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作戦会議

「では敵の正体も判明したので王都に帰還しますか?」

 シリウスから事情を聞いたベルギウスはこれからの方針について相談した。一定の成果を得たはずだがシリウスの表情は暗く硬いままである。

「残念ながらそうも言ってられなくなった。マジョルカニスの人間が敵国に渡ったとなるとマジョルカニス家はお取り潰しになるだろう」

「確かに……」

 一族から裏切り者が出た事を正直に国に伝えればシリウスがどうなるかは火を見るより明らかである。

「それだけならいいが私含め全員が処刑されるかもしれない」

「そこまでやるのですか!」

「マジョルカニス家は代々王都防衛の為に国に尽くしてきた。そんな一族が裏切ったのだ、それは国王陛下への反逆と同義である」

 一族の裏切りによりその関係者全てを粛清する。それはあまりにも非道であるがこれ以上の裏切り者を生み出さない為の実に有効的な手段であった。

「だから最低でも私は戦果を持ち帰らなければならない。君には無茶をしないよう言っていたがこんな事になり申し訳ない」

「それが私の使命です。戦いましょう。こちらにもこの杖があります」

 ベルギウスは自信満々に杖を出したがシリウスの表情は芳しく無い。

「……その杖から魔法を出してみてくれ。杖に魔力を流せば先端から石が出る」

「はい……」

 ベルギウスはシリウスに言われるがまま杖を構え、そして魔力を流した。魔力を流そうとした。魔力とは何なのか分からないがとりあえず力を込めて念じてみた。

 しかし杖は何も反応しない。ベルギウスは申し訳なさそうにシリウスを見た。

「どうやって使うのですか?」

「そうだ、それは訓練しなければ使えない。現状私にしか扱えない代物だ。そしてわたしは魔法が使えるから必要無い」

 つまり現状は戦力において何一つ変わっていない。このままでは敵の圧倒的な力よりミラン騎士団の様にベルギウスの小隊は簡単に壊滅するだろう。

「それではミラン兵を要請しますか?魔法使いの正体が分かれば向こうも納得する筈です」

「それもあの態度では無理だろう。いくら敵の正体が分かっても協力はしない。そもそも嫌われているからな」

 ミラン兵の要請が望めない以上ベルギウスに残された選択肢は一つであった。

「この戦力で戦うという事ですね……いえ、この任務に着いた時から覚悟は出来ていました!一人王都に杖を届きに行かせて残りの部隊で奴等と戦いましょう」

 ベルギウスは覚悟を決めた。その瞳には恐れはない。自らの使命を全うしようと心が熱くなっている。

 そんな風に掛かり気味のベルギウスを宥める様にシリウスは話した。

「そう焦るな、杖の仕組みが後は分かれば簡単だ。これから魔法使いの仕事をしようじゃないか」

 シリウスは自信たっぷりの笑みを見せた。

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