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ドアスコープの中

あそこでの生活は正直大変だった、まず、水道が停まっていた。

私が支払いをして何とか使えるようにはなったが、呼んでおいてなんなんだと思う気持ちはあった、家はオブラートに包んでもごみ屋敷だった。

私はそれらを全て見ないふりをして片づけた、使えない何かの糞だらけの調理器具や得体の知れない液体に浸かった食器を、使うところだけ丹念に掃除をした。

一ヶ月後帰宅した私に■■は言ったそっちに引っ越すよ、と。

私の心の支えになるよ、と。

結果、■■は自分の母親は病気で、残されることになる妹が心配だからやっぱり行けない、そっちが来てくれと私に言った。

もっと優しい口調で、この頃から自我を通すのは本当に上手だった。

私には■■の妹より、もっと歳の若い妹がいたのに絆されてしまった。


私達は一緒にやっていけないということに、気づくタイミングは沢山あったはずなのに、その度にドアスコープから外を見るような、狭い視点でしか物が見れなくなっていた。

出会わなければよかった相手というのは、誰にでもあるのだろう。

でも、私はそれを選んだ。

比較的裕福に育った私は格差というものに、全く怯えることなく飛び込んでしまった、それこそ愛さえあれば大丈夫だと。

愛なんてたいして育っていなかったのに。

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