表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奴隷転生の俺、最弱ステータスを敵にコピーできるチート能力で王国最強へ  作者: 賢い兄者
第一章 最強に満たぬ器

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/47

第14話「踏み落とす」

血の匂いがこもる洞窟の中で、俺は荒く息を吐きながらも必死に思考を回し続けていたが、さっきまでの戦いで一つだけ確信できたことがあった。


兵士には、効く。


魔力差で通らないのは“強い相手”だけで、目の前の近衛兵たちはそこまでの魔力を持っていない以上、俺のステータス転写は問題なく通る。


つまり。


「……全員、落とせる」


小さく呟いた瞬間、兵士が踏み込んできた。


速い。


だが、さっきまでほどの脅威ではない。


理由は単純で、“仕組みを理解した”からだ。


一人目の斬撃を紙一重で躱しながら、俺はそのまま距離を詰め、真正面から相手を捉える。


「――転写」


次の瞬間、兵士の動きが目に見えて鈍った。


筋力、敏捷、すべてが“俺と同じ水準”に落ちる。


さっきまでの鋭さが消え、踏み込みが甘くなる。


遅い。


そのまま腕を掴み、引き寄せ、膝を叩き込むと、骨に響く鈍い感触と共に相手の体が崩れ、そのまま地面に叩きつけられて動かなくなった。




「は……?」


周囲の兵士が戸惑う。


当然だ。


仲間が、急に弱くなったのだから。


だが、その理由を理解する時間はない。



二人目が来る。


三人目も同時に踏み込む。


俺は後ろに下がらず、逆に前へ出ることで距離を潰し、同時に二人の視線を引きつけると、わざと攻撃を誘って軌道を重ねさせる。


剣同士がぶつかり、動きが止まる。


その一瞬で十分だった。


「――転写」


二人まとめて視界に収め、片方へ意識を向ける。


成立。


次の瞬間、その兵士の動きが一気に鈍る。


バランスが崩れる。


巻き込まれるようにもう一人も体勢を崩す。


そこに踏み込む。


一人の顔面へ肘を叩き込み、もう一人の足を払って転ばせ、そのまま踏みつけるように押さえ込むと、二人とも動きを止めた。


「……ふざけるな!」


誰かが叫ぶ。


だが遅い。


もう分かっている。


この能力は“強くなる力”じゃない。


「……同じ土俵に落とすだけだ」


低く呟く。


強い相手には通らない。


だが、通る相手には絶対的に通る。


そして。


俺は弱い。


だからこそ。


「お前らも弱くなる」


兵士たちが一斉に踏み込んでくるが、その動きにはもう最初のような統率はなく、焦りと警戒が混じっていてわずかに連携が崩れているのが分かる。


なら。


終わりだ。



一人ずつ。


確実に。


視界に捉える。


近づく。


転写。


鈍る。


叩く。


落とす。



刃が体を掠め、血が流れ、痛みが積み重なっていくが、それでも動きは止めず、ただ淡々と目の前の相手を“自分と同じ場所”まで引きずり下ろし、その上で力任せに叩き潰していく。



やがて。


最後の一人が、後ずさった。


明確な恐怖が顔に出ている。


さっきまでの近衛兵の顔ではない。


ただの人間だ。


俺はゆっくりと歩く。


血が滴る。


足元に落ちる。


「来い」


短く言う。


兵士は震えながら踏み込むが、その動きはもう遅く、浅く、何の脅威にもならない。


一歩で詰める。


「――転写」


完全に落ちる。


そのまま体をぶつけ、地面に叩きつけると、動かなくなった。



静寂。


呼吸音だけが響く。


倒れている兵士たち。


全員、生きている。


だが、もう戦えない。



「……はぁ」


息を吐く。


全身が痛む。


血が流れる。


だが。


立っている。



視線を上げる。


残っているのは一人。


メルセデス。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