表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルークス~最後の希望~  作者: 文月ゆら
28/51

第三章 エンデミック①

 真理子が見たもの、それは地上での様子だった。

 町は崩壊し、人が住めるような状態ではなく、あちこちに感染者の姿が映っている地獄のような街の姿。


「今の地上だ。ウイルスは自然拡大し、ここまで広がった。今は、関西のありとあらゆるところに感染者がいる。まさか、こんなに早くラルドを突き止められるとは思ってなかったよ…君たちは優秀だな」


「そんなこと関係ねえ。俺が聞いてるのは、これが人工ウイルスで天然痘と緑膿菌を掛けわせたものなのか、何でここに天然痘があるのかを聞いてんだよ!これはお前たちが言ってるラルドってやつなのか!?」


「君の質問に一言で答えるとすれば、イエスだ。君たちはそこまで突き止めたのか…。君の言う通り、これは天然痘と緑膿菌を掛け合わせた人工ウイルス・ラルドウイルスだ」

「…ラルドウイルス…?あの、それって…」

「私の口からは言えない。これは機密事項だからね…。ただ、もうすぐお帰りになる、あの方なら話してくれるかもしれないよ…?」

「あの方って…?」

「…中原雅子…だろ?確か、コードネームはアマリリス…」

 ライラックは「さすがだ」と手を叩いた。そして、コントロールルームの扉が開き、雅子が入ってきた。真理子は思わず駆け寄って雅子に抱きつく。


「おばちゃん!!」

「マリちゃん…」

「一体どういうこと?これ…」

「アマリリス様…この二人がラルドとベクターについて突き止めました…」

 雅子は二人を交互に見て、「そう…やっぱり早いわね…」と微笑んだ。


「二人はどこまで知ってるの?」

 ライラックが説明しようと口を開いたとき、西条がそれを遮るように話し始めた。これは人工ウイルスで、天然痘ウイルスと緑膿菌を掛け合わせたものだと言うことを。

「天然痘ウイルスは、ソマリア人の青年を最後に自然感染の患者は報告されていない。それに、今の地球上で天然痘は存在しないと言われている。あるのは、BSL4の研究施設二か所だけだ。それなのになぜ、ここに天然痘ウイルスがあるんだ…」

「それはね…天然痘ウイルスをくれた人がいるからよ、西条くん。あなたたちが知らないことも、この世界にはたくさんあるの。あなたたち二人は、そのうちの一つを突き止めただけよ」


 雅子はそう言うと、自分の席に座り、二人を外へ出すよう命じた。それにライラックたちが従う。


「くそっ…。絶対に突き止めてやる。何が何でも、全部…」


 部屋に戻ってからの西条は様子がおかしかった。さっきまでの彼とは違い、どこか鬼気迫るものがあり、少し恐ろしく感じた。


「ブルースターさん…」

 真理子の呼びかけにも反応せず、ただひたすらに検体の分析をしていた。扉が開き、イクソラが入ってくる。


「何の用だよ…」

「私は解析班の主任なんで、ここにいるだけだ」

「主任か…監視だろ?どうせ隊長にでも言われたんじゃないのか?“あいつらを見張れ”って」


 図星だった。イクソラはため息をつきながら答えた。


「そうだ…。隊長から頼まれたんだ。君たち二人を見張れって。それと、伝言を預かってる。『今日から君たち二人には他の職員との接触を禁じる。二人の安全のために、自室に戻ることは許さない。許可があるまでは班室にいること』と仰っていた」


「何が安全のためだ。隔離…いや、監禁だろ…。だいたいの想像はつく。俺たちが病原体を突き止めたことによって、他の職員に漏らされることを危惧してるんだ」

「君たち二人は優秀すぎる。こんなに早くラルドウイルスを突き止めるとは思ってなかった。最後の計画を遂行するまで、君たち二人は監視させてもらう」


 イクソラはそう言って丸椅子を取り出し、静かに座った。二人のことを本当に監視するようだ。


「どうせやることなくて暇なんだったら、あんたは検体でも取ってくる仕事をしてくれよ」

 西条はそう捨て台詞を吐き、分析に戻った。

「西条さん…」

「アネモネさん、ここでは名前は禁止だと最初に言ったはずですが…」

「別に良いだろ。ここには二人しかいなくて、俺たちは知り合いだ。それに、あんたが俺たちに指図できる筋合いはない。マリちゃん、続きやろうか…」


 イクソラは何も言わず、口を閉じた。西条はわざとなのか、真理子をコードネームではなく、敢えて名前で呼んだ。ULIで仕事をしていた時のように。

そろそろ西条のキャラが崩壊しますよ。もちろん、意図的に変えてます

ウイルスが何なのか判明しましたが…これから二人はどうしていくんでしょうね…

全く見当も付きませんね…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