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訓練開始!カザロフ兵団副団長!その14

お疲れ様でございます


近くを通るとやたら吠えてくる、人ん家のワンコ ―――


何か私に文句でもあるのかね?


近寄って手を差し出してみると、ベロベロに舐め回してきます


そういう事じゃなかったんだね?


あと君のヨダレ、めっちゃ臭いね…


この手どうしようとか思いながら、手を洗える場所を脳内検索し始めます


さておき、本日のキララ、どうぞ

「…なるほど、伊達にコボルト共をたばねている訳じゃないらしいな…ではお手並み拝見といこうか…どこまで頑張れるか、見ていてやろう…」



ウォオオオオオオオオオオオオオオン…



ガブリの遠吠えに応じ、次第に魔犬達がガブリの周りに集まり始める ―――


「コイツがコボルト達の族長、ポチだ。いいかオマエら、相手が一匹だからって油断するなよ?さっき3頭で襲ってあっさり倒された。いつも通りやれ!チームワークだ!では、かかれ!!」


号令と同時に20頭余りの魔犬が、ポチの周囲をぐるりと囲む ―――



彼等の狙いは、まずは後ろに位置する魔犬が足に噛みついて動きを封じる事である


前と横にいる魔犬達は一足飛びで襲いかかれる位置から牽制けんせいし、ポチが振り返るようであれば自分達が足に噛みつく、というのが基本戦術となる


一度誰かが足に噛みついてしまえば、その後待っているのは集団ガブガブである



うなる魔犬達がジリジリと距離を詰め、ついにはその間合いへと踏み込んだ ―――



「「ガウッ!!」」


二頭の魔犬が、後ろからポチの右足、左足を狙って飛び込む


あわや噛みつかれる ―――


魔犬のあごがポチの足首に迫った瞬間、まず左足のかかとで右足を狙った一頭の頭をハネ上げ、肩越しに後ろに振った一刀で魔犬の頭を叩く


すぐさま狙いを外したもう一頭の横っ面を、左の脇の下から振った一刀で叩く


なんとポチは、後ろを向いたままで二頭を一瞬で失神させてしまった



「お前も来いよ、ガブリ。このままじゃ数が減る一方だぞ?」



なんてヤローだ…


魔犬達に、動揺走る ―――


彼等の必殺の戦法が通用しない以上、ポチの言う通りになる可能性が高い



「ええい、何をしているオマエ達!全員同時に飛びかかれ!犠牲を恐れるな!」


こうなったらもう行くしかねえ…


覚悟を決めた魔犬達が、一斉にポチへと飛びかかる ―――


それに応じ、体をひねりつつグッとかがんだポチが回転しつつ飛び上がる ―――


「ハーーーーーーーッ!!」


見事な空中三回転の剣撃で、飛びかかって間合いに入った魔犬達が10頭ほどボトボトと落ちる


「…回烈かいれつ陣斬じんざん…」


マスター益光直伝の技である



クッ!…


後ろから足を狙ってもダメ、一斉に飛びかかってもダメ、こんなヤツどうやったら勝てるんだ…


ここは撤退だ…



「退がれオマエ達!撤退だ!」


「なら、ここにいる子犬達は全部貰う!毎年来るぞ!!」



それを聞いて愕然がくぜんとするガブリ ―――


今動ける魔犬達では、ここの子犬の全ては救えない


しかも毎年来るとなると、いずれ自分達が滅びるのは明白である



「…分かった…負けを認める…そんな真似は止めてくれ…」


「では私に従うか?」


「…従う…これからはあなたが我等のあるじだ…」


「良し。君は今、一族を守る為に賢明な判断をした。私はそういう者を無下には扱わない。いずれ私に従ったのは間違いではなかった、と思わせてやろう。では、数日後に使いをよこす」



そう告げてポチは帰って行った ―――



「やあニルス、ただいま」


「お帰りなさい、ポチさん。どうでした?」


「ウン、しばいて従わせて来た。これから魔犬達がいっぱい来る事になると思うんだけど、先々も考えて200頭分くらいの犬小屋を建てて欲しいんだ。頼めるかい?」


「ええ構いませんよ。大工達に丸投げしたら済みますし。ああ、あとワオン達はもう普通に動けるようです」


「そりゃ良かった。それと、地上での牛の買い付けなんだけど…」


こうしてポチは、いつもの忙しい日常へと戻っていった ―――



副団長選抜の方はアラン、ベルサリオ、キュレーネが戦術訓練の方に上がり、裏をかくのが得意なアラン、あんまり分かっていないベルサリオ、勝負どころで迷ってしまうキュレーネで、アランが頭一つ抜けている状況である


現状の戦術の順位としては、ワイス、アラン、シグナス、キュレーネ、ベルサリオといったところである



「良し、じゃあワイス、アラン、シグナスは明日から戦略分析に上がってくれ。戦略分析とは、一つの戦いのみではなく戦争全体の構図をとらえ、今どこで何をするのが最善かを判断するものだ。これが出来ないようでは方面司令官などを任せる訳にはいかない。各自精進してくれ」


「「ハッ!」」



方面司令官か…


ひょっとしたら、副団長になれなくても結構な仕事を任されるのかもな…


一体ポチさん達はどこまで見据えて軍を作っているんだろうか…



「ポチさん、軍は最大いくつまで分けるつもりですかい?」


「基本的には二つまで、一時的に三つまでを考えている。それ以上は兵站へいたんが持たない。今のところはね」



なるほど、二正面作戦までは想定内って訳か…


となるとコリャ防衛だけが目的じゃない、どこかに仕掛ける気だ…



「どことる気なんですか?」


「フフ…アランは目端が利くな。そう、我々はいずれ開戦する。敵はヴァン、カーギルを除いた全ての国々だ。アスモデウス様が再び冥主の座に着いた時、我々の任務は達成される。目指すは天下統一だ」


それを聞いたアランに衝撃、走る ―――



なんてこった…


俺はもう、夢の舞台に立っていたのか…



細かく震える手を握り締め、目には光が灯り始めた


「フフ…私達が魔界で参戦した時には中途半端で終わってしまった。今度こそは成し遂げてみせようぞ」


シグナスもやる気である


ワイスにとってはお望み通りであり、何も言わないが満足げな顔である


ベルサリオは後で鳥の罠を見て来ようと思っており、キュレーネはキュイちゃんのゴハンを取って来ないと、と思っている


「おっと、兵士達には言わないでおいてくれよ?まだ世間にバレちゃ困る情報なんだ。じゃあ今日のところは解散。お疲れ」



その後ワオン達はポチが一人で魔犬達をボコして従えて来た話を聞き、畏敬いけいの念を抱くと共に、あの時襲いかからなくて本当によかった、と胸を撫で下ろした ―――

後日譚・アムストラウス ―――


最初のうちはおっかなびっくりで接していたアスモデウスですが、しばらく付き合ってみると全然普通で普段は温厚だという事が分かりました


ただし何かのスイッチが入ってしまうとどうなるか分かりません


回復系の魔法が使える事、薬草や病気の知識がある事からアスモデウスが病院を持つ事を提案したところ、一発でOK了解でした


カザロフニュータウンの老人区画には、いずれ新しく病院が出来ます

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