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奴隷転生の俺、最弱ステータスを敵にコピーできるチート能力で王国最強へ  作者: 賢い兄者
第一章 最強に満たぬ器

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第3話「訓練場」

翌日。


王宮の中庭にある訓練場。


朝から騒がしかった。


「例の奴隷らしいぞ」


「王女様のお気に入りだとか」


「本当に強いのか?」


視線が集まる。


俺に。


……居心地は良くない。


カイルが隣で腕を組む。


「気にするな」


「こういう連中は結果しか見ない」


俺は答える。


「結果も出してないので」


カイルが苦笑する。


「お前な」


その時。


鎧を着た男が前に出てきた。


いかにも貴族という雰囲気。


無駄に整った装備。


「貴様がレオンか」


俺は軽く頭を下げる。


「そうです」


男は鼻で笑う。


「噂は聞いている」


「魔族を倒したらしいな」


少し間を置く。


「だが」


「快光がいたのだろう?」


予想通りの言葉だった。


俺は答える。


「そうです」


男は満足そうに頷く。


「やはりな」


そして剣を抜いた。


「ならば試させてもらおう」


「実力をな」


周囲がざわつく。


カイルが一歩前に出る。


「待て」


男が睨む。


「部外者は引っ込んでいろ」


「これは王宮騎士としての確認だ」


面倒だと思った。


だが。


断る理由もない。


俺は言う。


「分かりました」


カイルが小さく言う。


「無理するな」


俺は軽く頷く。



訓練場の中央。


距離を取る。


相手は構える。


無駄のない動き。


少なくとも弱くはない。


周囲の視線。


試されている。


俺は考える。


魔力はまだ少ない。


無駄撃ちは出来ない。


男が踏み込む。


速い。


剣が振られる。


俺は一歩下がる。


風圧。


ギリギリで避ける。


「ほう」


男が笑う。


「避けるだけか?」


次の瞬間。


さらに速くなる。


連撃。


俺は下がる。


避ける。


避け続ける。


……このままじゃ終わらない。


タイミングを見る。


一瞬。


踏み込みが大きくなった。


その瞬間。


手を上げる。


「ステータス転写」


対象。


目の前の男。


一瞬。


何も起きない。


次の瞬間。


男の動きが鈍る。


「……何?」


剣の軌道がぶれる。


遅い。


明らかに。


さっきより。


俺は一歩踏み込む。


軽く押す。


それだけで。


男は体勢を崩して転んだ。


静寂。


誰も動かない。


男は地面に手をついたまま固まっている。


「……力が」


自分の腕を見る。


震えている。


俺は距離を取る。


これ以上は必要ない。


カイルが言う。


「そこまでだ」


周囲がざわつく。


「今の何だ」


「急に弱くなったぞ」


「魔法か?」


男が立ち上がる。


悔しそうに歯を食いしばる。


だが何も言えない。


そのまま去っていった。



視線が変わる。


さっきまでの疑いが


少しだけ


興味に変わっていた。


カイルが言う。


「見せたな」


俺は答える。


「少しだけです」


リュナがいつの間にかいた。


「無駄が多い」


俺は苦笑する。


「分かってます」


リュナが言う。


「魔力の流れ」


「乱れてた」


確かにそうだった。


さっきの一撃。


かなり消耗している。


「……効率か」


リュナは頷く。



その時。


上から声がした。


「面白いものを見せてもらった」


全員が振り向く。


二階のバルコニー。


王が立っていた。


空気が変わる。


全員が膝をつく。


俺も倣う。


王がこちらを見る。


初めて。


しっかりと。


「今の魔法」


「何だ」


俺は答える。


「ステータス転写です」


王は少しだけ目を細める。


「……聞いたことがないな」


当然だと思う。


俺も知らない。


王は続ける。


「確かに妙な力だ」


少し間を置く。


「だが」


その一言で空気が冷える。


「それだけで魔族を倒したとは思えんな」


カイルが顔を上げる。


だが何も言わない。


王は言う。


「いずれ分かるだろう」


「真価も」


「限界も」


それだけ言うと去っていった。



静寂。


重い空気。


俺は立ち上がる。


カイルが言う。


「気にするな」


俺は答える。


「気にしてません」


本当だった。


だが。


少しだけ。


思うことはあった。


リュナが言う。


「証明すればいい」


俺は見る。


リュナは続ける。


「強くなれば」


シンプルな答え。


だが正しい。


俺は呟く。


「……魔力か」


まだ足りない。


全然足りない。


俺は訓練場を後にする。


向かう先は決まっている。


書庫。


やることは一つ。


強くなる。


それだけだ。

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