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俺みたいなダメ人間でもやればできると信じたい  作者: 富田雄也
第六章 心強い新メンバー
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第六章3話 戦闘準備

昨日投稿してたと思ったら投稿できてなかった!

申し訳ないです…

 それは日が上る前の事、少し肌寒く変わった風に寝返りをうち地面の少し痛い感触でうっすらと意識が覚醒されていく。

 すでに皆起きている模様で、俺が最後なのだと思い少し申し訳なく感じる気持ちを抱き、寝ぼけ眼のまま置き上がる。


「みぃ」


 声を掛けようとすると、すぐさま口元に柔らかい感触口に当たった柔らかい感触の勢いに負け、先ほどまで横になっていた場所に逆戻りする。

 その時目に入ったのはローリェの顔、一瞬の出来事に何が起きたのか分からないまま、覚醒する。


 口に当たる柔らかい感触、目の前に居るローリェ。

 底から導き出される感触の答えは……と下に視線を移すと手であった。

 少し落胆すると同時に現状の把握を優先されて居ることに気づく。


 俺が以外のメンツがすでに起きており、声を掛けようとしたところすぐ隣で寝て居たと思われるローリェが声を発するか発しないか絶妙なタイミングで口をふさぎにかかった。


 この時点で現在の状況が異常なことは容易に想像できる。


 寝起きの頭でここまで回る思考に少し驚くが、彼女が目の前に居るから頭がすっきりし、寝とぼける間をすっ飛ばし覚醒へと導いたのだろう。

 彼女が目の前におり口に柔らかい感触、それだけで妄想をかきたてるには申し分なかったということだ。


 「ふぇふぉういふほうふぉうふぁ?」


 現在の状況を察することが出来るのは声を発してはいけないということ。

 そのことを考え極少量の音量になるよう努めもごもごさせながら彼女に問う。


「あ、ごめんなさい」


 もごもごしたせいかのしかかる形で俺の上に乗っていたのが恥ずかしくなったのか、少し顔を赤らめながら小声で謝罪をし、手をのかすと同時に俺の上からも退散する。

 先程の感触を名残惜しく思う気持ちをどこかへ投げやり状況把握に専念する。

「でどういう状況なんだ?」


 再度同じことを聞く。

 先程と違い口を妨げる手はないためしっかりと明瞭な声になり口から放たれる声に


「私もよく分かって無いんだけどどうやら耳のいい、モンスターに周りを囲まれてる? らしいの」


 誰が察知したのかは分からないが、辺りを警戒している三人の誰かが察知したのなら彼等に疑惑の目を向けることは無く信じることが出来る。

 ただどうして察知できたのかは後学のために聞いてみたいが……聞いたところで俺に歯真似できないだろからやめて置く。


「大人しくしておくか」


 どの程度耳が良いモンスターか分からない以上小声で喋るのも最低限に止めて置いた方が良い。

 仮にその情報を聞きたいがために彼らに近づこうとしたときに、短くはない道のりで物音でも立てたらそれこそ彼らが警戒している意味がなくなってしまう。


 このまま空でも眺めておくか、と横になったまま木々を眺めているとふと疑問に思う。彼女は何故俺の発言を止めるためとは言え、俺を押し倒すような真似をしたのだろうと。


 もしそれで俺の声より大きな音が出れば、声を制しする意味がなくなり、それどころか制しするよりもひどいことになっていたかもしれない。


 そこまで至りどの程度の声量で発するか分からない俺より下が草はでクッション代わりになり、さほど大きな音にはならないと考えたのなら、逆にその程度の音では反応できない距離に居るか。

 一定量以上の音に反応するのではないのか?


