フッ、と笑ったポチは、そこでゴリオスの名探偵ぶりを察すると共に、彼を本当の主に引き合わせる事を決めた ―――
「な…アンタは…いや、貴方は…」
ゲートを潜ったその先にいた男は、他でもないアスモデウスその人であった ―――
「ワシを見知っておるようじゃな。そう、お尋ねの黒幕じゃよ」
アスモデウスが手を差し出して椅子へと促すと、ゴリオスはアスモデウスの方を見たままそっと席に着いた
元、冥主じゃないか…
となると狙いは、再び冥界を手中に収める事か…
「…狙いは冥界を統べる事ですか?…」
「まあそういう事になるな。最初は地上の友人を守ってやろうと思っただけなんじゃが。どうもワシが関わると何でも話が大きくなってしまっていかん」
「私は一体、どうお役に立てば良いのでしょう?」
ほう、此奴め中々有能らしいな…
会ってすぐにワシの狙いも、自分にとっての最善の道も見抜いたか…
「聞かずともよい。お主は既にその才をワシに示した。まずはアルバン国王からじゃ。好きにやってみるが良い」
たった数分だけの邂逅だったが、ゴリオスは向き合ったアスモデウスの底知れぬ器を見た ―――
その後カザロフの寄宿舎に帰ったゴリオスはポチから剣聖シグルド達やアキラ、疾風などの話を聞き、度肝を抜かれた
何その単独でも一国落とすくらい余裕の化け物セット…
こいつらが本気出したら一体どこまで行くんだ…?
ちょっとまだ色々頭の整理が追い着いていないゴリオスは睡眠不足だった事もあり、アキラが置いておいた6缶セットのビールを飲んでいるうちに眠りに落ちた ―――
そして夜が明けて翌日、早速計画は始動した
ゴリオスは両替商、食料の卸問屋、行商人ギルド等その他諸々、アルバン国内で不満が溜まりまくっている所を知っており、彼等の元を次々と訪れた
「どうもゴリオスさん、ご用は何でしょうか?今月の分ならもう憲兵の方にお渡ししましたが…」
揉み手をしながら作り笑いでゴリオスを迎える相手に、黙ってマントを開けて左胸にあるアルバン義賊団のマークを見せるゴリオス ―――
「…な…まさか…アンタがそうだったのか…!?」
顎が外れるかってくらいに口を開け、驚愕の表情でゴリオスを見ている両替商の頭取 ―――
「そうだ…ちょっと革命を起こしてこの国をまともにしてやろうと思っているんだがな…手を貸してくれるんなら色々考えてやるが、どうだ?…」
後日譚・カンナとマティス ―――
その日の夕方、マティスは寄宿舎の隣の公園で一人遊んでいました
まだこっちに来たばかりで、友達なんていないのです
砂場で山を作ってトンネルを掘っていたところ、いつの間にか魔犬が2頭、後ろから見てました
背中にはカンナが乗っています
トンネル開通 ―――
一仕事終えた感でほっこりと微笑んだところ、クッソでかい魔犬が2頭、隣で見ている事に気付きました
食われる…
急転直下、表情を失ったマティスは背中に乗っているカンナを目にしました
かわいい…
死を受け入れたと同時に、再びほっこりと微笑むマティス
食われる前にもうちょっと見ていたい
彼は人生の早い段階で、色々達観してしまいました




