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ルークス~最後の希望~  作者: 文月ゆら
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第一章 違和感②

コードネームとか出てきて、目がぐるぐる…

この後しばらくはグロイのは出てきません…多分

 どこか腑に落ちない顔のまま、六人はリアトリスの後をついていく。

 その様子を見ていたヘリの中の生存者は、お互い顔を見合わせ、どこか不安そうな顔をしていた。そして次々に生存者たちは呼ばれ、残りは真理子と西条を含む六人になった。

「西条さん…私たち、どこに連れて行かれるんでしょうか…おばちゃんはどこに…」

 真理子がそう言いかけた時、一人の男性隊員が現れた。

「私があなたたちを案内することになりました、調達班のミルトニアです。よろしく。先ほどのメンバーが検査を終え次第、みなさんも検査へ向かえますのでもう少しお待ちください」

 ミルトニアと名乗った男性隊員は、丁寧な言葉遣いで柔らかな雰囲気を醸し出している男性だった。男性隊員に西条が質問する。

「あの…先ほどの隊員さんたちもそうでしたが…、色々と班があるんですか?」

「ええ。私から詳しく話すことは出来かねますが、この施設には複数の班が存在しており、皆自分の役割を持っています。ここでも各自仕事があるんですよ」

「…花の名前でしたよね…?みなさん…」

 真理子が尋ねた。隊員は「あ、よくお気づきになられましたね。これが私どものコードネームです」と笑顔で答える。隊員は耳に着けたインカムを手で押さえ、聞こえてくる声に耳を傾けた。

「…了解。皆さん、準備が整いましたので検査の方へ向かいましょう。ついてきてください」


 ミルトニアと名乗る男性隊員についていく真理子たち六人。その足取りは重く、顔は強張っていた。ヘリポートから移動し、【検査棟】と書かれた建物へ入る。周りを見回してもそこにあるのは白い壁。狭い通路だけが延々と続く。案内されたのはベッドや様々な機械が置かれている一室だった。その奥にはビニールカーテンによって仕切られた小部屋のようなものが存在した。その佇まいはまるで、感染系映画のワンシーンを彷彿とさせるものだった。


「…ここで一体何の検査をしているんですか…?」

「ここでの詳細はお教えすることが出来ません。荷物は一旦お預かりします。後程お返ししますので。…では採血をしますので腕を出してください」


 医者と思わしき人物が腕を出すよう言う。それに従い真理子たちは腕を出した。駆血帯を上腕に巻き、消毒していく。腕に圧迫を感じていると、静脈が浮き上がり、抵抗なく鋭い針が皮膚を突き抜けて行く。少しの痛みを腕に覚えると、細いチューブを通し、血液が注射器の中へと吸い込まれていく。採決後も様々な検査を強いられた。

 ここへ来てどれくらい経ったのだろうか。休憩する間もなく、部屋を移動していく。身体検査が終わったと思えば、「今から適性検査を受けてもらいます」と別室に連れて行かれる。適性検査も終わり順番に部屋を出て行く際、隊員は画面で何かを確認し、左腕にシリコン製のバンドを巻いた。

 真理子の腕には青いバンドが巻かれた。何やら、うっすらと文字が見える。そこには【CLEAR】と書かれていた。


 「…クリア…?一体何のこと…?」


 真理子は不思議に思う。周りを見ると、みんなが青いバンドを巻かれているわけではなかった。赤、黄、青、緑、白、紫と六色のバンドが見えた。

「ねえ、真理子…これって何だと思う…?」

 そう声を掛けてきたのは、同じ部門の倉木羽衣(くらきうい)だった。

「全然分かんない…。私は青だけど、羽衣は黄色なんだね…。あ、ねえ…ちょっと文字見せて?」

 真理子は羽衣の腕に巻かれた黄色のバンドに書かれている文字を確認する。そこには確かに【CLEAR】の文字があった。

「同じだ…。六色のバンドにクリアの文字…コードネーム…検査…役割…?もしかして何かの組織とか…?ダメだ、全然頭が働かない」

「真理子ってさ、ちょっと人と違うよね。何か…頭が良いだけじゃなくて、勘もいいし、人とのコミュニケーションも上手いし、何か羨ましいな…」

 二人が会話をしていると、西条が近づいてきた。腕には真理子と同じ青いバンドが巻かれている。西条の腕に自分と同じ青いバンドが巻かれているというだけで少しの安心感を得られる。

「ここにいたんだ…。ねえ、中原さん見かけた?あの時隊員に連れて行かれてから一度も見てないんだけど」

「私も見てないんです…大丈夫かな…」

「多分だけど、彼女は大丈夫だと思うよ。確信はないけど、もしかしたら…」

 西条がそこまで言いかけた時、一人の隊員が呼びかけた。


「皆さん、検査はこれで全て終了です。腕にはきちんとバンドが巻かれていますね?それは絶対に外さないでください。では今から、ここの説明をしますので大会議室へ移動します。遅れないようについてきてください」