「なら……」


 考えがある程度まとまり、この状況を打破するために少々の賭けに出ることにする。


「ローリェちょっとあいつらのとこまで行ってくる」


 そう言い残し彼女から少しでも情報を聞けばいいものを彼等の方へ向かう。

 彼女が情報を知りえない事実を確認したのもあるが、最悪もたもたしてると位置がばれると焦ったのもある。


 音を出さない様足元を注意深く観察し、小枝がない部分を見極め少しずつ歩を進める。

 ローリェに言い残し数秒数十秒と時間が過ぎて行くがこの繊細な作業を行っている俺にはまだ数秒すら経っていないのでは、と思わせる。


 小さな物音一つ立てるごとに頬を伝う汗が地面に落ちる音を聞き、この音で聞かれないのか? とまた不安になりと永遠に続くのではと思われる悪循環に心おられることなく何とか彼等の居る場所までたどり着ける。


「後月、ヴァインズ、コロネ、状況を聴かせてくれ」


 小声でしゃべりかけると驚きをあらわにする三人。

 だがあらわにするだけで物音をたてない辺り流石と言った感じだ。


「ぬしさまどうしてここに」

「君というやつは……」

「兄者?」


 状況を聞いたのに驚きの言葉をかけられる、そこまで皆に驚かれると来てはいけなかったのか、と少し不安になる。


「そう不安そうな顔する出ない」


 いち早く不安を見抜いたのは幼女だった。彼女は心情の変化に敏感なところがある。俺が表情に現れ過ぎているだけだと今までは思っていだが、彼女は察しがよすぎる気がする。

 だからこそ話も彼女が最初に語りだした。


「わしらはシカに囲まれておる」


 鹿!? と驚きに思わず声を上げてしまうところだったのを口元を両手で抑え何とか押し黙る。

 先程の柔らかい感触と違い、ごつごつ硬いてなのにショックを受ける。


「一々ショックを受けるでない」


 そう叱咤する幼女は幼子を教育する老婆の様に見えてしまった。

 幼女に対し失礼だし、彼女をそう見えてしまった自分の不甲斐なさで気持ちの切り替えに成功する。


「それで?」


 気持ちの切り替えには成功したため、話の続きを促す。


「シカとは角の生えた、毛むくじゃらなモンスターで耳は小さいが接近してれば極小さな音でも拾える。遠ければその分制度は落ちるが、方角くらいは分かる耳が良い変わりに目が悪い」


 どこもかしこもいいって事はないのか、ただ容姿を聞くに鹿で想像して間違いなさそうだな。ただ固定概念にとらわれないようにしないといけない。

 鹿だと思い実際現れたモンスターとの差異に驚き判断が遅れては困る。


「ならつくなら目か……」


「そうなるな」


 弱点をつくしかない、つく弱点があるということはそこをつくべきして作られた弱点なのだ。

 弱点がないものは存在しない。それが物が足りの鉄則で有り、人生の鉄則でもある。

 完璧なものなどこの世に存在しないのだ。創造主とされる神ですら時に間違え過ちを犯す。

 だからこそ人に考える術を与えたのだ。


「あとは足が速く、体が華奢ながらスピードと角を活かした突進が脅威じゃぞ」


 森では突進力は殺される木々が邪魔で避けながら走るとどうしても速度が落ちる。それとも木々に視界や前方を遮られた状態でも速度を落とさない術を持っているのだろうか?

 術もなしに自分の取りえを潰すような場所に生息はしないか……


「なら後方から忍び寄るが良さそうだな……」


 だが忍び寄るにしても近づくとその時点で位置を知られ攻撃される。

 何か術はないのだろうか?


「肝心なこと聞き忘れてたが、敵の数はどれくらいか分かるのか?」


 向こう同様耳が良い者が居る訳でも、鼻が利く奴がいる訳でも、温度で感じ取れるやつがいる訳でもない状況で敵の数を知るのは至難の業だ。

 だが三人は気配や勘で近くに来た鹿に気づいた、ならもしかすればという期待を込めての質問。


「そうだね、あまりシカに遭遇したことないから風のうわさで聞いた話だけど、少数行動はしないらしい。だから最低5匹くらいと考えた方が良いんじゃないかな?」


「わしもヴァインズと同じく5匹くらいじゃと思う」


「拙者は2匹だと思うでござる」


 二人が同数を言ったにもかかわらず一人数を減らしてきた人物がいる。

 その場に居た三人は発言した人物に視線を集中させる、疑問を抱くものもいれば、興味を持つ人物もいる。

 俺はどちらに属していたのかは分からない。


「後月は何故そう思うんだ?」


 数が多すぎると警戒は十分だが身動きが出来なくなり、数が少なくなると慢心をよび警戒心の散漫さから付け入る隙を作ることになる、だからこそ正確な数を予測する必要があるのだが普通は言い当てるのは不可能だ。だからこそ少し多めに予測する。

それなのになぜ複数票である5匹以上ではなくわざわざ数を減らせるようなことを言うのだ?


