誕生!アルバン義賊団!
お疲れ様でございます
ウン…こういうのも有ったら良いのかもね…
なんかカップを置いている間は電気が通って飲み物を温めておいてくれるソーサーがあるみたいです
逆に冷やしておいてくれるソーサーって無いものでしょうかね?
これからの時期、要るのはそっちだと思うんですけど
さておき、本日のキララ、どうぞ
「…とまあ、我々が冥界を制覇する為にはまず最初にこの西の隣国アルバンを押さえる必要がある。この国を傘下に収めれば北、西、南への道が拓かれ、かつアルバンはカザロフの前衛拠点として機能する」
こちらは兵団の会議室 ―――
現在ポチやニルス、シグナス達が集まって開戦した場合の初動について意見を交わしているところである
アルバンは西側への道をほとんど塞いでいる壁となっている為、最初に戦るとしたらここしかない
「アルバンに勝った後は?」
「その南のナイジャンを陥落とす。ナイジャンは海に面しており、港が手に入るうえに隣国にはエンディゴやネルタニアといった貧国しかない。攻められる心配は少ないだろう」
「その後は?」
「アルバンを要塞化しつつ、ここから版図を広げていく」
「なるほど…」
顎に手を当てながら、そこまでの流れのイメージを頭の中に作っていくアラン ―――
「ポチさん、一つ」
そこで挙手するワイス ―――
「はい、ワイス」
「カザロフ兵団とアスモデウス様の名前は出すべきでは無いかと。出せば最悪、真っ直ぐアスモデウス様の首を取りに来るでしょう」
「うん、そうだね。無事だってバレるとまずいから、そこクリアしないと開戦出来ないね」
「「…」」
そこで悩み始める会議室 ―――
しばらくすると、シグナスがスチャッと手を挙げた
「はい、シグナス」
「だったら出さなければ良いだけの話では?アスモデウス殿が出なければ勝てないというならともかく、我等だけでも戦力は十分有る」
「そうだね。少なくとも敵が下手にカザロフに踏み込んで来れない状況に持っていくまでは、出さないのが良いと思う」
「ポチさん、いいですかい?」
「はい、アラン」
「今思いついたんで詰めが甘いかも知れませんが…」
それからアランが話し始めたのは、いっそカザロフごと存在を公にしない、といった作戦だった ―――
「…なるほど…アルバンをカザロフから攻め落とすんじゃなくて、アルバン内部からこの戦を始める訳か」
「はい。敵は首謀者をアルバンで探すでしょう。見つかりません。カザロフにいますから」
「でもカザロフの兵団を動かさないなら、どうやってアルバンを落とすんだ?」
「民衆を味方に着けます。アルバンは何かと高い税を取られるうえに、治安も悪いです。我々で義賊団を立ち上げ、これを糺したうえで革命を煽ります」
それを聞いているうちにニヤニヤし始めたニルス ―――
上手くいきそうな道筋が色々見えてきたらしい
ポチと少し話し、兵士を呼んでどこかに早馬の使いを出すと、会議に戻った
「よし、ちょっとそれを試してみないか?もし上手く行きそうだったら、これをプランAとしよう。ハイ、異議がある人、挙手」
全員異議ナシ ―――
「じゃあ立ち上げメンバーの選定に入ろう。まず義賊団のトップは誰にしよう?」
無言でスッと手を挙げるアラン ―――
「ウーン…君は副団長としてこれから色々覚えて貰わないと困るんだけど。出来れば手が空いてる人がいい」
そこから協議が始まり、まずはポチ、ニルス、アラン、シグナス、ワイスが外された
手が空いてる人といえばキュレーネとベルサリオだが、キュレーネは何かやらかしそうだしベルサリオは色々覚えていない可能性がある
会議は煮詰まり、みんなしてコーヒーをすすっている時にニルスの頭にティンと電球の明かりが灯った ―――
「…そういえば、シャドウストーカー隊って今アキラさん家にいますよね?彼等なら何かあっても逃げるのは容易いんじゃないでしょうか?」
「まあ義賊で活動してたら追われる事になるのは間違いないから、その点彼等には向いてるね。まだ休暇中だけど」
「今だけちょっと、誰かここに呼べませんかね?」
そうしてポチがアキラとステッキで通信してみたところ、代表としてダリが現れた ―――
それから本日の会議の経緯や義賊団の目的などの説明を受け、ダリは考え始めた
「それってひょっとして、最終的には俺に全冥界にケンカを売る盟主になれ、って事なんでしょうか?」
「いや、そこまでは言わない。アルバン一国をひっくり返すに至れば十分だ」
「…ウーン…義賊として活動するっていう分には普通に問題ないと思うんですけど、政治的な事とかが絡んだら俺分かりませんよ?」
「大丈夫、その辺はこっちで何とかする。要はアルバンで民衆革命が起こるまでの間、捕まらないで義賊として活動してくれればそれで良い」
「分かりました。差し当たって俺は何をしたら良いんですか?」
「アルバンの民衆を苦しめているヤツらを見つけたら、懲らしめてほしい。あと困っている人々に、そいつらから金をむしり取って分け与えてやってほしい」
「…なるほど、やる気の出る仕事ですね。やりましょう」
それからダリにアルバンの内情などについて説明している間に、一人の男が会議室の扉を開いた ―――
「やあ、遅れてすまない。まだ病院にベッドの設置も済んでいないというのに患者さんが来ててね」
不滅のアムストラウス ―――
今はカザロフニュータウンの老人区画で彼の病院を開設する為の準備をしているところである
「早馬の伝令が来たんだが、私に仕事があるそうだね?何をしたら良いんだい?」
「ご足労どうも、アムストラウス殿。まずはお掛け下さい」
それからダリと同様、義賊団についての説明を受けたアムストラウス ―――
「…なるほど、救民の義賊団ね…それなら私の仕事だろう。承った」
その日の晩早速、アルバンで高額な通行税をむしり取っている検問所が大爆発した
近くの壁には、アルバン義賊団参上、という殴り書きが残されていたという ―――
後日譚・甲賀の里 ―――
不死鳥のように何度も立ち上がり、敗北を拒んだ早風でしたがとうとう倒れました
「…強かったぞ、早風…」
勝ち名乗りを受けた吹雪が、これからの里の首領です
そして里一番のブサイクと謳われた鈴蘭には、春が訪れました




