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訓練開始!カザロフ兵団副団長!その10

お疲れ様でございます


最近は近くでウグイスが鳴いていたりします


ホー…ホケッ!


ウン…ホケキョじゃないんでしょうか


30点です


さておき、本日のキララ、どうぞ

「なに?…それでキサマら、おめおめと帰って来たというのか?…コボルトの一匹も倒せずに?」


「「ウッ…」」



ガブリ様のお叱りを受け、集団ガブガブの刑やゴハン抜きの刑の予感に委縮する魔犬達 ―――



このまま黙っていたのではしょされると判断したリーダー、ワオンはこのピンチを逃れる為にウソをつく事をチョイスした ―――


「ご処罰はいかようにも受けます、ガブリ様。ですが、本当にただのコボルト共ではありませんでした。ヤツらは我等よりもはやく走り、山をも砕く力を持っていました。我等が無事に帰って来れたのは奇跡です」



いや…いくらなんでも…マジで?…


他の魔犬達の顔を見てみると、マジです、と言わんばかりに真面目な顔でコクコクと頷いている


「…そうか…少々ヤツらを見くびっていたのかも知れん。その辛い砂とやらも脅威だ。どうやら我等と戦う為の準備を進めていたと見える。これはもう少し慎重に偵察せねばならんな…分かった、お前達は下がれ」


「ガブリ様、よろしいでしょうか!」


「なんだワオン」


「私がこの身をして、ヤツらの内情を調べ上げて来ます。このまま何の役にも立たずに引き下がったとあってはこのワオンの名折れ、どうか私にお命じください」


「…お前の気持ちは分かった…だがどうやって調べる?」


「ヤツらは我々に仕事をしろと言っています。大人しい子犬のフリをしてそれに乗ってやりましょう。敵を探るのであれば、外からよりも内からです」


「命がけになるぞ。それでも行くか?」


「はい!我等一族の誇りにかけて!」



そうしてワオン達、コボルトから逃げた魔犬の恥晒し扱いされるというピンチから脱出 ―――



ちなみに魔犬とは、群れの中で立場が悪くなると生活レベルや家族の待遇、保険の等級などが理不尽なまでに下がる



「ふぅ…なんとか何事もなく済んだな…ワオンさんのおかげだぜ」


「ああ、あの魔犬ひと口が上手いよな…だけどこれから俺達どうなるんだろう」


「知るか。行くしかねえだろ。それともはぐれ魔犬になって一頭で暮らすか?」


「笑えねえ冗談だ。行くぞ」


「おいお前達、少しは気配に気をつけろ。もう前回襲われた辺りに入るぞ」



そうしてワオン達がカザロフ兵団駐屯地に接近したところ、上空から減速ナシでアキラが降ってきた ―――


ズドォオオオオオオオン!!


「ようお前ら、また会ったな。今日は何しに来たんだ?」


「またお前か…いや、争う気はない。我が名はワオン。我等に仕事をしろと言っていたろう。それを聞きに来たのだ」


「アー、そういう事?俺はアキラだ。んじゃとりあえず着いて来るといい」



そうしてアキラに着いて行ったワオン達は、兵団駐屯地にてポチ達に迎えられた ―――



「私がここを預かっているカザロフ兵団軍団長のポチだ。仕事について聞きたいそうだが」



輝く銀色の毛皮 ―――


鋭い目つきにしては柔らかい物腰、さりげなく机に両手を組んであごを置いた顔はイケメン ―――



なるほど、ボスの風格がある…


あのアキラってヤツを従えているからには、それ以上あると思っておいた方がいい…


ここは下手に出て油断させておくとしよう…



「どうも初めまして、ワオンと申します。仰る通り、我等の仕事についてお伺いに参りました。何をすればどの程度の見返りがあるのかと」


「うん、頼みたいのは鶏小屋やカザロフ近辺の警護だ。君達が戦わなくても、敵が来た時に教えてくれればこちらから兵を出す。もちろん手伝ってくれると有難いんだが。報酬は食事や雨に濡れない温かい寝床、病気や怪我の治療などだ」