「勘」


 この上なく根拠のないあやふやな返答が即答で帰ってくる。

 だが続く言葉を聞き気持ちが変わる。


「昨夜コロネ殿が言っていた言葉を信じるなら、侵入者を試すようなことはしても、頭から排除するようなことは無い。それに拙者たちはこの森を侵食しに来たわけじゃない、ならこれは他ならぬ龍からの挑戦状や、授けものと考える方が納得いくでござる」


 彼の発する言葉に俺の少し抱いていた疑問を解消してくれた。

 数が二桁以上の場合対峙することは不可能、その上今も見つかって居ないのが不思議だった。

 仮にこちらの戦闘人数以上の敵数だと彼が言ったように淘汰され排除される、ではコロネの言った言葉は偽りになる。


 そんなぼんやりとした疑問を解消できすっきりする。

 他の二人も一理あると思ったのか、納得したらしい。


「理解はできる、がやはり少なくするのは反対だ。後月君の意見を全否定する気はないが、やはり安全を第一に考えるなら少しくらい多めに考える方が良いと思う」


「二人の意見はどちらも道理。わしはどちらも間違っておらぬと思うだからこそ、ここはぬしさまが決めよ」


 丸投げされた気がするがこの度は俺の傲慢で出来ている、だったら今さら自分の意見を取り繕う必要はない。


「正直言って数を多くする方に賛成したいが、2ならどうにかなるかもしれないが5の場合どうにもならない気がする、だったら一か八かの賭けになるが2匹で考えたいんだ」


 皆を賭けに巻き込むのは気が引けるなんて言うレベルの葛藤ではないが、どの道この機会を逃せば食糧調達が不可能になりじり貧になる。

 根拠無い意見でも反対意見がないということは皆納得がいってることになる、ならその一縷の望みに賭ける方が建設的。


 今後も何かを賭けなくては勝てない、打破できない状況が続くと思うだったら一つの経験と割り切りかける価値の有るものにすればいい。


「まぁ君がそう言い、賛成が逆転した以上構わない」


「意見もまとまった様じゃし作戦会議とするか」


 まだ続くこの不安定な状況、いつ居場所がばれ襲われるか分からぬこの状況で悠長に作戦会議などするべきではないのかもしれないが、気持ちがはやり焦れば、最大の隙を作ることになる。ここは冷静に慎重に……


「まず耳が良いということは何か音のする方に群がるということだ、その上目が悪いなら音を発するものが何か分からずとも、突っ込んで行くんじゃないか?」


 目が悪ければ何に出も突っ込んで行っておかしくない


「兄者それは早計じゃないか? 空に飛んでいる鳥に反応したり、草木の揺れる音には反応しておらぬ」


 確かに草木が揺れる音にまで反応して居れば体力はなくなるし、そこらの木がなぎ倒される可能性が高い。


「じゃぁ何か反応するタイミングがあるって事か?」


 例えば温度、匂い、振動の仕方など、人が発する何かを感じ取っているのだろうか?


「そうじゃな自然にない音、何かが落ちる音ではなくへし折られ音何かを聴きとっておるのかもしれぬな」


 人的な破壊に感知しているって事か?

 人に限らず自然の行い以外での破壊に関して反応していると言う可能性もある。

 生存のための得物を探すのに人が関わって居なければ探せない、それは種の存続のためにも困るだろうし。


「僕らに聞こえる様な音だけじゃ無く音波をも聞きとっている可能性があるね、その上でどれが何かを判断するのに長けている」


 次々に意見が出てきて頭の中が混乱してきた。

 判断材料は不明だが、ただ音に反応するのではない。その判断材料に不自然な音で判断している可能性があり、音波で判別する範囲を狭めている可能性があると……

 まとめるとこんな感じか?


