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第九話 繋がる気持ちと別れ

次の朝一番に私は私服に着替えて紙を持ち家を出た。


「今日でここともさよならか。」


私の心はまるで穴が空いたみたいに空っぽだった。涙すら出てこない。辛くなんてない。あの人のことも忘れよう。私は歩きながら今まであった出来事や町を見渡して思い出していた。

一方晴哉は友達に聖奈のことを言うと、聖奈の友達…友香子と菜々子は


「本気であのこがそんな風に思って書いたと思うの?あのこの家は有名な社長の家よ。聖奈は引き取られた子よ。血が繋がってないよ。あのこの親は聖奈に選ぶ権利を与えないわ。」


その事を聞き俺は思い出した。聖奈の家に聖奈の写真が一枚も無かったことを。俺は急いで走り出した。皆は後ろから


「走れ!バカ!」


と言われた。俺はその言葉の通りに思いっきり走った。

その頃聖奈は学校に着き職員室に行った。先生に紙を出し


「今までありがとうございました。」


と言って出て行った。私は校門で車を待っていた。これから空港に向かうつもりだ。

その時だった。私の前に現れたのは晴哉だった。


「何かあったんですか?」


と聞くと


「ごめん。俺が何も知らないせいで聖奈を傷付けた。本当にごめん!」


彼は頭を深く下げて言った。


「顔を上げてください。私は傷付いてませんよ。だから上げて下さい。中山くん。」


俺は彼女に中山くんと呼ばれたので辛かった。何で傷付けたんだと自分を責めて居た。


「ごめん。」


俺はいつの間にか泣いていた。


「中山くん…晴哉泣かないで。」


私は晴哉を抱き締めて上げた。晴哉も強く抱き締めてくれた。


「ありがとう。聖奈。俺がもっとちゃんと聖奈のこと分かれば良かった。だけどこれからは色々知っていきたい。だからこれからもずっと側に居て。俺ともう一度付き合ってくれないか?」


彼はハッキリそう言って私を抱き締めたまま離さなかった。


「だけど私アメリカに行かなきゃダメなの…。遠くに居てもいいなら私は付き合いたい。晴哉が大好きだから。」

それを聞いて晴哉は


「そんなのいいに決まってるだろ!離れててもずっとずっと側に居るから。必ず戻るときはメールでも手紙でもいいから送ってな♪」


彼はもう一度あの笑顔で笑ってくれた。


「分かった♪必ずメールでも手紙でもするから!」


二人は手を握り締めていた。

その時、後ろで皆が居るのが見えた。友香子や菜々子も居る。二人とも泣きながら私を抱き締めてくれた。嬉しかった。こんなにも優しくて怒ってくれる友達が居て。少し時間が経つと車が来た。


「聖奈様、お時間です。」


私が車に乗ろうとしたら晴哉は


「聖奈!大好きだよ!行ってらっしゃい♪」

晴哉の声は今までよりも大きい声だった。最後に私は


「これを皆にプレゼント♪要らないかもしれないけど是非使ってね!今までありがとう!」


皆にそう言って私は車に乗った。

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