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覚えていないだけ

私が酒に依存していることは自覚していなかった、毎日酒を大量に飲む。

そこら中で粗相をしてしまう、それを処理するのは■■だ、なぜなら私には記憶がないのだから。

だからしかたがないのだ。

暴言を吐くことも多々あると聞いているが、■■が話を盛っているせいだと信じている。

これも私には記憶がないからだ。

文句があるなら、■■も飲めばいいと薬を飲んでいるにも関わらず酒を勧める、■■は一緒には呑まなくなった、夜中に一人で呑んでいるようだ。


■■は煙草をやめた、金銭的にもう無理だから、だけど私はやめる必要がない、周りに吸っている人がたくさんいるから、やめれるわけがない、だからお金がなくても我慢しろという、何かおかしい?

そんなことはない、環境のせいだから。


優しい人だとよく言われる、誰にでも優しい人だと。

特に身内にはとても弱い、大体のことは聞いてしまう、■■にも優しい。

表面だけ薄らとなぞるように優しくしている、結局は私の我を通すための布石なのだが、それを完全に優しい顔の下に隠してしまっておいて見せない、忘れているぐらいが丁度いい。


胃の下の方がむずむずする、こんなに続けてきたんだ、私には帰る場所も何もないんだ、そう言い聞かせていつもの毎日を送る。

■■が憎い、抱えきれないほどの憎悪を抱いている自分に気づく、それでも優しい人だから、私にはとても優しい人だからと言い聞かせる。

私の中で温めて来た暗くて重たい塊が、吐き出されそうになっているのかもしれない、それはとても怖いことだ。


酒に溺れたのは私のせいじゃない、■■のせいだ。

これだけは言える■■の態度が悪いからだ、私の思いどおりにさせてくれない、だからお酒に逃げる。お酒に酔ったら何があったか分からないふりをしても大丈夫だ、実際半分は忘れている。


死んだ親の借金を整理した、相続放棄手続きを■■にしてもらったにも関わらず、連帯責任者に自分の字でサインした書類を持ったやつが現れたからだ。

内緒で自己破産をした。ばれないように共用のクローゼットの隅に書類を放り込む、しばらく経ってもばれていないのですっかり油断していたら、ある日深刻な顔をした■■に書類を差し出された。

私は仕方なかったこと、心配すると思って言えなかったことをつらつらと述べた。

■■は泣いていたが、これが最善の方法だと信じて疑わない。

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