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これは、呪いか祝福か  作者: 宍戸 オウカ
3/5

第三話 始まり

ダンジョン入口に着くと、最初に感じたのは違和感と不安だ。


「なんか、ヤな感じするな……」


「あぁ?情報無いことが滅多にないから不安なだけだろ?」


「結構湿気とか凄いね……それじゃない?」


「空気の通り……よし、取り敢えず慎重に進みましょう」


俺の感じた違和感も、仲間の頼もしさに比べれば大したものではない。大きく息を吸いゆっくり吐き出す。


「よし!行くか!」


ガルドを先頭に、ダンジョンへ入って行く。


――数時間後――


「ガルド!右を押さえてろ!」


「ミナ後ろの二機!頭部と胸部」


「シオン!ガルドの援護!」


矢継ぎ早に、指示を出す。皆が的確に動き対処する。

指示を出しながら俺も動く。ガルドとは反対側の魔機械を食い止めた。


「レオン下がって!」


シオンの言葉に反応して身を引く。次の瞬間、矢が魔機械の胸部にあるコアを貫いた。


「ふぅ……助かったよ」


尻もちをついていた俺にガルドが手を差し出す。


「相変わらずいい指示だ!」


ガルドの手を握り立ち上がる。


「ミナ、シオンどうだ?」


「大丈夫ぅ〜」


「私も気配は感じないかな」


ミナとシオンが、警戒していたので状況を確認する。


「なら、少し休憩しよう。倒した魔機械の回収とマッピングの確認」


三人はうなずくと、それぞれの作業に取りかかった。

ガルドは魔機械の回収、ミナはマッピング、シオンは休息場所の設営。俺は手の足りないところを補う。


「マッピングは?」


「順調、ここまでの道は滞りなく」


親指を立てドヤ顔をする。


「なら、もう少し進んでみるか」


「お~い、こっち手伝え!」


「おう!」


ガルドと一緒に残骸を回収しながら、出現した魔機械の種類を確認する。


「うわっ……こいつらいるなら大型いそうだな」


「だよなぁ!」


「あんまりワクワクした顔すんなよ……」


中型の偵察機を見つけてゲンナリしてると、ガルドが楽しそうに同意する。


壊れてないコアを回収する。魔力で動く装置――「アミュレット」に使われる部品で、魔法使いや研究者には高く売れる。


「出来たよ」


回収を終え戻ると、シオンが軽食を作ってくれていた。


「ありがとう」


「お、美味そうだな」


「お腹空いたぁ〜」


シオンが作った軽食を囲みながら、今後の探索を確認する。


パーティー結成当時は結構揉めたっけ……


その日は交代で見張りをしながら休み、翌日から探索を再開した。

それからも大きな問題は起きない。

いつも通り――いや、いつも以上に順調だった。

暫く進むと、様子がおかしい事に気付く。


「なんだ、このキズ?」


最初はガルドの言葉だった。

壁面には、深く抉られたような傷が走っていた。大型の魔機械でも、これほどの痕は残せないはず…


「あれ……」


ミナが指差した先には、バラバラになった小型・中型機とそれの指揮機であろう大型機が転がっていた。


「いったい何が……?」


疑問を口にしたとき、怖気が走る。

壁が動いた。

いや、違う。

あれは――


「ガルド!」


咄嗟に声を出す。


「は……?」


ランプの光を鈍く反射する爪が、ガルドの胴を貫いていた。


「くそ!ミナ!」


手持ちの最大火力をぶつける。

ミナも同じ判断だったのか武器は既に抜かれていた……しかし、結果は……


「うそ!?無傷!?」


「ミナ!逃げろ!」


言い終わる前に、彼女の体が吹き飛ばされる。

何か言いたかったのか、口だけ動いていた。

声は届かなかった……


「シオン!引くぞ!」


声を張り上げる。出口に駆け出す。

後ろからは、死が迫る。

チラリと後を見ると、アレが追ってきていた。


「くそ!」


声を張り上げ、考える。どっちが生き残るかを……


「行って!」


俺が決断するよりも、シオンの方が早かった。

シオンが足を止め迎撃態勢をとる。

足が止まりかける。

ここで、止まれば二人とも死ぬ。


「ごめん!」


走る。振り返らず。視界がボヤける。

背後からは、石床を砕く重い足音が迫る。

それは、死そのものが迫ってくる音だった。


「あぐっ!」


足元に転がっていた魔機械の残骸に躓いた。


「くそ!あっ……」


最後に見たのは、迫りくるアレの足の裏だった――


――声が聞こえた。

――誰の声だ……?


「よっしゃ!なら、一旦解散だな!出発は明日の朝で良いよな?」


「は?」


理解ができなかった……

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