「多対一がベストだが敵数が2匹と言うことは、何かで誘導すれば残りの一匹を仕留めることは用意って事か……」


 だがこの考えだと2匹以上合いる場合、作戦が瓦解し全滅の……

 今考えるは悪いことではなくこの場をどう乗り切るかだ、敵数は2匹それでいいと決めたじゃないか。

 頭を振り雑念を飛ばすが、やはり完全には払しょくされていない。


「ユウヤ大丈夫、皆がいる」


 後ろからそう声を掛けられた錯覚に陥る、彼女ははるか後方にじっとしているのだから、これは幻聴、都合のいい幻聴。だが心が落ち着く。


「ユウヤそれでいわ、皆ですれば何とかなる」


 鼻から息を吸い、口からはく。

 彼女のおかげでもう迷いはない。

 彼女は訳も分からないだろうがそれでも彼女に感謝の意を伝えたい、言葉にすることは出来ないが彼女の顔を人目拝み、少しでも気持ちを伝えればという建前を用い、彼女の顔を見ようと背後に目を向けると……


「ロ、ローリェ?」


 驚きのあまり声はかすれ言葉にならないようなかすれ声の身が口から発せられる。

 おかげで鹿には気づかれずに済んだが、先ほどまでの幻聴と思って居た都合の良い声は、彼女本人からの言葉だということになり、彼女は話をどこから聞いていたのか疑問になる。


 初めは居なかったはずだ、それだったらどこから?


「ユウヤ今考えることは別にあるはずよ?」


 脇道にそれる悪い癖を発動直後、思考を読んだかのように軌道修正をしてくれるローリェ。

 おかげで思考の海を泳ぐことは無くなったが、絶妙なタイミングでの修正に違和感を覚えると同時に、感謝の念を抱く。


「2匹ともおびき寄せる方法ならあるかもしれない」


 俺の方に皆の視線が突き刺さる。

 鹿が音に反応するのであれば、あれが使えるかもしれない。


「ぬしさまも言ってた様に可能なら各個撃破が望ましいのじゃぞ?」

「2匹とも呼んでは意味がないんじゃ?」

「兄者……まさか囮になるなんて事は言いださぬであろうな?」


 最後の後月のセリフに前のコロネとヴァインズ、後月は緊張と怒りで表情をゆがめている。

 後方に居る彼女は悲しみにゆがめて居るかと思ったが、そんな雰囲気はみじんも感じない。


 人が変わったのではないのか? そんな気持ちになるくらい彼女は冷静でいつもの彼女と違和感を抱かせる。

 彼女の違和感の正体が分からずそれでも今考えることではないと割り切り話を進める。それに彼女は違和感を抱くまでに変貌しているが、それでもいつもお変わらぬ彼女である自身もどこからか湧いてくる。


「そんなことをしなくとも2匹ともまとめて呼ぶことなら可能な手段がある。ただ距離がどの程度離れて居るかによって変わってくるんだけどね」


 問題は距離。

 敵数は2匹で確定として考えても、距離がどの程度離れて居るかによって変わる。もちろん2匹の間に距離があれあ各個撃破することは可能になるので望ましいが、この木々に阻まれた視界では相手の位置を把握する術がない。


「相手の位置さえわかれば2匹とも呼ぶのではなく、各個撃破することも可能かもしれないのに……」


 そう考えを口に出すと。同時に疑問が湧いてくる鹿はかなり耳が良く、俺たちの位置を完全に把握してその上で俺たちを得物と定め狙たっているのか?

 話によると近くに居るとかなり耳が良いが距離があるほど、聞き取れる量は変わってくる。


 その距離というのがどの程度の物なのかよく分からないが、もし俺たちの位置を把握できる距離まで近づいているのなら、何故襲ってこない?

 俺たちは食糧調達の意味合いも兼て、迎撃を選んだが彼らはただ近くを通りかかってるだけじゃないのか?


