表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/61

28 魔法について

前三話分(25~27)が重複投稿となっていました(><;

重複投稿分は編集しましたが、繰り返さない様に今後は注意したいと思いますm(_ _)m

 

「え? どういう事?」

「単純だ。

 付与しておけば、その場で刻む必要無く効果を得られるだろ。

 だから、付与魔法を扱える様になった訳だけれど、その本分は刻印魔法でしか無いんだよ、オレにとっては」

「貴重で価値ある付与魔法が、アルにとってはおまけ扱い・・・」

「ライザ、そういうものなんだって諦めようよ」

「おい、諦めるって何だ?」


 そもそもの立ち位置が違うのだから、こうしたズレは仕方が無いだろう。

 それを言えば、イルナが薬関係の知識や技術を持っている事で見えるものや、感じる感覚の差や、ライザの純粋な探索者としての能力の高さを、他の二人が羨む事や、理解出来ない事も有るのだから。


「まあ、良いか。

 それより結構のんびり話し込んだな。

 急ぎ必要な物が無かったから良かったけれど、そうじゃ無ければマズかったな」

「そうだね。って、そう言えばそろそろ夕食時だけど、アルさんって普段食事はどうしてたのかな?」

「大抵は外食?」

「だから、何で疑問系?」

「まあまあライザ、良いじゃない。

 でもそうなると、食材とか無いよね。あればわたしが作っても良かったんだけど」

「イルナは料理出来るのか」

「そりゃ、一応女ですから・・・って、ライザは仕方無いよ。貴族様だったんだからさ」

「なっ! 私だってこの二年半で、キャンプ中の野営食くらいは作れる様になったぞ」

「うん、そうだね」

「まあ大丈夫だ。ほら、家は色々普通じゃ無いし」

「・・・何か、心が痛いよ」


 ちなみに、標準的な野営食は、乾燥野菜や干し肉を煮込んだスープや、採れた獣を捌いて焼く、といった物になる。

 ある意味では、元貴族令嬢であったライザとは程遠い、ワイルドなものであるが、その分料理と言えるかもまた、微妙なところであろう。


「一応食材もそれなりにある事は有るけど、ライザも気にしなくて良いから。慰めじゃなくて、本当に家は色々普通じゃ無い。

 例えば・・・」


 アルは自分の無間袋から、幾つかの料理を取り出すと、テーブルの上に並べた。

 その料理は、ある物は出来たての様に湯気が上がり、ある物は素材の瑞々しさが新鮮さを示していた。


「これはこの前、迷宮に潜る時に一応用意しておいたやつだ」

「え? だって日数が経ってるじゃない」

「説明忘れていたけど、無間袋の中って、時間経過が無いんだよ。

 まあ実際のところ、無間袋ってのは北方の師の渓谷とかの、次元の裂け目の限定再現術式を付与している状態だから、何で見た目より物が入るのかとか、何で時間経過が無いのかについては分かっていないんだけどな」

「そうなんだ。って、もしかして迷宮を潜る時にも、こうした料理を持って行けるって事だよね?」

「あまり知られていない使い方だけどな」

「うん。更に無間袋って、持ってる事を知られちゃいけない事が分かったよ。

 持ってる恩恵が大きすぎるよ!」

「そうだね。注意しないと」


 自分達が貰った物の危険性と、アルが自分の正体を隠している理由を再確認する、ライザとイルナであった。


「とりあえず、だ。イルナが料理出来るならば、無理が無い程度に手料理を楽しみにしておくよ。

 食材は、キッチン横の箱に入ってるから、好きに使ってくれて良い。

 元々迷宮に入る時に用意した、食材の余りを入れてるだけだから、種類や量はかなり適当だけどな」

「・・・えっと、アルさん。ちょっと嫌な予感がしたんですけど、迷宮用の食材の余りを入れているって事は」

「ん? ああ、要は箱に無間袋と同じ付与をしている、あえて言えば無間箱?」

「やっぱり! うん、そんな気はしてたんだけどね」

「アルの傍にいると、魔道具が普通の道具に感じちゃうんだけど」

「それでいて、魔石とか魔晶を使っている物がほとんど無いっていうのが、ねえ」


 魔道具自体は、簡単な物であればそれなりには出回っている。

 勿論、アルが付与した魔道具よりは、性能的にも低く、機能としても単一的で、魔物が残す魔石や、魔力が多い地に出来ると言われる魔晶を使って魔力が供給されて、初めて動作する仕様の物が、一般的に目にする魔道具である。

 その為、魔石や魔晶に蓄積された魔力が無くなれば、新しく魔石や魔晶を買わなければならず、維持費がそれなりにかかる事となるのだが、アルによる魔道具は、基本的に魔石等は使わないのだ。


「出回っている魔道具への付与は、儀式魔法による魔法陣を刻んでいるからなあ」


 魔法陣は、要は属性魔法で術者が展開する魔法の術式を、形として示しただけの為、発動させる為には魔力を必要とするのだ。

 それに対して刻印魔法の場合は、その刻印自体が意味を持つ為、大気中の魔素を用いて発動する事が可能となるのだ。


「どこかの商会が売っている、騎士団や軍向けの輜重馬車は、無間袋の儀式魔術再現版だしな。

 あれは実際の、一.五倍程度の積載量程度で、銀ランクの魔物の魔石が十個必要らしいぞ」

「それって、意味あるのかな?」

「時間経過の影響を受けない事と、荷物重量で馬車が重くならないっていう利点も有るから、意味はあるだろ」

「でも、刻印魔法で造るより、効率悪いね」

「まあ、仕方が無いんだけどな。

 儀式魔法の魔法陣は、その意味を一切知らなくても、全く同じ様に刻みさえすれば、後は魔力供給さえ出来れば発動するけど、刻印はそうも行かないから、誰もが扱えるって訳じゃない。

 結果的に、術師は探され、追い回されるから余計に隠れる。そうなれば同じ刻印術者同士の繋がりさえ生まれないから、技術や知識は広がらない。という悪循環があるからな」


 加えて、刻印魔法はその刻印自体の意味を理解して、そのイメージをきちんと持った状態で刻印を施さなければ、いくら正確に刻印を施しても発動しないのだが、その意味自体がかなり抽象的な為、人から人へと継ぐ事も難しいのだ。


「だから、刻印魔法や付与魔法を扱える人が増えないんだね」

「まあ、実は方法が無い訳じゃ無い。

 要は言葉等で“示す”事が難しいってだけで、イメージそのものを“認識”させれば、教え育てる事は可能なんだ」

「そんな方法が?」

「有るには有る。実際にオレが、その方法で扱える様になったからそれは確かだ。

 ただ、その方法を使う為にどうすれば良いか、そして何より、その方法を使った場合、使われた側への影響が分からない」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