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奴隷転生の俺、最弱ステータスを敵にコピーできるチート能力で王国最強へ  作者: 賢い兄者
第一章 最強に満たぬ器

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第4話「魔力の壁」

書庫。


静かな空間。


昨日と同じ場所。


同じ机。


同じ本。


だが。


進みが違う。


俺は本を閉じる。


「……増えないな」


手のひらを見る。


意識を集中する。


体の中。


魔力の流れ。


昨日よりは感じ取れる。


動かせる。


だが。


量が変わらない。


リュナが言った通り。


効率は上がる。


無駄も減る。


だがそれだけだ。


根本の量。


それが増えない。


俺は小さく息を吐く。


「これじゃ足りない」


魔族には届かない。


王にも認められない。


……別に認められなくてもいい。


だが。


通じないのは困る。


「……方法が違うか」


再び本を手に取る。


ページをめくる。


魔力の増やし方。


どれも似たような内容だ。


・継続的な鍛錬

・瞑想

・魔力循環


全部やっている。


だが遅い。


遅すぎる。


俺は本を閉じる。


机に置く。


「……他にないのか」


その時。


後ろから声。


「ある」


振り返る。


リュナだった。


いつの間にかそこにいる。


俺は言う。


「何がですか」


リュナは近づいてくる。


一冊の本を机に置く。


少し古い。


表紙も擦り切れている。


「外的刺激」


俺は繰り返す。


「外的刺激」


リュナは頷く。


「戦闘」


「極限状態」


「魔力は伸びる」


俺は少し考える。


確かに。


戦闘中。


魔力の流れは活発になる。


だが。


「効率が悪い」


リュナは否定しない。


「危険」


それも事実だ。


死ぬ可能性がある。


俺は本を開く。


内容を読む。


極限状態での魔力増幅。


危険性。


暴走。


最悪の場合、身体の崩壊。


俺は閉じる。


「却下ですね」


リュナは言う。


「普通は」


つまり。


普通じゃなければ?


俺は少しだけ考える。


だが今は無理だ。


「他は」


リュナが言う。


「魔力の質」


俺は聞き返す。


「質?」


リュナは説明する。


「同じ量でも」


「強さが違う」


なるほど。


量だけじゃない。


質。


密度。


純度。


俺は呟く。


「圧縮みたいなものか」


リュナは頷く。



試してみる。


手のひらに意識を集中。


魔力を集める。


集めて。


留める。


逃げる。


散る。


もう一度。


集める。


押さえる。


固定。


……難しい。


額に汗が滲む。


「……逃げるな」


意識で押さえ込む。


魔力が暴れる。


だが。


ほんの一瞬だけ。


まとまった。


「……今の」


次の瞬間。


弾けた。


消える。


俺は息を吐く。


「成功しかけた」


リュナが言う。


「今の感覚」


「覚える」


俺は頷く。



何度も繰り返す。


失敗。


失敗。


少し成功。


また失敗。


時間が過ぎる。


集中し続ける。


そして。


ついに。


手のひらに。


小さな塊。


目に見えないが。


確かにそこにある。


圧縮された魔力。


俺は言う。


「……出来た」


リュナが見る。


「維持して」


俺は力を込める。


維持する。


揺れる。


崩れそうになる。


耐える。


数秒。


限界。


消えた。


だが。


確かに。


今までより。


濃かった。


俺は息を吐く。


「これなら」


量が少なくても。


効く可能性がある。


リュナが言う。


「方向性は合ってる」


俺は頷く。



だが。


同時に分かる。


これでも足りない。


まだ。


決定的に足りない。


俺は椅子に座る。


天井を見る。


「……壁だな」


リュナは何も言わない。


否定もしない。


俺は目を閉じる。


考える。


量。


質。


効率。


全部必要だ。


だが。


それでも。


何かが足りない。


その時。


ふと思い出す。


ダンジョンでの戦い。


魔族。


影縫。


あの異質な魔力。


俺は目を開ける。


「……違うかもしれない」


リュナが見る。


「何が」


俺は言う。


「人間のやり方じゃ」


「届かないのかもしれない」


静かな言葉。


だが重い。


リュナは少しだけ考える。


そして言う。


「じゃあ」


短く。


「別のやり方」


俺は頷く。


「探します」


書庫の中。


無数の本。


まだ見ていないものがある。


まだ知らない方法がある。


俺は立ち上がる。


「まだ終わってない」


リュナが小さく頷く。



静かな書庫。


だがその中で。


確実に。


次の段階へ進もうとしていた。

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