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訓練開始!カザロフ兵団副団長!その12

お疲れ様でございます


2日ほど寝込んでいたんですが、どうやら食中毒か何かだった模様です


私は食が細いので開けたお惣菜なんかを食べきれずに置いておく事がよくあるのですが、まだいけるだろうと残りを食べた次の日から来ました


流石に20℃超えるようになったら、もう止めといた方が良いみたいです


さておき、本日のキララ、どうぞ

「…という訳で、ヤツらの部屋に入り込む事に成功した。相手はポチの副官、ニルスだ」



こちらは鶏小屋周辺、ワオン達は現在その警備にあたっている ―――



「よし、でかしたぞ!それで何か情報は?」


「それが聞いて驚くなよ?…」


かくかくしかじかと説明するガルルの話を聞く他の4頭 ―――


「…池を作る?…水の力で動く水車?…バカな、コボルト共に作れるものなんて粗末な小屋くらいだ」


「あのアキラってヤツがコボルト共に色々教えているんだ」


「そういう事か…よし、お前は引き続き情報を探れ。俺は一つ思いついた事がある。ポチに接触して別の新しい情報を探る。お前達は警備に戻れ」



そうしてポチの部屋に通されたワオン ―――


少しの間待っていると、ポチが部屋に入って来た


「やあ、お待たせ。今日はどうしたんだい?」


「どうもポチ殿。実は今の仕事なのですが、あまりやる事が無いのです。我等がナワバリを主張するだけで、他の獣が近寄って来ることは無くなりました。後は念のため昼と夜で1頭ずつ交代して見張れば事足りるでしょう。何か他に、手の空いた者が出来る仕事は無いものでしょうか」


「なるほど…そういう事なら一つお願いしちゃっても良いかな?ウチの兵士として軍の訓練に参加して欲しい」


「何の訓練でしょう?」


「うん、今は50人 vs 50人で戦術訓練をやっているんだけど、その伝令役をやってみて貰いたいんだ」


「伝令役?よく分かりませんが、とりあえずやってみましょう」



そうして魔犬達を伝令役として使ってみたところ、今までの50人戦とは戦術の幅が大きく変わった ―――


何しろ本陣より大分遠い部隊からでも、情報も、伝令もあっという間に伝わるのだ


ワイスの得意戦術は敵部隊を自陣の近くまで引き込み、相手の伝令が間に合わなくなる距離になってから一方的に叩く、というものであったが、魔犬の働きによってこれが使えなくなってしまった



「やあ、我がシグナス軍の諸君、お・ま・た・せ!…やっと飲みに連れて行ってやれるな。金の方が良い者はここで受け取るが良い」


「「ヒィイイイイイヤッホォオオオオオゥ!!」」


そうして次々とシグナス軍の者達が酒場に向かったり金を受け取ったりしていき、最後にガルルが気の無い顔で素通りしようとした ―――


「おっと待て、ガルル。今日の勝ちはお前のおかげだ。私の分もつけてやろう。持って行け」


「別にいらん。俺がそんな物を持って何になる」


「使わないなら持っておけ。もしもお前が困った時には、きっとコイツが助けてくれる」


そう言うとシグナスは小さな布に銀貨2枚を巻き、その紐をガルルの首から下げた ―――


「ではワイスよ、精進に励むが良い。悔しくても兵に当たるなよ?」


「グッ!…お前達、これから反省会だ…ワオンと言ったな、お前もだ」



後日、ポチの部屋に呼び出された魔犬達 ―――



「思った通り、君達には適性があった。私はもっと多くの魔犬達にここで仕事をして欲しいと思っている。もし応じてくれるのであれば、決して悪くない待遇を約束する。働き次第ではその家族も厚遇する。その事を一度帰って伝えて来て欲しい」


「あの、ポチ殿。群れには子犬や老犬含めて80頭近くが暮らしています。働ける者は30頭もいません。それは、働ける30頭だけが欲しいという事でしょうか?それとも群れの全てを受け入れる、という事でしょうか?」



働ける30頭だけを軍に持っていかれれば、残りの魔犬達を待つ運命は当然飢え死にである ―――


ポチの答え次第では、ワオンはこの場で飛びかかってポチの首を取る気だった



「みんなおいで。働けないからって酷い扱いにする気はない。同じ仲間として平等に扱う」


「…その言葉、偽り無く本当でしょうか?」


「ウソだったら君達、出て行っちゃうだろ?そんな真似はしないよ」



ウーン…


しばらく考え、顔を見合わせるワオン達 ―――



「…承知しました。では、数日ほど時間を下さい。群れに帰って話を族長に伝えて参ります」


こうしてワオン達は魔犬達の縄張りへと走って帰り、まずはワオン達が仕入れた情報をガブリ様へと伝えた


「ほう…たった数日でそれなら上出来だ。では引き続き頼んだぞ」


「それからガブリ様、ポチからの伝言があります。仕事をするなら我等一族全ての面倒を見る、悪いようにはしない、と」



それを聞いた途端、目の色が変わってキバを剥いたガブリ ―――



「キサマら、俺の命令の何を聞いていた…コボルト共に思い知らせてやれと言ったんだ…そんな舐めた口をきかれて、ハイ分かりましたとヤツらの使いっ走りになったって訳か…何故そこでポチの首を取らなかった!」



5頭がガブリ様の逆鱗に触れた事を察した他の魔犬達が、ワオン達を囲む ―――


「ウォオオオオオオオオオオオオオオン!!」


これは集団ガブガブの刑、開始の合図である


「「キャイン!!」」


喉笛や足を噛まれて地面に引き倒され、他の足や腹などを何度も噛まれるワオン達


皮が裂け、耳をちぎられ、足の骨を砕かれた姿でワオン達は魔犬の縄張りの外に捨てられた ―――


「オマエ達は追放だ。二度と帰って来るな、この魔犬の面汚し共が」


ワオン達を運んで捨てた魔犬の1頭がそう言い捨てると、魔犬達は帰って行った



「…ちきしょう、痛え…俺達このまま、ここで死ぬのか…」


「…ワオンのヤツが余計な事言うからだ…黙ってりゃ良かったものを…」


「…いや、言う必要があった…返事を持って帰らなきゃ今度はカザロフで疑われる…」


「…ああ…あの肉美味かったなあ…」


他の4頭が死を待つ覚悟を決めていた時、ガルルだけは違う事を考えていた ―――


首にかけられた2枚の銀貨である



誰かを見つけてこれを渡せば、もしかしてカザロフから助けが来るんじゃないだろうか?…

後日譚・キュレーネとキュイ ―――


モリモリ食べて、日増しに大きくなっていくキュイ


最近はトカゲくらいじゃ全然足りなくなってきたので、キュレーネは鳩やウサギくらいの獲物を探して日々飛び回っています


キュイは飛竜にしては意外と賢く、産まれた時に見たザムダの事を覚えていたり、たまに獲物を持って来てくれるベルサリオの事を観察していたりします

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