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第八話 別れ行く二人

その人物は晴哉だった。私は玄関を開けて出ると


「おはよう♪」


と明るく元気に挨拶をしていたが私は驚いた。


「今日どうしたの?学校休みだよね?」


と聞いたら


「聖奈が暇なら遊びに誘おうかと♪」


彼はそのためにわざわざ私の家まで来てくれたんだと思った。


「暇だけど、家に居なきゃダメなの。」


と言った私に彼は


「家の中、誰も居ないなら入って平気?」


と聞かれたので


「平気だよ。入って良いよ。」


と私は言った。家の中に入った晴哉は


「凄いね!?こんなに広いのは初めて見たよ!?」


と凄く子供のように見てました。私は


「お茶淹れて来るから適当に座ってて良いよ。」

と言いました。彼はソファーに座って緊張してるのか、ずっと動かずに座ってるので


「いつも通りにしてて良いんだよ♪」


と言うと彼は


「分かった♪なんか聖奈に言われると安心するよ♪」


彼はいつも私を喜ばせてくれる。いつも笑顔にしてくれる。だからずっと一緒に居たかった。彼は落ち着いたのか私が持ってきたお菓子とお茶を飲んでゆったりとくつろいでいた。私がまだ立って何かやっていると


「聖奈、隣においでよ♪」


と言われたので、隣に座ると手を強く握ってくれました。それに凄く暖かかった。私は彼の肩にもたれてその時間を大切にしようと思いました。

その時、私は洗濯物を干しっぱなしなのでちょっと入れてくることだけを言い二階に行きました。

その頃、晴哉は思いました。


「何で一枚も聖奈の写真が無いんだろう?」


と不思議に思い、その時にテレビの下に封筒が置いてあるのに気付き、その封筒には自分たちの高校の名前が書いてあったので晴哉は、昨日の封筒かと思い立ち上がって封筒を取ってテーブルに置こうとしたら手が当たり封筒の中身が出てしまい、よくよく見ると留学届けでした。しかも名前と印鑑も押してありました。晴哉は


「何で俺に何も言わず勝手に決めてるの?」


と思い急いで二階に上がり聖奈に

「留学ってどういうこと?」


と聞かれました。


「勝手に見たの?」


と聖奈が言うと


「俺に何も相談もしないで決めたのは何で?ちょっとぐらい相談とかしてくれればいいじゃん。俺って頼りない?」


私は彼を傷付けたことに気付きました。そして私が喋ろうとしたとき


「もう良いよ。俺たち同じ気持ちだと思ったら全然違うな。聖奈は俺との関係はそんなに簡単に終われちゃうんだな。だったらもう別れよう。」


彼は静かにそう言った。それを聞いた私は


「分かった。今までありがとう。凄く楽しかった。毎日楽しい日々が続いて嬉しかった。本当にありがとう。相談しないで勝手に決めてごめんね。本当に今までありがとうございました。」

と彼に言うと彼は家を出て行った。私は一人になったんだと思った。でも前と変わらずに一人ぐらい平気だ。慣れっこだから。だから今回だって平気だ。私は泣いていた。

俺は聖奈の家から出て歩いていた。


「聖奈傷付けたな…」


俺は一人呟いて居た。だけど相談しないで決めたことに腹が立つよりも俺と離れることが嬉しかったのかと思う。だけどきっと聖奈の気持ちは多分いや、もしかしたら違うかもしれない。まだ俺のことを好きかもしれない。なのに俺は聖奈に何を言った、何をした。そうだ、傷付けてしまった。晴哉は心の中でそう考えていた。

一方聖奈は、


「あ、もしもしお母様ですか?私舞踊の学校に留学することになりました。なので明日、先生に用紙を出してアメリカに行きます。一人で大丈夫です。それからちょっとお金を借ります。執事の方がお金を手配していますので。あとは自分のお金があるので大丈夫です。それじゃあ電話切ります。」


と留守電だけ残した。私は部屋に戻り荷づくりをしていた。必要なものから全てを運ぶようにもう言ってある。また新しい所で過ごすとなるとたくさん勉強して舞踊の稽古もしなければならない。

稽古から色々やっていたらもう次の日が来る時間だった。

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