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第二次世界大戦を乗り越えろ!  作者: 湖灯


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【アメリカの欧州戦争参戦】

 1941年6月7日(日本時間)にアメリカのルーズベルト大統領と日本の吉田首相との間で日米共同宣言として発表されたPPSA(Pan-Pacific Security Agreement=環太平洋安全保障協定)により、前史で起こるはずだった日本とアメリカとの戦争は回避することができた。


 6月中旬にはこの協定に基づいて横須賀には早速アメリカの戦艦「アリゾナ」が軽巡洋艦「ヘレナ」と「ホノルル」と共にやって来て、同じころ山口多聞少将が空母「飛竜」と巡洋艦「利根」と「筑摩」と共にハワイに到着。

 空母飛竜は、大西洋方面に移動したアメリカ空母「レキシントン」と「サラトガ」に代わり、空母「エンタープライズ」がフィリピン方面の航空輸送で留守の間、真珠湾にてハワイ諸島近海の安全と訓練を担う。


 また日本側のハブ空港となる八丈島空港、硫黄島空港、サイパン空港を整備するために空母「蒼龍」と強襲揚陸艦「大鯨」が駆り出され、広い搭載スペースを保有する2艦は意外にもこの任務で大活躍をすることとなった。


 ただ良いニュースばかりではなかった。

 6月22日、欧州戦線では遂にドイツが独ソ不可侵条約を一方的に破り、ソビエトに侵攻作戦を開始した。

 ドイツを中心とする枢軸国にはこのタイミングでフィンランドも加わり、ルーマニア、ハンガリー、スロバキア、クロアチア、イタリアの7カ国総勢300万人規模の軍隊がソビエト領内になだれ込み、この不意打ちにソビエトはなすすべなく退却を余儀なくされ6月29日には白ロシアの大都市であるミンスクが陥落した。


 イギリスのチャーチルはいち早くドイツ軍のソビエト侵攻翌日の23日にソビエトへの全面的な支援を表明したが、アメリカのルーズベルト大統領は沈黙を守っていた。


 7月4日、アメリカはこの独立記念日に急遽ドイツとイタリアなどの枢軸国に宣戦布告を行い、その日のうちに空母「レキシントン」「サラトガ」「レンジャー」「ヨークタウン」「ホーネット」「ワスプ」6隻からなる大機動部隊を地中海に派遣した。

 そして翌8月にはモロッコと地中海に面するアルジェリアに上陸作戦を行った。

 (※前史で1942年11月8日に行われた「トーチ作戦」に類似)

 上陸の支援にはイギリス海軍の「イラストリアス」「フォーミダブル」「ヴィクトリアス」そして東洋艦隊から移動してきた「ハーミズ」と「イーグル」の2隻も参加していた。

 上陸部隊は直ちに飛行場の整備に取り掛かり、その間に米英合わせて11隻の各空母はこの地域の制空権を確保するとともに、運用していた航空機の半数以上を地上に造られた滑走路へと移した。


 そしてこの戦いで一躍脚光を浴びたのが1937年にブルースター社が開発したF2Aバッファロー艦上戦闘機で、これは1940年にエンジンをライトXR-1820-22星型9気筒空冷エンジン(950馬力)から爆撃機用に開発されたライトR-2600-11星型14気筒空冷エンジン(1600馬力)に換装しF2Bとして生まれ変わった戦闘機で、ずんぐりとした見た目とは異なり圧倒的な機動力を誇り、ドイツ軍の主力戦闘機であるメッサーシュミットBf109F(1270馬力)を圧倒した。


 前史では零戦の餌食となるだけだった戦闘機の驚くべき変化に、もしやアメリカにも柳生さんと同じ未来の科学者がいるのではないだろうかと驚いていたら、これはサンフランシスコに行ったときに太平洋を無給油で飛んで来た我々のLC-11旅客機を見学に来たアメリカの航空技術者に柳生さんが教えたものだと言った。


「教えたって!? そんな機密情報を漏らしたことが発覚すれば、いくら柳生さんが技術者として優れた実績を残していても、ただではすみませんよ!」

 私は周囲を気にしながら慌てて忠告すると、柳生さんは呑気そうに、こう言った。

「俺は先方が、早急に戦闘機用の大馬力エンジンが必要で困っていると言うから、大馬力エンジンなら爆撃機用のエンジンがあるだろうと言っただけで、向こうがそんなに簡単に言われてもと駄々をこねるから、ビア樽ならポン付けできるぞと教えただけだ」と言った。(ビア樽とは、F2Aの仇名)


 たしかに9気筒のXR-1820-22エンジンを搭載しているF2Aになら、全長は長くなるが7気筒×2の14気筒R-2600-11エンジンなら、同じライト社製品で載せ替えも比較的スムーズに行きそうだと思った。

 しかしたった1ヶ月で発動機を換装し、機体設計にも改良を施して実戦に投入できるだけの数を揃えることのできるアメリカの工業力には、あらためて驚かされた。


 米英の連合軍部隊は11隻に及ぶ空母の大量投入によりアルジェリア上陸から1か月後の9月中には地中海西部での制空権と制海権をほぼ確保することに成功した。


挿絵(By みてみん)

 XR-1820-22星型単列9気筒エンジンから、R-2600-11星型複列14気筒エンジンに換装したことで全長と機体重量が増加したため翼面積を広げて翼面荷重下げる必要があり、その際に中翼から低翼に設計を変更した。

 低翼と翼面積の向上で、以前より格段に運動性能が上がった。

挿絵(By みてみん)

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