「…つまり、我々は外敵を報せるだけで生活が保証される、という事でしょうか?」


「そういう事。とりあえず何日か体験してみない?」



ウーン…


顔を見合わせるワオン達 ―――


それってひょっとして、意外と悪い話じゃないのかも知れない…



「では、差し当たって体験という事でお願いします。我等は何をすれば?」


「ン、着いて来て」


そうして着いたのは、養鶏場 ―――


まだヒヨコの鶏達がピヨピヨと鳴いている


「この子達の鶏舎を守って欲しいんだ。大きく育つと美味しい肉になる」


「ほう…見かけない生き物ですが」


「地上の鶏って言うんだ。育ったのを焼いたのがもうすぐ出来る。こっち来て」



ワオン達が着いて行ってみると、次第に辺りからたまらなく美味そうな香りが立ち始めた ―――



「あれ、もう来たのか純平?まだ焼けるまでちょっとかかるぞ?」


丸ごとチキンをBBQグリルに入れて、炭火で焼いていたアキラ


今回のチキンは冥界産ではなく、地上で仕入れてアキラが仕込んだものである


「あー、どうしましょうね?んじゃみんな、ちょっと待ってて貰ってもいい?」



はやく食わせろ ―――


口元から垂れたヨダレが魔犬達の本音を物語っているが、ここはガマンしておいたワオン達


「はい。どの位待てば?」


「そうだな、あと10分ちょいってところだ。お前ら、このサイズの鶏なら3つくらいは食えるだろう?」


アキラがBBQグリルを開けて取り出して見せたチキンからは、したたって焦げた脂とハーブの薫りが混ざり、たまらない匂いが漂ってきた ―――



生まれてこの方、生肉しか口にした事のないワオン達に衝撃、走る ―――



「ウウウウウウウ…」


「止めろ。待て。待てだ」


なんとか仲間をなだめているワオンだが、自身もあふれるヨダレを止められない


「じゃあこういうのはどうだ?ここに一本の枝がある。俺が投げたこの枝を取って帰って来たヤツが最初に焼けた肉を食える。いくぞ?」


投手ピッチャーアキラ、ふりかぶって遠投 ―――


「「ガウッ!!」」


枝は遠くまで飛んでいき、魔犬達は弾丸のようにスタートを切って走って行った



「…なかなか速いな。トップスピードは100kmくらいか」


「伝令に向いてますね。軍に組み込みたいところです」


アキラとポチが話していると、枝をくわえたワオン達が戻って来た



イイ感じに焼けた鶏の丸焼きを目の前に置かれるワオン ―――



「いただきまアアーーーッス!!熱い!!!」


ガップリとくわえた丸焼きを離すワオン


「ちょっと冷めた所から少しずつかじるといい。焼き立ては熱いぞ」


言われた通り少しずつかじり始め、そのうち無心になって全部ペロリといったワオン


その間、他の4頭はそれをガン見しながらずっとヨダレを垂らしていた


「そろそろ焼けたか。お前らも食え」


次々と目の前に丸焼きを置かれ、匂いをフンフン嗅ぎながら笑顔で冷めるのを待っている魔犬達 ―――



なんかこいつら普通に犬だな…


ちょっと飼いたくなってしまった…



それから魔犬達はチキンの丸焼きを腹一杯食べ、彼等に用意されていた兵舎へと着いた


犬小屋とも言う


「…ワオンさん、どう思います?…」


「今話しかけるな…肉が出て来そうだ」


「オレはここが気に入ったぜ…美味いもんが腹一杯食えて寝床もフッカフカだ」


「あのアキラってヤツはどう見てもコボルトじゃない。何者なんだろうな」


「分からん…その辺はこれから探るとしよう。とりあえずオレはもう寝る」



お腹一杯になった魔犬達、本日はお休みモードに入って終了 ―――



彼等は飼い犬化されるという罠にはまってしまっている事をまだ知らない ―――

後日譚・ニルスん家 ―――


エネッタ・カンナ・ピリムの三人娘はとりあえず洗濯や掃除をしたり、資料の整理をしたりしてニルスの手伝いをしながら過ごしています


新寄宿舎にも兵士達の家族が移住してきており、その人々との交流も始まっています


夜中にカンナが隣ん家の声で目覚めて、そっとのぞきに行ってみたらアンアン言っていたあれ、一体何だったのでしょう

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