驚かすなよ!!
驚かすなよ!!
「疲れたーー」
家に帰ってすぐにリビングにあるソファーにダイブした。あの後30分くらい練習してから解散をし、おのおの自分の家に向かって帰って行った。竹田と咲がいつもと道が違ったが、それを考える気力はもう無い。
「お兄、汗かいてるから先にお風呂入って」
「はーい」
美春の言うことを素直に聞き、翔流は風呂場に向かった。
「スマホスマホ」
翔流はいつもスマホでアニソンを掛けながら風呂に入るのがお決まりだった。そしてそのスマホは制カバンの前ポケットに入れている。だが、この日は……
「……」
「……お兄まさか」
「……制カバン部室に忘れた」
「……で? どうするの?」
「明日で良いかな?」
「数学の課題、明日提出だよ」
「……まあいっか」
「お兄?」
美春の圧に流石に耐えられないため、面倒くさいけど取りに帰ることにした。
外はもう暗い、時間的にもう夜だった。そして学校、しかも夜の、こんなの……。
「ホラーイベントが起きる予感しかしない」
こんな風にのんきな事を言ってるが、
(怖い怖い怖い怖い)
内心メチャクチャ怖がっていた。のんきな事言ってないと翔流は今にも泣き出すようになっていた。じっさい足がガクガク震えている。
「……よし」
翔流は覚悟したのか、正門をくぐった。正門がまだ開いている理由はおそらく、見回りの警備員と校長先生がいるからだろう、なぜか校長先生って夜遅くまで学校いるよね。
いつもの教室が少し不気味に、廊下がいつもより長く感じる。この学校には学校七不思議が存在する。そのうちの一つ、”無限廊下”と言う物がある。夜に学校の廊下に1時間いると、廊下が無限に続く空間に閉じ込められる、と言う物だった。その事を思い出した翔流は、見回りの警備員に見つからないように、制カバンが置いてある部室へ急ぐ。
「……なんで?」
七不思議の一つ、”文芸部の呪い”と言う物がある。内容は、夜に文芸部の部室の電気が付いていて、中から不気味な笑い声がする、と言う物だった。そして翔流の目の前には文芸部の部室。しかも電気が付いており……
「わははははぁ」
笑い声が聞こえる。なんでも事故で亡くなってしまった文芸部の部員が、ラノベが恋しくて夜な夜な部室に現れては、ラノベを笑いながら読んでいる、だとか。
「……確認、うん。絶対幽霊じゃない」
そう言い聞かせて、部室のドアを開けて中を覗く。そこにはバスケのスポーツ系ラノベを呼んでいる竹田と咲がいた。
「いやお前らかよ!! おどかすなよ!!」