 隊員にそう言われ、生存者たちはあとをついていく。人が三人ほど並べば隙間すらできないような細い廊下を進んでいく。

 先ほどの部屋から三〇メートルほど歩いたところに、エレベーターがあり静かに乗り込む。エレベーターの中は人が密集していて、隣の人と肩が当たるくらいだ。誰一人、何も話さず静かだ。

 エレベーターを降りると、細い廊下がある。その奥に一段と広い部屋があった。ここがさっき隊員が言っていた大会議室なのか。


「順番に奥に詰めてください。隙間ができないようにお願いします」

 ぞろぞろと部屋に入っていく。さっきまで広く感じた部屋は、あっという間に狭くなった。生存者たちはこれから何が起こるのかと、不安を隠せないのか、黙る者、とりあえず話す者と様々だった。

「ガイア部隊隊長より、新隊員への挨拶と連絡がある。」

「ガイア部隊…?え…マジで中二病じゃん、ここ…」

 どこからともなくそんな声が聞こえてきた。


「静かに!隊長のお話だ」

 騒がしい部屋に、透き通るような低い声が響いた。隊員は“隊長”と紹介した男性に一礼した。

「皆、よくあの中を生き延びた。君たちのことを誇りに思う。私はガイア部隊隊長のライラックだ。今日から君たちは我々と共にここで生活し、働き、これからの日本を再建していくことになる。それに伴い、これからいくつかの説明と注意事項を言っておく。一度しか言わない。よく覚えておくように」

 自らをライラックと名乗った男性は、他の隊員より体が一際大きく、軍隊隊長と言う風格があった。

「ここは軍人ばかりいるの…?それとも…」

 真理子はそう言わずにはいられなかった。

「まず始めにこの施設について話をしていく。君たちも承知の通り、この世界は地球温暖化により一度は破壊された。陸地は以前の半分ほどとなり、それは今も続いている。そこで“ある計画”が考案され、そして施行された。この計画について詳しくは話せないが、君たちはその中を生き延びた生存者だということだ。そこで計画が考案された際に、この施設が建設されたのだ」

「あ、あの…この建物は一体どこにあるんでしょうか…。それにこの施設は一体…」

 誰かが、隊長・ライラックに尋ねた。


「この施設について詳しくは話せない。ただ言えることはこの建物は地上よりもはるかに安全であり、ここにいる君たちの安全は確保されていると言うことだ。あ、この建物はどこにあるかと聞いたな?…地下にある。この施設の入り口は地上だがそれ以下の建物は全て地下に存在してる。話せるのはここまでだ。最後に一つ、話しておくことがある。君たちは選ばれた存在だ。ただ、ここで生活するなら働いてもらう。“働かざるもの食うべからず”…だ。君たちが働き、この施設・国に従い、奉仕すると言うのなら、君たちは守られる。それだけは覚えておくように。あとの詳しいことはガイア部隊のイクソラ、デュランタ、カッシア、フリージア、ホップ、ルピナスから聞くように。以上だ」


 ライラックはそれだけを言うと、どこかへと行ってしまった。名前を呼ばれた六人は生存者たちの前に現れた。


「我々はガイア部隊である。先ほど隊長より紹介された六名が私たちだ。」

 そう言ったのはガイア部隊副隊長のイクソラだった。

「今から君たちの班分けをしていく」

「…班分け…?」

「なんだそれ…?」

「一体どういうこと?」

「やばいって…コードネームとかガイアとか本当に中二病じゃん…」

 生存者たちは皆、次々に口を開く。それを制止したのは熊のように大きな体の男性隊員・カッシアだった。

「静かにするんだ!今から話すことは君たちのこれからに関わることなんだ。今きちんと聞いておかないと、後で困るのは君たちだぞ。何度も同じ質問は受け付けない」

 カッシアがそう言うと、騒がしかった室内は一瞬にして静まり返った。イクソラはカッシアに近づき「ありがとう。助かった」とだけ言った。カッシアは軽く頭を下げると、一歩下がる。


「話を続ける。まず君たちの班分けだが、それは既に身体検査、適性検査時に行われている。君たちの左腕にバンドが巻かれているだろう。皆それぞれ、緑、黄、白、青、赤、紫と色が違う。それは班の色だ。この施設には六つの班がある。それぞれ、医療班、調達班、保護班、解析班、制圧班、調査班だ。そしてその班には名前がついている。【医療班・アスクレピオス】【調達班・クロノス】【保護班・ウラノス】【解析班・アテナ】【制圧班・アルテミス】【調査班・アネモイ】だ。君たちはこの六つの班に所属することになる。誰がどの班かは、のちほど説明する。この各班の業務内容については、フリージアから説明してもらう」

 「フリージア頼む」と声が掛かると、一人の女性が前へ出てきた。その女性はふんわりとした風貌ながらも意志が強いイメージを感じる。

「私がフリージアです。よろしく。今から、各班の業務内容を説明します…」


新隊員の誰かも言ってましたが、本当に中二病ですよね~

でも、ちゃんと意味があるんですよ!

ガイアとか…ね…うん…多分

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