「奴らは俺たちの位置を把握しているのか?」


「可能性はどちらとも言える」


 俺の発言にいち早く反応したのはヴァインズ


「初めから狙いすまし、近づいてきたかは定かではないが、もし通りかかっただけならもう立ち去っていてもおかしくない」


 彼の言葉が胸の内で溶けていく。

 もし把握されているのであれば、この場に居ても意味がなく俺の作戦は無意味に終わるのではないのか?


 位置を把握されている状況で襲ってこない理由は仲間を呼んでいるのか、それとも何か近寄れない理由があるのかは分からないが、こちらの位置がばれて居る時点で俺の策が通じる可能性は極めて低くなる。


 策とは名ばかりの意識を反らすただそれだけだ。

 策を弄する頭もなければ道具もない、この状況で唯一と言える取れる術はこれしかない。

が……


「敵の距離最低限位置さえわかれば……」


「兄者敵との距離は完全には分からぬが、敵の位置ならは少し離れて居るはずでござる」


 そう言う彼に驚きの視線を向ける俺に対し前方に居る二人は同意と頷いている。


 彼らが何故そこまで自信を持てるのか理解に苦しむが、今度は敵の接近に気づいた三人が賛同していることから、信頼度は最も高い。

 理性で分かり疑う余地がない。そんな時間も勿体無い状況だが気になる気持ちは抑えられない。


「理由を聞いてもいいか?」


 この山を越えたら聞けばいい、旨い夕食にありつきながら話のネタにすればいい、そう思う気持ちもあるが彼らを信じて居ない訳ではないが、納得のいかないまま行動すれば彼等の足を引っ張りかねない。

 そうでなくとも俺は自分の体質上彼らを危険に巻き込むのだ、足を引っ張る真似は出来るだけ避けなくてはならない。


「彼等の長所が突進と耳の鋭さにあるのなら、近くで固まっているより離れて助走をつけれる位置に居る方が理にかなって居るでござる。突進力があるのなら脚力も相当の物、そのうえ木々に囲まれてるこんな森の中で生息できるのであれば、その長所を活かさない道理はないでござる」


 彼の言葉に重みがあり、かつての戦闘を経て得た知識や経験を感じさせる。

 彼の発言には相手の油断があるという弱点をつくという、ある種姑息ととらえられるような手をうつのではなく、相手を尊重し尊敬しているからこそ、相手はおごらず己が長所を活かしてくるという信頼が感じ取れた。


「二人も同じ意見か?」


 頷いた二人にも意見を聞く。

 彼以外の意見でも納得が行けるのであれば、迷いなど消え去る。彼の重みの有る意見に迷いや不満が生じることは無かったのだが。


「わしも長所を活かすなら同じ様に、距離を取るそう思っただけじゃ。他に上げるとすれば、仮に仲間がやられ自分が太刀打ちできないと踏んだ場合仲間を連れてくる伝令の様な役割も担えると思うての」


 種の存続を考えるのであれば、助けを呼ぶにも危険を知らせるにも最低一人は離れた位置に居るのが定石。

 そうしなくては防衛を張ることも出来ず、奇襲される恐れがある。


 二人の意見を聞き、今までの生活から考えられない戦術の様なものを感じとりいい経験になると、状況を考えずに満足してしまう。


「僕も二人の意見に足すようなことはないが……君に一つ言いたいことがある、状況を少しは考えたまえ」


 よほど態度に出ていたのか指摘を受ける。

 自覚していただけに指摘されて少し申し訳なさと羞恥心に頬を染める。


「でユウヤどんな作戦なの?」


 先ほどまでの彼女とは違う存在が彼女の身を使い喋っているかのような違和感を払拭した、いつもの彼女の声音に安心と先程までの彼女とのギャップに疑問を拭えないが、今しがた指摘されたところなので、自重し彼女に聞くことを諦める。

 彼女に聞いたところで分かるかどうかも怪しい話だし。


「2匹は離れて居るというのに満場一致で決まったしとこだし、俺の作戦とも言えないような策を聞いてもらっていいか?」


 前ふりを行うが、もちろん

誰も反論はしない。


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