クレーンゲームの才能
クレーンゲームの才能
100円玉を入れて、美春が欲しいクマのぬいぐるみを狙う。
「ここだな」
「お兄さん大分ずれてますよ?」
「良いんだ」
翔流がアームを降ろした場所は、ぬいぐるみよりかなりずれていた。
成美は(失敗でしょ)と思っていたが、なんとちょこんと座っているぬいぐるみをアームで倒して取り出し口に落ちてきた。
「え? すご」
「お兄昔からこうゆうの得意だよね」
美春の言うこういうのは、このクレーンゲームや、射的などといったゲームの事を指している。なぜ翔流がこういうのが得意かというとそれは今から9年前翔流が小学1年生の頃……
「うっ……ぐす」
「何だ? またいじめられたのか?」
「ぐす、……うん」
「そうか……」
翔流が幼い頃、結構いじめられていた。そしてそれに激怒した両親が学校の先生に言ったものの全く相手にされず、今は転校の手続きをしているところだ。
「ならそんな翔流にこれを授けよう」
そうして父がくれたのが、ラノベだった。
それ以来、翔流はラノベに熱中した。ラノベは翔流の心の支えに鳴り、翔流の生活の一部となった。そして2年経った翔流が3年生の頃。
『……』
『何だ? それが欲しいのか?』
『え? あ、別に』
『どれどれ』
そうして主人公がヒロインのためにその景品を取り、ヒロインにあげる。よくあるストーリーを読んでいた翔流は、こう考えた。
「クレーンゲーム上手ければモテる?」
当初、翔流はかなり恋愛に興味があり、好きな人もいた。好きな人と言っても2次元のキャラクターだが。
クレーンゲーム上手い+彼女|(好きなキャラクター)=ラノベみたいなことが出来る!
(よっしゃーー!!)
そう考えて以来、翔流は毎日のようにゲーセンに通い、結果。
「ただいま~~」
「お帰り……て、どうしたのそれ」
ほぼ毎日のように手にいっぱいの景品を持って帰っては母親を困らせていた。
ちなみに景品はメ○カリで売ったため、クレーンゲームするためのお金には困らなかった。
「と言うな事があってこうなった」
「黒歴史を勝手に言うな!!」
「へ~~」
「そこ!! 良いこと知った、て顔するな!!」
そんなこんなで翔流がクレーンゲームが上手い理由でした。
「そうそう」
何か面白い話を思い出したのか、美春が少し笑いながら言った。
「中1の時ね、お兄が」
「美春? お前分かってるよな?」
翔流の圧にも動じず美春は告げる。
「『勉強できればモテる!』と思ってテスト3日前から勉強したらね、学年末テストで学年1位とっちゃったの、凄いでしょ」
「わーあー!成美には聞こえなーい!」
「お兄さん普通に聞こえてますよ?」
「くそがーーー!」




